「スペキュラティブ」

スペキュラティブという言葉には2つの意味がある。投機的と思索的。この2つの意味が一つの言葉に収まっているということは、すなわち投機的とは思索的であるということだ。

金融資産の運用では投資と投機を分ける。ざっくりいうと投資は確実で計算可能、投機は不確実で計算不可能。この分類は「思索」を考えるヒントになる。

思索的であるとは計算できないことを考えるということだ。あらかじめ答えはなく、問いがあるだけだ。その問いがドライブしてダイナミズムを生み出し、時にモメンタムとなって岩盤を貫く。ラグビー日本代表が歴史的勝利を収めた南アフリカ戦の逆転トライがそれだ。貫けない時もしばしばだ。しかし、だ。堅い時代は終わり、脆い時代に突入している中、貫けないだろうと勝手に思い込んで投機しないのはナンセンスだ。

コンクリート的な世界で自然災害が頻発するようになった今、投資しつつ投機、資産しつつ思索、つまりSpeculativeでいた方がAnti-fragileでおじゃる。

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