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漫才論| ¹³⁸ギャロップが圧倒的な実力の割に"人気"がない唯一の理由とは❓

ギャロップは「人気がない」というわけではありませんが,実力に見合った"人気"を得ることはできていないと思います。私は個人的にギャロップのことを,師匠クラスの次の世代で「一番漫才がうまいコンビ」ではないか思っています。"二人とも"めちゃくちゃしゃべりがうまいですし,"二人とも"ボケもツッコミもでき,ネタによって,もしくはネタの途中でも,ボケもツッコミを自由自在に入れ替える技術もあります。実力は圧倒的です。その割には"人気"がありません

私はギャロップの漫才が大好きなので,もっともっと多くの方に二人の漫才の「うまさとおもしろさ」を知ってもらいたいですし,実力に見合った"人気"を得るべきだと思っています。そこで,大きなお世話だとは思いますが,ギャロップが実力の割に"人気"がない理由について考えてみました

ハゲネタが多いから?

「ハゲネタや自虐ネタが好きではない」という方も一定数いると思いますし,2018年のM-1でも結構たたかれました。そうした影響もあって,「ギャロップはハゲネタや自虐ネタしかできない人たち」と思っている方もいると思いますが,それは誤解です!

「普通のおもしろいネタが作れないから自虐に走る」というケースもありますが,ギャロップの場合はそうではありません。「普通のおもしろいネタ」も作れますが,普段の二人の関係性を漫才に反映することによって「もっとおもしろいネタ」を作る道を見出したのが,今のギャロップです。あれは,普段の二人の会話を漫才に"昇華しょうか"した結果の「ハゲネタ」だと思います。つまり,普段の林さんがたまたまハゲていただけで,"狙った自虐ネタ"というかんじはしません

毛利さんのキャラのせい?

「毛利さんのキャラが嫌い」という方も一定数いると思います(作ったキャラというより""の毛利さんのかんじが・・・)それはもう完全に好みの問題なので仕方のないことですが,「あのキャラが嫌い」という理由で,漫才をしているときの毛利さんをほとんどみたことがない方がいらっしゃいましたら,ぜひ一度ご覧ください。毛利さんに対する見方が変わると思います

漫才中の毛利さんは,全然かっこつけていません。むしろ,とにかく「うまい」です。しゃべりも,ボケも,ツッコミも。本当に漫才が「うまい」です。そして,林さんもめちゃくちゃ「うまい」です。この「"二人とも"うまい」というのがすごいことなんです!ギャロップの「うまさ」に気づけたら,ギャロップに対する見方が変わります。「『ハゲネタ』も単なる自虐ではない」ということに気づけます

一番の問題はおそらく・・・

このように,ギャロップには"漫才師"としての欠点はほぼないと言っても過言ではありません。漫才の「うまさ」においても,「ネタ作り」においても。その割にそこまで"人気"がついてこない理由,それは「衣装」だと思います

私がみたかぎりでは,二人ともネクタイをしていないことが多かったり,スーツっぽいのに「ズボンがジャージ」みたいな衣装だったりすることがあり,ずっと気になっています

ほどよくおしゃれなスーツとネクタイにすれば,漫才自体の印象もかなり変わります。かっこつけすぎていない,おしゃれだけどどちらかというとまじめなかんじのスーツにすれば,「毛利さんのキャラが嫌い」という方にもいい印象を与えることができますし,「ハゲネタ」の"自虐感"も薄まり,「うまさ」が際立ちます。つまり,「ギャロップの漫才の本質」をみてもらえるようになり,実力に見合った"人気"を得ることができるのではないかと思います

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あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】