青春がまだ青かったころ。
昔の写真を整理していたら懐かしい写真が出てきたので送ってあげよう。というのは口実で久しぶりに連絡を取ってみた。
「鳥取に転勤になったよ。」
なんでも流行病でインバウンドの客はいないし、
こちらに来てからはずっと仕事だったので
ただの平社員として地方への異動を願い出たという。
いつもつるんでいたもう一人は結婚したけれど、
結婚式もなかったから会えていない。
「カナメ、結婚したね。」
と話題に困ったので出してみたもの
その二文字は自分にとっては少し意味が違う。
あの日言えなかったその二文字は
この数年でだいぶ色が変わってしまった。
「鳥取に遊びに来なよ!」
ずいぶん意外な話の展開だった。
「いつならこれる?春先は?」
なんだかすごく前向き感じだったけど、
ただ会いたいというだけなのかもしれない。
僕の勘違いかもしれないが
その誘いにわずかな好意を感じた。
だけど、僕は期待に応えられない。
いや、もしかしたら向こうもそういう人かもしれない。
たしかに色恋沙汰は聞いたことがない。
一緒にいろんなことを経験してきた仲だけれど
僕がそう思わせているかもしれないし。
そんなつもりはないけど。
唯一男女の友情が成立しているともいえるそんな仲だ。
「春先は繁忙期だし、流行病もあるからね。6月かな?」
なんてことを言ってみたけれど、
彼女もそうだたしたら、
僕と同じような人間だったら、
いいのになと少し期待してみる。
「いいね。」と思った方、応援よろしくお願います。