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絵本「恐竜トリケラトプスとかいぶつきょうりゅう」のあらすじの紹介と評価


評価

息子:☆☆☆
ママ:☆☆☆

読んだ目的/きっかけ

先日、地元の図書館のHPの「新着図書」のページを見ていたところ、我が家の読み聞かせの定番シリーズ「黒川みつひろ 恐竜絵本シリーズ」の新作である本絵本を発見しました! そこで、さっそく、予約を入れさせていただきました。

ママの感想

デイノケイルスの子ども「ディノ」を「海の向こうの大陸」に送り届ける旅を続けているビッグホーンたちは、食事をするために目の前に現れた森に入っていきました。しかしそこは、肉食恐竜「シアッツ」の縄張りでした。シアッツにあとをつけられてしまったビッグホーンたちは、シアッツと戦う覚悟を決めました!

本絵本は、ビッグホーンたちの戦いにドキドキするだけでなく、「食う-食われる」関係にある草食恐竜と肉食恐竜の関係に、少し切ない気持ちになるお話でした。本絵本では、上記のとおり、意図せずにビッグホーンたちが肉食恐竜・シアッツの縄張りに入り込んでしまいます。その結果、ビッグホーンたちはシアッツに襲われることになりますが、この点については、ビッグホーンが最後に縄張りに入ってしまったことシアッツに謝ったことからわかるとおり、ビッグホーンの不注意です。

このようなビッグホーンの迂闊さから戦うことになってしまったシアッツですが、戦いのなかで紆余曲折を経て、ビッグホーンとシアッツは「食う-食われる」という「生き物のサガ」とも言える関係を超えることができたように感じました。肉食恐竜が草食恐竜を襲ってエサにすることは、自然の摂理なので責められるべきことではありません。シアッツは、子どものエサにすることを考え、ビッグホーンたちに襲いかかります。

しかしながら、戦いでのシアッツ側に起きた「事件」で、ビッグホーンたちが寛大な対応をしたことで、両者の間に、ある種の「和解」のようなものが生まれたのだと私は感じました。けれども、肉食恐竜と草食恐竜という、同じ恐竜とはいえ大きな垣根のある彼らの関係がそれ以上深まることはありません。それは、当然のことなのですが「何だか残念だな…」と思ってしまった私は、ビッグホーンたちやシアッツを擬人化して捉えすぎているのでしょうか。

改めて振り返ると、本絵本の絵を見ながら私は「恐竜の戦い」として、表面的には物語を楽しませていただいていましたが、ビッグホーンたちとシアッツの戦いには、「相対する人間関係、国家」など、人間的な要素を重ねて見ていた部分があったように感じました。何か具体的なものを思い浮かべたわけではないので、これ以上、踏み込んだことは書けないのですが…

肉食恐竜と草食恐竜は、「食う-食われる」関係という自然の摂理上、超えられない壁がありますが、たとえば、政治体制の違いなど、自然の摂理とは関係なく人間が生み出した価値観による相容れなさは…本絵本でのビッグホーンたちとシアッツのように、何かのきっかけで「和解」が生じることがないのか、どこか期待をしたくなる自分がいました。ロシアのウクライナ侵攻以来、中台関係が気になっていることから、このようなことを私は考えたのかもしれません。

本絵本は、息子も娘もとても楽しそうにお話を聞いてくれました。本絵本の敵であるシアッツについては、我が家では誰も知らなかったので、「どんな恐竜だ!?」とインターネットで調べながら読ませていただきました。知らない恐竜が出てくると、「こんな恐竜がいたのか!」と、息子と娘が一層、盛り上がる気がします。

なお、今回の戦いでは「泳ぐこと」がキーワードになっていました。息子は、ちょうど今年の夏から水泳教室に通いはじめました。本人は、意気揚々と楽しそうに通っているので良いのですが、ビッグホーンたちの戦いを踏まえて「泳げるって大切だね!水泳教室を頑張らなくちゃね!」という話を家族でしたこともあり、息子の「水泳を頑張ろう!」と思う意欲を高めることにつなげられたと思います。…息子が泳げるようになると、我が家のなかで泳げないのは私だけになります。。何だか不安です…

加えて、夫が、徳川家康はいざというとき逃げるために水泳の練習をしていたという話を子どもにしてくれて…私は一人「ヤバい、どうしよう…」を心のなかで繰り返していました。子どもの手が離れたら…夫と一緒にスポーツクラブに通いクロールを教えてもらおうかと…思っています。いずれにせよ、私は「なーんで、自分は学生のころに泳げるようにならなかったんだろうな」とぼやきたくなるとともに、息子と娘には「ぜひ、4種目は泳げるようになってね!」と強く期待をしたくなりました。泳げないと…水泳の授業が辛くなるときがくると思います。私は早くも小学生にして、辛かったです。。

本絵本は、うっかり肉食恐竜・シアッツの縄張りに入ってしまったビッグホーンたちが、シアッツと戦うものの、紆余曲折を経て、相互に分かり合うことができたお話でした。読んでいて、何だか気持ちが良かったです。なお、本絵本に関する「はなし」は、上記「徳川家康が水泳の練習をしていた件」に関する雑多な「はなし」をもって代えることにしました。


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