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エルピーダ事件とTSMC 1/2

『政経会議』メンバー限定動画でのお話。

TSMC創業者 モリス・チャン

TSMCがアメリカのディープステートとも関係があるということが、ユーチューブで流れてるようだが、それは事実だ。

そうでなければTSMCは半導体製造の技術を得ることは出来なかった。オランダ系だけでなく、アメリカのディープステートとも仲良くする必要があった。

日米半導体協定が締結された1986年。その1年前の1985年にモリス・チャンは国民党の孫運璿(そん うんせん)に招かれ、初めて台湾の地に足を踏み入れる。そして、1987年にTSMCを創業する。

それまで彼はアメリカにいた。台湾浙江財閥、中国本土の浙江財閥から支援を受けて、アメリカでいろいろな活動していた。

「日本が半導体で世界一になるのは非常に危険だ。日本は帝国主義の国だ。そのような国が世界で一番の半導体技術を持ってるのは非常に危険だ。製造だけは台湾に移管すべきだ。」というロビー活動を何年も行っていたのだ。

当時を知る台湾人の方たちに取材をしていろいろ教えてもらった。もう35年ぐらい前の話なので資料は乏しいが、このような話を取材で得ている。

国策企業エルピーダメモリ

エルピーダメモリという、日立製作所、NEC、三菱電機のDRAM事業を切り出し、統合して設立した国策企業があった。

日米半導体協定で日本の半導体産業が弱体化してしまい、半導体の製造は日本の企業にとって重荷となってしまった。

そこで赤字、あるいは赤字スレスレの部門を大手企業から切り出すことによって決算の体質を改善する。

その切り出された赤字部門をいろいろな会社から集めて統合し、政府のお金を入れることで、日本の半導体を何とかしようという試みが2000年頃から行われていた。

それで誕生したのが、ルネサス、エルピーダ、ソシオネクスト、ジャパンディスプレイなどだ。

そうやって、赤字部門を切り出してまとめた弱者連合にお金を入れるということをやってきてのだが、ほとんど成功していない。

当然と言えば当然だろう。

企業が成功するためには技術革新が必要だ。また、半導体製造には国が継続的にインセンティブを与えて支援し続けることが必要である。

それを日本はやってこなかったのだ。赤字部門を集めて、一時は再生を果たしたとしても、次々と駄目になってしまった。

特にそういう会社は経産省が人事に口を出す。それも悪影響を与えていると言われている。

産活法認定

2009年6月、エルピーダのために作られた『産業活性化法』の認定を受けたことがエルピーダが駄目になった要因のひとつだ。

資料左上にその計画に対する経産省の言葉が書かれている。

この計画では、エルピーダ同社の技術優位を維持しながら、生産コストの削減を図るための設備投資や、台湾企業との連携強化を通じた国際的な業界再編を軸としているものであります。その実施により、企業の競争力の強化、収益力の向上、わが国産業へのプラス影響等を期待しているところであります。

これは今の半導体デジタル産業戦略検討会議で言っている内容とほぼ同じである。

資料左半分がエルピーダに適用された産活法認定。そして右半分は第1回の半導体・デジタル産業戦略検討会議。今まさに日本で進行している日本の半導体を復興しようというプロジェクトだが、海外の先端ファウンドリとの共同開発を推進しようと書かれている。

この海外の先端ファウンドリというのは、皆さんご存知のTSMCのことだ。

台湾が関わっていたためにエルピーダは大変なことになったのに、なぜまた台湾のTSMCなのだろうか。

経産省主導による技術移転

エルピーダは経産省からのお金、数百億円を手にするために産活法のもとに入った。それから何が起こったのか。

2009年11月 台湾ProMOSとDRAM生産委託契約を締結
2009年11月 台湾WinbondとDRAM生産委託で提携
2010年01月 台湾レックスチップにR&Dセンターを設立

2009年11月、台湾プロモスとDRAMの生産委託契約を締結。さらに台湾のウィンボンドともDRAMの生産委託で提携する。

ウィンボンドという会社は青幇のトップ、焦佑鈞の会社だ。

この焦佑鈞から弊社のCTOジェイソンも『F35』の技術絡みで刑事告訴をされたことがある。彼はジェイソンを刑事告訴し、ジェイソンの会社から押収された設計資料や様々なアプリケーション資料、他のお客様との資料などを持っていってしまった。

そういうことをやっていたのかウィンボンドのCEO焦佑鈞、英語名をアーサー・チャオと言う。

そして、エルピーダは2010年1月、台湾レックスチップにR&Dセンターを設立する。

こうして、産活法に認定されて300億円を受け取ったために、エルピーダの一番強い分野であったDRAMの生産技術を次々と台湾に移転していく。

台湾プロモス、ウィンボンドに生産委託をしてるが、生産委託をするには企業秘密を開示しなければならない。回路パターンを転写するためのマスクを渡しているので、そこからコピー商品が大量に出てきて、最終的にエルピーダは破綻する。

レックスチップのR&Dセンター設立も、共同開発という名のもとに、体のいい技術移転が行われたのだ。

資料では次のように書かれている。

2010年の3月 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づく事業再編構築計画の変更(台湾メモリ構想が破綻→日台連携強化)

2011年1月には、パワーチップのDRAM製品をエルピーダが全量購入することを基本合意。

さらに、エルピーダ、PPI、UMCの3社で、当時最先端だった28ナノを含む技術の共同開発を正式契約する。

2011年01月 PowerchipのPC DRAM生産品の全量購入を基本合意
2011年05月 エルピーダ、PPI、UMCの3社が、28nmを含む先端技術向けのTSVに関する共同開発およびビジネス協力プランについて正式契約

このように台湾に有利なことばかりを経産省主導でやらされている。

たったの300億円で毎年がっぽり儲かるDRAM技術を、どんどん台湾に移転させられている。主導したのは経産省だが、それに乗っかってきたのが当時のCEOの坂本幸雄氏だ。

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