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ユング派の心理療法を学びたい

世の中の動向も受けて、就活もしながら社会福祉主事の資格を取るために通信大学で学ぶことにしました。

すでに大学を既卒の身なので、必要な単位としては、心理学概論、社会学入門、教育学入門の3つ。これに、先々芸術系、博物館の活動支援ができればと、著作権と博物館系の授業を取ることに。これらは、気長に取っていこうかと。

で、学びだす前段階で勉強していたときに、心理学への興味が湧いてきてうわべだけ掬っていたら、臨床心理学が楽しそうだなと。

そもそも、心理学という学問自体、学びだしから歴史としては150年しか経っていない。まだまだ奥深い学問だと言える。

多分、学ぶのはその150年の歴史ある実験心理学という分野だと思うんだけど、ちょっと興味をもったのは、もう一方に大別される基礎心理学の臨床心理。というのも、なぜ社会福祉主事の資格が欲しいかと言えば、カウンセリングができるようになりたいから。つまりは臨床心理が必要な現場だと思いまして。もちろん、社会学も大事だと思う。

で、カウンセリングのなかではユング派の考え方がよいなと。

ユング派は対面による対話を大切にすべしと。その姿勢は対等であるべしと。上でも下でもなく対等。話す相手が病人であることを意識しない姿勢で話ができるようにという考えであると。現代のカウンセリングは、まさにこの考え方かなと。

その上で、患者一人ひとりに時間をとって、個別に対応する対話を重視したとのこと。これも、カウンセリングのあり方そのものかなと。

で、ユングは人を理解するうえで「タイプ論」なるものをまとめたと。

人の傾向には、2つの態度と4つの機能があって、この組み合わせで、8タイプに分けられると。

2つの態度とは、

外交的:外部のものに関心が向くタイプ。周囲や現実に意識が向かう。他人のこともよく観察するため、他者や社会に何か影響を与えたいと思う傾向が強く働く。

内向的:自己の内面に関心が向くタイプ。内省的で、自分にダメ出しする傾向や他人に対して関心が薄いと思われることがある傾向も。


これに組み合わせる4つの機能とは、「思考」「感情」「感覚」「直観」。なかでも、「思考」と「感情」は決断の下し方で、「感覚」と「直感」は物事の捉え方。

思考が優位:物事を論理的に捉える。理屈に関心が向く傾向がある。

感情が優位:好きか嫌いかで物事を判断する傾向がある。

感覚が優位:物事をあるがままに感じ取る傾向がある。五感が強い。

直感が優位:物事を事実よりも、本質や可能性に関心を持つ傾向がある。


この4つの機能の傾向別にコーヒーを飲ませた場合、どういう反応を示すかというと、

思考:「この美味しさは、どうやって淹れると醸し出されるのだろうか」

感情:「うわー、まずい」

感覚:「苦味の奥に深い味わいが広がる感じ」

直感:「この苦味はカレーに合わせると旨味を引き出すかも」

となるはず。わからんけど。


それで、2つの態度と4つの機能が交わるとどうなるか?

外向的×思考優位
現実的で論理的な発想を持つので、客観的な事実に即して考えるタイプ。感情を抑圧しがち。
内向的×思考優位
独創的な深い思考を持つタイプ。周囲からは理解不能と思われることも。
外向的×感情優位
感情に正直なタイプ。多くの人から好感を持たれる。
内向的×感情優位
物静かで、細やかな心遣いと深い愛情を持つ。自己犠牲的になりやすい。
外向的×感覚優位
現実主義者。観察眼に優れる。
内向的×感覚優位
独自の世界観を持つ。表現力を持つと偉大な芸術家になることも。
外向的×直観優位
常に新しい可能性を求めていて、ひと所に落ち着いていられない。
内向的×直観優位
夢想家、芸術家のタイプ。現実の世界で生きるのに苦労する。


ということがまとめられているけれど、実際のところ、深く人と関わってみるとそんなに単純ではないこともわかる。あくまで大別してこうなるよ、という話だろう。傾向として受け止めておけばよいかなと。

思うのは、医者と患者の関係は、他人同士から始まるものだし、そこからどこまで近づいてよいものかわからないけど、ある程度の距離をもって付き合うものだろう。そのときの尺度として、上記のようなタイプ論のようなものがあることは当然なのかなと。

一方で怖いと思うのは、最近のSNS上での炎上だの、デマの拡散だのという状況。書いている側も、読んでいる側も他人の意見との距離感がわからなくなっているのではないかと思う。ネットワークという箱の中で傾向が画一化されるというか、そういう傾向を望む人が集まりやすいというか、顔が見えない(対面でない)から言葉が表層的でも誰も責任を取らなくてもよいと考えられているように思える。誰もが誰にでもなれる感覚がある。

これから自分が学びたいのは、対面で人の気持ちを受け入れること。そして、それをどうやって返すかを考えること。ま、どういう仕事に就くとしても大事でしょ。ユングの心理療法は自分も患者と一緒に変わっていくよという考えだったわけで、そういうところはこれから学びたいなと。


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