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日本のITベンチャーが成長しない裏に闇勢力の力!?

IT産業のレイヤー


ITにもいろいろなレイヤー(階層)があり、NTTやauのようなインフラに近いもの、情報テクノロジーの部分。

その上のデバイス。エレクトロニクスメーカーが作っているデバイス、コンピューターメーカーが作っているスマホなどのデバイス。

その中に入っているチップ。

その上に乗っているソフトウェア。

さらにその上にサービスのレイヤーが乗っている。

よくIT産業というと、サービスに近いレイヤーの話をされることが多い。

私は基本的にチップを設計する会社にいるので、どちらかというと下層レイヤーの話をしている。

「なぜ深田萌絵さんは、ITの話をするとき、サービス系のことではなく、半導体の話ばかりをしているのですか」とよく言われるが、

すべてのソフトウェア、すべてのサービスは基本的にチップ上で動いていて、空中では動かない。

ということはすべてのサービスは半導体のチップの性能に依存してくるわけだ。そういう意味で基本的には半導体の話をしている。

半導体の素材や、製造の過程のどこかの部分ではなく、どちらかといえばメーカーさんの話や、どのプロセッサーがどうだこうだの話をしているが、今日はサービスレイヤーの話をしようと思う。


実態を伴わないIT新興企業


以前になぜ日本にはビッグテックが生まれないのかという話をした。

結局、世界のビッグテックはデータセンタービジネスなので、何千億という巨額のインフラ投資が必要である。

しかし日本でそれほどの金額が出てくるはずがないので、ビッグテックは生まれないという話をしたが、それ以上に日本のIT産業が闇社会にかなり支配されているという事情もある。

一時期、新興市場株ブームというものがあった。2004年から2006年のライブドアショックの前ぐらいまでの間だ。

ライブドアショックで解ったことは、日本のITベンチャーで上場していた企業が、かなり怪しいことをしていたということだ。

ライブドアも多少の粉飾があったと言われているが、多少ではなく、本当はもっと大きな事件があるのだ。

堀江さんが良いとか悪いとかではなく、上場したIT新興企業には謳われている規模と実態の乖離が大きい企業が多かった。

しかも、それら複数社の間で伝票の回し合いのようなことをして、売り上げを水増ししていた形跡があったそうだ。

知人がライブドアの再建でメンバーに入らないかと声をかけられたので、ライブドアに行き、中味を開けてみたらまともに伝票がなく、「どのように売り上げを立ててきたのかわからない」と言っていた。

ライブドアショックで堀江さんが逮捕されると同時にいろいろな新興市場の上場企業の社長クラス、創業社長たちが海外に逃げ出してしまった時期がある。

私は当時アナリストだったが、訪問する先の社長たちがことごとく、海外に行ってしまって居ないということがあった。

IT業界の大きなネットワークの中で、伝票の回し合いをしたり、ヤクザの金をつまみ、それをみんなで回し合っていたところに東京地検のメスが入り、「俺も危ない」という人たちが、一斉に海外に逃げ出したのだ。


ベンチャーと闇勢力の癒着


ベンチャーと闇勢力が癒着しやすい理由は、ひとえに日本の金融環境、ベンチャー投資が全然活発ではないということだ。

アメリカではベンチャー投資が年間17兆円ほど行われているのに対し、日本は5,000億円程度しか行われていない。

その基本的なお金の量の違いが、日本の若い人たちに心の隙間を作ってしまう。

ITで成功するためにはお金を調達しなければいけない。銀行はお金を貸してくれない。ベンチャーキャピタルも大したものはないとなると、コネを作りにいくことになる。

例えば、IT業界の有名な人たち、堀江さんと知り合いになるか、サイバーエージェントに売り込みに行くか、DMMの社長に売り込みに行くかという感じで、IT業界の社長たちに取り入ったり。

あとは闇ベンチャーキャピタルのようなものにだまされて、金を受け取ってしまう。

金を借りてしまうとどうなるのか。

上場するまで何とか応援はしてもらえる。20代半ばぐらいで若くてイケメンで、言いなりになる男の子というのはそれなりに求められている。そういう人に投資をして上場させて、その後でガッポリ金を搾り取る。

私が一番驚いたのは、IT系の創業社長が仕手株屋と組んで自分の会社の株価を吊り上げたりして、コントロールしていることだ。

なぜそれをやるのか。

ヤクザから金を借りてベンチャーをやっている人たちは、金を返すために上場させたあと、株を銀行に預けて、それを担保に金を借りている。

業績が下がって株価が下がると追証になる。(※追証=追加保証金)

