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イーロン・マスク、まさかのTwitter買収を一時保留!?

2022/05/14

https://www.youtube.com/watch?v=2m3b63NRVCg


■ 買収合意したのに一時保留はなぜか

ツイッター買収に名乗りを上げたイーロン・マスク、なんと買収を一時保留にしたいと発言をしたことが物議を醸し、ツイッター株が暴落中。
 
イーロン・マスクがツイッターを買収すると宣言した時には、世間から、お前には金が無いだろうと揶揄されていた。
ところがどこからともなくお金を調達してきて、ツイッター買収の資金は用意したと宣言をして、買収の合意にまでこぎ着けた。

ところが昨日のニュースで、ツイッター買収を一時保留したいと報道が流れた。

『マスク氏、ツイッター買収「一時保留」 偽アカウント調査』
米テスラ最高経営責任者(CEO)で起業家のイーロン・マスク氏は13日、米ツイッター買収について「一時保留する」との意向を表明した。ツイッター上で述べた。ツイッターの偽アカウントなどの実態を把握する必要があると説明している。
SNS(交流サイト)サービスの企業価値は偽のアカウントなどが多いと目減りしかねない。マスク氏は「(大量の情報をばらまく)スパムや偽アカウントがユーザーの5パーセント未満だという計算の詳細がわかるまで取引を一時保留すると記した。その後引き続き買収には取り組むともツイッターに書き込んだ 。ツイッターは5月上旬に開示した資料で偽アカウントやスパムについて報告を閲覧した一日あたりの利用者数の5%未満であると推定していると記載。ただ正確に把握できていない可能性もあり、実際の数は推定値よりも多くなる可能性があるとも説明した。マスク氏の保留表明を受け13日の市場でツイッター株は一時10%下落した。
 

日経新聞

イーロン・マスク、ここでまさかの一時保留。その真意はどこにあるのだろうか。
私の観点からすると、これはマスク氏流の交渉術だ。なぜかと言えば、SEC証券取引委員会から金が無いだろう調査してやると言われた時に、すかさずいろんな証券会社とか、金融機関から金を引っ張ってきて金があることを証明した。そして5.7兆円で一応合意した。

M&Aするにしても、合意してからがディスカウント、もっと安く売れとジャブを繰り出すタイミングなのだ。
 
ツイッターの価値の根源は、ほぼユーザー数に集約されている。イーロン・マスクがツイッターの買収することに合意しながら、お前たちフェイクアカウントだらけじゃないかと言い出して、本当のフェイクアカウント数が判るまでちょっとペンディング(保留)だと言ったのは、ツイッターを叩いて買収金額を下げようとしている。ディスカウントを狙っているのである。

ツイッターを使っていて体感されたと思うが、偽アカウントの数が5パーセントだと信じられるだろうか。
フェイクフォロワーを調べるサイトで、いろんなインフルエンサーを見れば、けっこう3割から6割7割ぐらいまでのレンジで、フェイクフォロワーがついていたりする。

ツイッターはフェイクアカウントを作るのが容易い。それで炎上はツイッターのような匿名アカウントが多いところで起こり易い。

このツイッターこそが政治言論の匿名工作活動の場、偽インフルエンサー作りの場になっているのではないか。おそらくツイッターは偽アカウントとかボットを掃除したら、全体のユーザー数を3,4割減ると思われる。そうするとツイッターの価値がそれだけ下がる。

イーロン・マスクとツイッターは5,7兆円で合意しているが、ツイッターの本当のユーザー数は何人なのか、フェイクアカウントどれだけあるのか、その数値を明らかにしてくれと、公の場で聞くということは、これはその分をディスカウントしろ、ちゃんと情報ディスクローズしろということなのだ。これは結構ツイッター側も困ると思う。

5%ぐらいと言いながら実は3割4割、下手したら半分とか、そういう数字が出てきてしまう。それを隠しながら5%でしたということで売却してしまうと、これは詐欺になってしまう。本当の企業価値を隠しながら高い値段で売るというのは詐欺行為なのである。

そうならないためにはツイッターが、本当のフェイクアカウント数をもしかしたら公開しなければいけないかもしれない。そうやってツイッターをジワジワ攻めているのが今のイーロン・マスクの戦法である。これはなかなかいい戦法だ。上手くいくと3,4割引きできれば、うまくいって3,4割引き。できれば5.7兆円のうちの1.7兆円引きとか、最大2.3兆円引きとか、それぐらい行けてしまうかもしれないと思う。うまくいかない可能性も充分にある。

■ 外資は買収合意してからが本番 

こういう買収に合意をしてから、イチャモンをつけてその価格を下げさせる。買収価格を下げさせる戦法は、結構外資はやるのだ。
7年前のことを覚えているかどうか判らないが、フォックスコンという台湾の会社があるが、それがシャープを買収するときに一度6800億円ぐらいで合意しておいて、後で偶発債務が3000億円あるという偽の情報で、ディスカウントしろとシャープ側にねじ込んだ。それでシャープはしぶしぶ値段を下げたが、実際はたったの120億円で、3000億円も値引きする必要は無かったのだ。
 

このイーロン・マスクの交渉術には正当性がある。フォックスコンがシャープを買収する時に、将来借金があるだろうと言って値段を下げさせた。これは本来だったら詐欺行為だ。
ところがイーロン・マスクの場合は、真っ当な言い分なのである。お客様は100万人いるから1億円で買って下さいという会社があったとして、実はそのお客様が本当は60万人だったとしたら、1億円の価値は無いわけである。

ツイッターの本当のユーザー数次第では、企業価値が下がるわけである。このイーロンマスクの言い分は、非常に真っ当で、なかなかいい着眼点のいい交渉術、面白い交渉だなと思う。

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