「ディープダイブ」

潜ってしまえば海は一つだ。

名前をつけるのが好き。中学生の時、東浦公園で自転車に「ドラゴンスクリュー」と名前を付けた。一緒にいた友達は「マーブルチョコ」と名付けた。部屋にあるぬいぐるみは「神様」と名付けた。読書法は「ディープダイブ」と名付けている。

本を読む。面白かったら、その本の作者が引用している本を読む。さらに、その引用された作者が引用している本を読む。その繰り返しが「ディープダイブ」だ。海に飛び込んで、トップウォーター、そしてミドルレンジからボトムへ向かうイメージだ。

ディープダイブを繰り返すと2つの能力が身につく。一つは魚群探知能力、つまりソナーだ。本を開くとまず参考文献を観る。どんな魚がどのぐらいいるかあたりをつけるわけだ。もう一つは潜水能力だ。最初は潜っても息が持たない。でもだんだん息が持つようになってボトムにタッチできるようになる。今の僕がタッチできるのはボトムと言っても水深が浅い場所であって、知の海は底知れず深いことは言うまでもない。

水深が深くなるほど同じ本や人が引用されていることに気づく。分野が違っても同じであることが面白い。つまり、潜ってしまえば海は一つなんだ。英語を凌ぐ世界の共通言語を身につける営み、それが「ディープダイブ」だ。

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