谷口ジロー論 「風景の物語」を読む
谷口ジローの『歩く人』を読むとと、そんな記憶をふいに呼び起こされる。
『歩く人』は、まだ農地や森も残る郊外に住む一人の男が自宅の周辺を歩くという内容だ。たとえば第二話「雪が降る」は、犬を散歩につれた主人公は、自宅のある高台から降りて、河原へを通り、開けた原っぱの中で朽ちた蹄鉄を拾い自宅へ戻る。
谷口は「あとがきにかえて」(※1)でこう記している。
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