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東京都行政のデジタル化にパブコメするなら、何でしょう

これは結構重要な話ではないかと。

「シン・トセイ」とか、「東京デジタルファースト」とか、用語がいちいち気持ち悪い点はありますが、やろうとしていることは、確かに進んでいる感じ。

現在、東京都では「東京デジタルファースト条例」に基づき、ポストコロナ社会を見据え、許認可、届出、証明、閲覧、補助金申請、施設利用の申請等の行政手続のデジタル化を一層推し進めていくため、「東京デジタルファースト推進計画」の策定を進めています。

このパブリックコメントは、27日までだったのかあ。

令和3年5月26日(水曜日)から令和3年6月27日(日曜日)

マイクロソフトフォームズを使った応募ページとか、なかなか現代的なパブコメだったのに、参加できなかったのは痛恨ですね。

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私なら、どういうパブコメを送るかなあ。

今までできなかったわけではないことが、コロナ禍で実はできることが分かったということが色々ありますが、その際たるものが、テレワークと押印の廃止ではないかと思います。

さらに、その二つを掛け合わせれば、行政手続きは窓口に行かなくてもできることがわかったわけで、行政サービスのデジタル化という流れに対する抵抗勢力は随分と少なくなったのではないでしょうか。

東京都ではこれまで、平成16年の「オンライン通則条例(東京都行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例)」に基づき、書面手続を原則とする中で、可能な部分について行政手続のオンライン化を進めてきました。

日本でも行政のデジタル化という掛け声は、随分前からあって、もう20年くらい言っている気がしますが、なかなか進まなかった。なぜなら、現場がやる気がないから。管理職が理解していないから。今のままで良いという気分が横溢しているから。

つまり、日本全体のデジタル化への忌避感の総元締めであり、日本経済の進展のボトルネックとなっていたのが、行政のデジタル化だったと言ってもいいと思います。

それを東京都は、副知事が打破しようとしている。

最初はスマートシティ構想をやるのかと思って入ったのですがコロナになって、いまは都政のデジタルの利活用を推進する構造改革にどっぷりとつかっていますね。職員の皆さんはどう思うかわからないですけど、自分が見ている感じではかなり変わったと思っています。都庁に来た日は自分の部屋にWi-Fiがなくて、どうしようかなと。

デジタル化以前の環境を打破できた要因は、やはりコロナ禍だったようですが、地味なようですが、環境が大事だと思います。

これまで日常的に使っていた端末はZoomができなくて、部局のZoom専用タブレットで会議をやっていたのですが、ルールやシステムを変え、回線を増強したりIEしか使えなかった端末をGoogle Chromeも使えるようにしたり、YouTubeも解禁しました。そういった地味ですが端末周りの整備をかなりやったので対応できるようになりましたね。

お役所のIE頼みを本当に変えて欲しい。アクセスできないサイトとかありますからね。馬鹿なんじゃないかと思いますが、当時はそれでよかった時代があって、そこから進歩していないからなんですよね。だから、トップが号令しないといけない。

でも、デジタル化が全て良いわけではなくて、やはり「利用者にとって便利」にならないといけないし、業務をやる人たちにとっても手間が減って、改善されないと意味がないわけです。

その点、厚労省のデジタル化は、現場の入力の手間を増やしていたり、欲しいデータが取れなかったりと問題があるようです。

「V-SYSには集計画面がなく、VRSは地域の接種実績を集計できない。つまり自治体が自分のところの実績を見る仕組みがないので、医師会が協力して手作業で集計しているのです」と聞き、ずっこけました。

ファックスで保健所がデータを連絡していることに驚いているどころではなく、新しくシステムを作って仕事を増やしているのは、デジタル化の意味がないと思いますね。

現在あるシステムとコロナ対応システムなどが並立すれば、フローが増えるだけで、PCでの作業が増えるばかりです。
しかも、入力作業まで保健所任せになっているとすれば、保健所の作業はただでさえ膨大なのに、パンクします。

こうした環境を変えるものに、「シン・トセイ」はなっているのでしょうか。

宮坂副知事はその辺を理解しているようです。

保健所の情報化のために最初はAIを使おうと思ったのですが、忙しい現場でまったく新しいことをやると学習に労力が割かれてしまうことがわかりました。ですからまずはいま使っている道具をバージョンアップしようと。デュアル・ディスプレイを装備するとか、端末のスペックを良くするとか、Wi-Fiを入れるとか、電話がヘッドセットになるとか。これは地味ですが効果があるので、いま取り組んでいます。現場のやり方を無理やり変えると破綻するおそれがあるし、忙しくて学習できない人もいる。仕事を回しながらどうやって動かしていくのかが重要で、現場なしのデジタル化をやると本当に危ないです。

皆さんなら、どんなパブコメを送りましたか?

終わっているのが残念ですが、これからも注視したいとおもいます。

最後に宮坂さんの言葉で、これは今後も使えるなと思ったのが、「昭和100年」までにデジタル化をというところ。

世界が変わりデジタル空間が急速に動いているのを認識したうえで、リアルとデジタルの両方で何が起きているのかをみないとデジタル化が遅れます。行政のデジタル化の基盤作りは平成でやっておくべき仕事でした。それを昭和100年、つまり2025年までにはデジタル化の基盤作りは確実に終わらせて、令和に入っていくことが大事だと思います。

私たちは、まだ昭和90年代を生きているようです。


サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。