漫才論| ¹⁶⁷「台本通り"完璧"」よりもさらに上をいく「"自然な相槌"を打てるようになる練習方法」とは❓
「漫才がうまい人はみんな『相槌』がうまく,台本に書いていない相槌を自然と入れる」というて点についてはこちらの記事で書きました
この記事の中で,相槌が苦手な人のための「読むだけでうまくなる漫才台本」をご紹介しましたが,これはあくまでも相槌の感覚を身につけるためのものです。「相槌」というのは,自然と入れらるようにならないかぎり,うまい漫才にはなりません。「読むだけでうまくなる漫才台本」を台本通り完璧に演じても結局「不自然」になってしまうので,まずはこの台本で相槌の感覚を身につけ,それから自分なりの「自然な相槌」を打てるようになる必要があります。ではどうすれば,自分なりの「自然な相槌」を打てるようになるのでしょうか?
読む漫才台本
まずはこちらの「相槌付き漫才台本」をご覧ください(冒頭の記事に掲載してある台本と同じものです)
普通の台本には書いていない「相槌」を入れること自体が苦手な方であれば,まずはこの台本の通りにやることによって,「相槌」の感覚がなんとなくつかめると思います
「台本通りやろう」とするのをやめる
「相槌」の感覚がつかめてきて,台本も覚えたのであれば,ここでやってほしいことがあります。それは,「『台本通りやろう』とするのをやめる」ことです。本番は「台本通り完璧に演じる」のもありだと思いますが,練習においては,自分の好きなように「相槌」を入れ,「相槌」だけでなくほかの部分でも自分の好きなようにアドリブでボケたりツッコんだりしてください。この練習を繰り返していけば,自分なりの「自然な相槌」を打てるようになりますし,「"完璧"な漫才」よりもさらに上の「生きた漫才」ができるようになります
「これがどうしてもできない」という方は,漫才が向いていない可能性があります。その場合は,「台本通り完璧に演じる」というやり方でもいいと思いますが,これができるのに「台本通り完璧」を目指して練習してしまうと,"完璧"以上の漫才ができないのでやがて行き詰まります。"完璧"を超える練習をしないとそれ以上は漫才がうまくなりませんし,練習もだんだんつまらなくなってきて,漫才をやめてしまうかもしれません
一方,いつもアドリブ満載で練習していれば,どんどん漫才がうまくなっていきますし,練習も楽しいです。しかも,毎回アドリブを入れることによって,練習しながら新たなボケや新たな展開が思いつくこともよくあり,ネタを進化させることもできます。「台本通り"完璧"」を目指す練習は,劣った練習方法であるということが分かると思います
このテーマに関する質問・意見・反論などは
「みんなで作る漫才の教科書」にお寄せください
「みんなで作る漫才の教科書」とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです
THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」
フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔 出演: おせつときょうた
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】