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有能と無能の均質化

コロナ禍で新しい働き方が普及する中、YouTuber達が世間の人間を評価することが増え「有能、無能」という言葉をよく耳にするようになった。そんな動画をいくつも観てきたが言っていることはほぼ同じ。総合的に見ても組織の中で成果を出せる人間や画期的な成果を出せる人、ミスをしない人間を有能、それ以外の非効率なことをしている人間を無能とする傾向がある。ここで有能無能は彼らの主観であると捉えることも出来るが、観念としての「使える、使えない」と一般に言われていた会社の中の人間評価語彙を広くとらえたものと見ることも出来る。つまり組織でなくとも成果を出せる人間を含めた成果を出せる人を有能、出せない人を無能としている。

ここでひとつ考えて欲しいことがある。有能無能という人の特徴を誰が言ってもほぼ同じということ、そしてミクロの成果にこだわることに収束し、均質化した概念であるのではないか、評価される人間は特定のカテゴリに属する人なのではないかということ。

多様性多様性と世の中では騒がれているが結局多様性でもなんでもなく一定の行動をする成果を出す(ミスしない)人が評価され、それ以外は評価に値しないということである。つまりミクロの成果にこだわるあまりマクロの成果、トータル利益に関して目を向けない。

これが今日の生きずらさの根源であると考えている。結果的にミスせず失敗を恐れ行動しない人が増加する、また誤った経験則で新しい取り組みをしようとした人の行動を制限してしまう。これに屈しない人を有能とするなら世の中の人々はほとんど無能なのかもしれない。当然企業は営利団体なので利益を出すことを最優先するべきだが、マクロ的に利益が出ていればいいのではないかというのが僕の考えだ。ミクロの失敗を恐れるのではなくマクロの成功にこだわる方が絶対生きやすいし、利益も生まれやすい。そういう人が有能であると認められる環境作りは大切だと思うので私はこの生き方を貫きたい。

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