追証になったらまたヤクザから金を借りなければいけないので、株価を下げるわけにはいかない。

だからずっとメディアと仲良くして良い関係を結び、良い感じのことを言って株価を操作しなければいけない。そこにはまり込んでしまう。

これが風説の流布による株価操作と呼ばれているものだが、そういう手法を取る人があの時期はかなり増えた。

その金の出所は、日本のヤクザも絡んではいるが、基本的に半島系ヤクザのパチンコマネー系をつまんでいる連中、中華アフィア系の金をつまんでいる連中だ。

そういうかなり危険なところから知らずに金をつまみ、コネで上場させてもらうと、そのあと逃げられなくなる。企業舎弟のような状態で、会社を成長させるどころではなくなる。


まずは金融の教育から


株の信用取引では、保証金(現金や株式など)を預け、それにレバレッジをかけてお金を借りている形で株を買う。

株価が下がるとマージンコールがかかる。「追証を払って下さい。保証金をもっと払って下さい。」と。

それと同じことをベンチャーの社長もやってしまっている。

私はいつも若いベンチャーの社長に相談を受ける時は、まず金融の教育から始める。金融の知識がないと、始めの段階でベンチャーキャピタリストや企業からの投資でだまされてしまう。

某上場企業は、朝鮮系の上場企業(皆さんが大好きなブログの会社)から出資を受け、なんとたったの100万円くらいで株の半分ほどを取られてしまった。

学生なので100万円は大金に思えるかもしれないが、パソコン数台買ったら無くなる程度の金額だ。

それで半分以上の株を渡してしまい、その後大学生の友達数人で2,3年ほどソフトウェアの開発を二束三文で下請けとしてやらされる。

「下請けでやっているのだったら俺たちここの社員と同じではないか。いや社員以下だ。だってまともに給料をもらっていない。それなら会社をたたんでここの社員にしてもらおう」

100万円もらってパソコンを買って、ただ働きさせられた後に、その会社の社員になる。

そういう世界なので、「大人はすごく汚いのだよ」という話をまずしなければいけない。


金を出すヤクザの方が危ない


金をだまし取るヤクザよりも、出資するヤクザの方が危ない。株主としての権利を持たれてしまうからだ。

出資してくれた株主がヤクザや闇勢力だということに気が付いたら、即座に会社をたたむことをお勧めする。

私は2014年に一度会社をたたんでいる。

会社の技術を持ち逃げし、裏切った人が株を持っている。その人たちが株主としての権利を有していることになるので、下手をすると少数株主でも帳簿の公開などの請求ができる。

彼らにそんな権利を残したくないと、残りの株主たちと話し合い、他の経緯もあったが、会社をたたむことにした。

そういう生き馬の目を抜く世界だ。何も知らない学生をだまして、こき使おうと思っている汚い親父はたくさんいる。

ヤクザがITベンチャーで上場した若い20代の兄ちゃん達を飼い殺しにするために、金はやらないが六本木ヒルズの部屋を貸してやったり、青山辺りのプール付きの豪邸を貸してやったりして、そこに住ませて毎晩毎晩パーティをやる。

パーティをやると、新進気鋭のベンチャーの社長と付き合いたいと思っている女子大生が部屋に遊びに来て、社長たちがやりたい放題できる。

女子大生は女子大生で、そういう人たちは金を持っていると思って来ているのだが、実際は持っていない。

ITで上場して、上場利益を得ている人たちは、キャッシュをほとんど持っていなくて、身なりがイマイチだったり、何か見せかけ、ハリボテ感があったりする。

IT企業にはこういうことが蔓延している。

なので、若い男の子たちから「ベンチャーを始めました。今度出資を受けるのです」と言われたら、まずそこの金の筋が大丈夫かをしっかり確認しなければいけない。

そして株価。自分の会社の株価を安く見積もってはいけないし、株を何パーセント渡すのかもきちんと交渉しなければいけない。そういう話しよくする。


IT業界に蔓延る魑魅魍魎


後ろ暗いことをやっている上場企業の社長は、六本木ヒルズに住んでいることが多い。

なぜ六本木ヒルズかというと、インサイダー取引の相談をする時に、メールや電話だと証拠が残るので、六本木ヒルズに住んでお互いピンポーンと遊びに行く。

「ピンポーンあの会社買いたいのだけど。ピンポーンあれナンボでもいい?ピンポーン伝票こんな感じで作ってくれない?」ということをやっている。

IT企業のいろいろなレイヤーで、いろいろな魑魅魍魎がいる。ライブドア系や日本の新興IT企業系の中にも、浙江財閥系のフロントのようなものがたくさんある。

浙江財閥はソフトバンクとして日本のITインフラに入り込もうとしている。そしてTSMCを使って半導体のハードウェアレイヤーに入り、シャープを買収してデバイスレイヤーに入り、上澄みのITサービス系の企業は安いので、2000年代の前半にかなり仕込まれていた。

日本のIT産業がダメなのは、こういうチンピラを野放しにして、証券会社が組んで闇勢力絡みの会社を上場させ、彼らに小銭を稼がせているからだ。


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