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漱石と芭蕉をもとに、ペンネームを作った。

ペンネームを考える。

エッセイを書くにあたって、私がどう名乗るか。
本名は明かしたくない。恥ずかしいからだ。また本名を明かすと、体面や本業との利益相反への配慮など、色々な重圧・縛りがかかる。自由が損なわれる。
ここは、自由な心で「事象と心象の交わる文章」を書く場である。
「縛り」や「誓約と制約」によるパワーは、本業で発揮する。

さて、少々脱線した。ペンネームである。
何を取っ掛かりに考えるか。
次の論点を解けば良いだろう。
・ペンネームの候補は?
・その評価基準は?
・その評価結果は?

俗に言う「山の手」論点である。わかる人だけわかれば良い。わかった方、そうだ私はマフィアだ。

さて、候補出しするにあたって、どんなタスクをやるか?
①文豪たちのペンネームと、その作り方を真似る
②生成AIに聞いてみる

まずは①か。

パッと思いつく、文豪のペンネーム。
夏目漱石
二葉亭四迷
忌野清志郎
阿部サダヲ
松尾芭蕉

こんなところか。文豪でない方も混じったがそれで良い。スパイスだ。

さて、それぞれ、どのような成り立ちなのか?

夏目漱石の由来は、「漱石枕流」という四字熟語から。
この熟語の意味は、負け惜しみの強いこと。屁理屈を並べて言い逃れをすること。
元々は、『晋書』の中にあるエピソード。

中国西晋の時代、孫楚は、隠遁しようと決心して、友人の王済に「山奥で石を枕にし川の流れで口をすすごう」と言うべきところを「石で口をすすぎ、流れを枕にしよう」と言ってしまった。それを指摘されると「流れを枕にするのは、汚れた話を聞いた耳を洗うためで、石で口をすすぐのは歯を磨くためだ」と言い張った。

goo辞書

もの言いようである。
夏目漱石流に言えば、「好きな四字熟語から拝借する」というアプローチ。

私の好きな四字熟語。
「先従隗始」「明鏡止水」
止水は中2心がくすぐられる。
まだピンと来ないな。ここでAIを使ってみようか。

【指示文】
夏目漱石が「漱石枕流」からペンネームを取ったように、私も四字熟語からペンネームを作りたい。 水にまつわる「四字熟語」とその由来を、9個出してくれ

ピンときたのは、以下2つの結果。

行雲流水
深く物事に執着しないで自然の成り行きに任せて行動する

流水不腐
流れる水は腐らないように、常に動き続けることが大切であることを意味します。

「流水」良さげである。
流水から「身を委ねよ」と「自発的に動け」という、相反するような2つの示唆が出てくるのが面白い。気に入った。漱石っぽくもある。

それにしても「流水不腐」これをGoogle検索しても中々ヒットしなかった。どちらかというと日本語というより漢語のようだ。これを提示してくるAI、中々に面白いことをする。

次に、二葉亭四迷。
諸説あるそうだが、『予が半生の懺悔』の中で、本人曰く
坪内逍遥の名前を借りて『浮雲』を出版したため、自分が情けなくなり、自分自身に対して、「くたばってしめえ!」と言い放ったから、だそうだ。

つまり、「自分が情けなさに、自分を叱責した時の言葉」からつくる。

さて、なんだろう。
日記を数年分読み返してみたが、「自分を叱責した言葉」は見当たらなかった。

このペンネームの作り方はあまりピンときていないのだろう。

ここから立つ仮説は、その作品や人物が好きでない著者のペンネーム作りの発想はピンとこない説。

松尾芭蕉は、以下のようだ。

江戸深川隅田川畔に「草庵」を結ぶ。門人李下(りか)より芭蕉の株を贈られ、この木が大いに茂ったことから、この庵が「芭蕉庵」と呼ばれるようになり、俳号としても「芭蕉」を好んで用いるようになる。

なるほど、「自然と呼ばれ出した名前」を使うパターンか。

それで言うと、友人から「博士」と言われることがあるな。
博士号を取ってないのに、私がした分析から博士と呼ばれる。

となると、強引に一度ペンネームを作ると、
「博士流水」
それを、少し文字って
「葉加瀬 流水」かな。

ちなみに、葉加瀬は京都での伝統的な苗字。
瀬は「流水」が浅く流れているところを現す、そうだ。

一旦、こうしようか。

初めまして、葉加瀬 流水です。

うーん。カッコつけているな。
却下。もう一回考えるべし。

参考
タイトル写真 UnsplashRobert Zunikoffが撮影

書くのに要した時間70分


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