💗R:Short:夫の友人に煽られて
玲佳(れいか)は高校時代の女友達と時折、ランチを一緒にしている。
「最近、いつも浮かない顔ね」
食後のコーヒーを啜りながら友人は促すように話し出す。
「・・・」
応えずにいると、友人は察したらしい。
「さては、あまり構ってもらえないんでしょう」
「・・・」
「夜、相手してもらえるの?」
「・・・」
にやけた笑みをこぼしながら立て続けに話し出す。浮かない表情を見破られている。
「私もよ」「男って同じ女には飽きるものよ」「私はねぇ・・・」
友達は言いよどんだが。
「あれ、大人のおもちゃ、聞いたことがあるでしょう」「あれ、使ってるわ」
驚いて友人の表情を探る。
「私が注文しておくわ、使ってみたら」
気まずいランチの後、重い足取りで家路につく。
1週間が経過した。宅急便の荷物が置かれていた。置き配だ。
周りを見回しながら急いで取り込んだ。
心臓の鼓動が高い。箱を開いてみると、電動バイブレーターだった。(使ってみたい、でも・・・はしたない)、考えあぐねながら、クローゼットのタンスにしまい込んだ。
* * *
「今度の日曜日、辰野が来るってさ、東京で翌日会議があるらしい」
辰野は夫の友人だ。結婚式の後の二次会や三次会にも来ていた。その後、夫は親しい男友達を自宅に招いていた。辰野はいつもやってきており、夫の最も親しい友の一人と分かった。
辰野の馴れ馴れしさに少し嫌味を覚えていたが、夫とは相性がいいのだろう。よく話に出てくる。背は夫を僅かに超えるが、身体は固肥えのようだ。たくましいといってもよい。
玲佳は辰野が苦手の方だった。どこか狙われている感がする。夫には言ってもいない。友人の間柄まで壊したくなかったし、どこか刺激も受けたかった。
* * *
日曜日の午後に、辰野がやってきた。夕食をともにしながら夫と辰野はビールを飲んだ。夫は酒にそれほど強くはない。風呂から出ると、「明日、会議は午後だろう、いいなぁ」「明日早いから先に休むな」夫はさっさと寝室に入っていった。
辰野も風呂に入ると、客間に入っていった。玲佳は片づけを終えると、風呂に入り、クローゼットに。タンスの様子がおかしい。夫にはすべて替え着などは用意する。不審に思いながら、タンスの引き出しを開けた。整理されている下着などがどこかおかしい。下着を繰ってみた。
(バイブレーターがない・・・!)慌てるわけにもいかず、不審に思いながら翌朝を迎えた。夫を送り出す。
「また、機会があったら来いよ、夕食は楽しかったよ」「一足先に行くよ」「うん、またな」
辰野の声がどことなく弾んでいる。辰野はすぐ客間に引き返した。
玲佳は洗濯を済ませ、居間に戻った。見ると、テーブルの上にバイブレーターが置いてある。玲佳は驚いて客間を見る。客間のドアが開き、辰野がにやけた顔を見せる。
「奥さんは、バイブが要るんだ」
玲佳は見透かされたようで、後ずさりする。辰野の狙いが明白だ。辰野は日頃恵まれている友人に妬みを覚えていた。玲佳を襲っても、夫には言わないだろうと踏んでいた。バレたとしてもなんの損もなかった。
辰野の動きは早かった。玲佳が戸惑っている間に組み伏せてしまった。玲佳が藻掻いてもどうにもならなかった。あっという間に腰を浮かされ、ショーツをはぎ取られてしまった。
肩はしっかり固定されている。玲佳は両足をバタつかせはするが、ショーツを剥ぎ取られているので、恥ずかしく、それほど両足をバタつかせられない。
「ヤメテ・・・」か細い声だ。誰も助けてはくれない。隣人は気が付きもしないだろう。防音効果の高いマンションの一室。ケガもしたくない。「落ち着いてくれ、ひどいことはしないから」「そう、そう」
玲佳の身体から力が抜けていく。「いい子にしてくれ、悪いようにはしないから」
辰野は玲佳が落ち着くように待っている。ただ、右足を玲佳の両足の間に入れている。玲佳の両足の間で辰野の足が密着して小さく擦られている。すでにショーツを脱がされた玲佳の股間がわずかに揺れる。
辰野の体温が伝わってくる。玲佳の体温が辰野の股間を刺激する。辰野の緩急をつけた腰の動きがゆっくりと玲佳の股間から腰回りに広がっていく。久しぶりに男の感触が伝わり、広がっている。玲佳のツボの潤みが増している。(わたし・・・)濡れ始めている自分を悟っている。
他方で、玲佳は頭の中で(レイプされるんだわ・・・)イメージが急に膨らんだ。レイプされる女が喘ぎだすシーンを思い出した。玲佳は官能小説を読んだ時の同じようなシーンが呼び起こされた。途端に密液が滲みだしてくる。玲佳の肌艶が帯びてくる。辰野に分かるのか、股間がさらに膨らんできている。
(男と交わってはいけない)そう思った玲佳は起き上がろうとし、小さく藻掻き始めた。辰野は準備していたのか、やすやすとズボンを脱いでいく。
辰野は玲佳の両足を膝下から持ち上げ、膝を玲佳の上半身に折り返した。玲佳の尻が上に曲がり、玲佳の股間が黒毛を翻して上を向く。
玲佳の身体が半折になり、玲佳は驚いて目を瞠る。その瞬間、すかさず、辰野の棒が玲佳のツボを貫いた。「アーーーツツ」と玲佳の声が伸び、頭を床に強く押し付け、玲佳の頤(あご)が突き出されてしまう。辰野は動かない。玲佳のツボが塞がれ、辰野は腰を強く押し付けてくる。塞がれている玲佳のツボは待ち望んでいたかのように収縮を始める。
辰野がさらに動き始めると、玲佳は夢の中を彷徨いだした。
***
***
辰野は用意していた荷物を持つと、静かに出て行った。玲佳の傍にはバイブレーターが置かれていた。
「夫では満足させてもらえないだろう。これはこれで良かった」、と思うことにした。夫婦は子供を作ることなどは考えていない。夫との生活は満足している。働くというよりは、やりたいことが別にある。
味を占めた辰野は上京するとき、必ず呼び出すだろう。心待ちすることが一つ増えた。