400文字の……(9)富野監督の取材

 今年はインタビュー集『プロフェッショナル13人が語る わたしの声優道』を出版したこともあって、自分のインタビューのやり方についてアレコレ話をする機会が多かった。そこでよく例に挙げたのが富野由悠季監督のインタビューだった。
 富野監督の語りは、余談に思える話題も多い。でも、それはこちらが出したお題にかならず繋がっている(もちろんちょっとは脱線もするけれど)。だから「どこで繋がっているのか」ということをちゃんと押さえるつもりで聞いていれば、そんなに難しくない。これは、インタビューをする時に大事な「相手の発した言葉ではなく、言いたいことをいかにキャッチするか」ということを伝えるには、ちょうどいい例なのだ。
 ちなみに初めての富野監督取材は、『ブレンパワード』の放送直前で、その時は僕は週刊誌の編集者として同席したのだった。インタビュアーは氷川竜介さんだった。で、自分がちゃんと取材をしたのはムック『ブレンパワードスパイラルブック』の時だと思う。
 今年僕が担当した富野監督の取材は、『富野由悠季の世界展』図録(小原篤記者と共同)、サンテレビの番組宣伝動画、ヤングジャンプのガンダム・コラボ号、そして本日公開されたYahoo!特集の5回。Blu-rayブックレットの取材の時には、映像演出の話だけにできるだけ絞って聞こうとしているのだけれど、今年はそういう意味では、いわゆる一般媒体が多かったので、わりと多岐にわたる話題を聞いた年だった。
 そういえばYahoo!特集の取材日は、ちょうど富野監督の誕生日。ベテランのメカアニメーターさんが描いたRX-78で飾られたケーキが用意されていた。これは富野監督が78歳とかけたものだと聞いた。まあ、それを見ながら僕は「ガンダーX78でありますか?」と心のなかでつぶやいていたわけですが。
 

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