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親知らずは、オデュッセウスのように

本日、右奥の親知らずを抜歯しました。根本が複雑で、顎の骨と癒着していたため、1時間半にも及ぶ手術でした。
途中で、外科の先生の登場や、助手の方の交代など様々なことがありましたが、なんとか無事に終了して良かったです。

その途中であったエピソードなのですが、1時間半も時間がかかったので途中で麻酔が切れました。
親知らずは抜けきっておらず砕くような形で、歯を少しずつ摘出していました。
ペンチで歯ぎりぎりと締め上げていたのですが、ガリンと外れるような形で顎に不可がかかりました。

「痛った!!」と私は、少し大きな声を上げました。多分、態度にも少し横暴な感じが出ていたと思います。

その後、麻酔を追加して外科の先生が登場して、なんとか終わることができました。歯医者の先生もとても素晴らしい方で、詳しく症状などを説明したり、安心できるようにしてくださっていていい病院でした。

ただ、普段温厚な性格であり、あまり声を荒げることなどしない自分が手術中少し乱暴な態度を取ったことは事実です。

そんな時に思い出した話があります。

オデュッセウスとセイレーンの話です。

航海をしていたオデュッセウス一行は、セイレーンの住む海域を通ります。
セイレーンは、美しい歌声で航海中の人を惑わし、船を難破させ死へいたらしめることで有名な海の怪物です。そこでオデュッセウスは、自分の体をマストに縛り付けつけ、他の船員には、船員には蜜蝋で耳栓を塞ぐように命じます。オデュッセウスは暴れまわりますが、他の船員には聞こえていないので無事この航海を乗り切ります。

そんな時ありますよね。
無茶苦茶辛し、しんどい時。

今日抜歯していた時、ホント辛かったです。

ただ、その時の言動で悪かったなんて考えないようにしています。
普通に生活してれば、自分の冷静さを失わせるぐらいの苦痛・快楽が伴う時ぐらいどうせあります。それが何なのかは人によると思いますが。
嬉しいのか、苦しいのか、調子に乗りすぎたのか。

多分、その時自分が普通の精神状態じゃないなんて気がつけません。
後になってやってしまったと思うでしょう。

ただ、個人的にはその状態下でできる最善ができばいいと思います。今日の自分の例で言ったら、「痛った!!」だけで我慢できて良かった。
「ふざけんな、このやろう!!」とか言わなかっただけで良かったと思います。

冷静さを取りも出した時、航海が落ち着いた時に、その時、謝ればいいし反省すればいいと思っています。
今日は、手術が終わった後、深めにお辞儀しておきました。

僕はこれからも多く取り乱して生きていくことでしょう。

PS:
外科の先生の冷静さは、人としてかっこよかったのでなるべき通常時は、なるべき冷静に生きていきたいですね。

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