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漫才論| ³¹いつか漫才のネタが尽きてしまう日が来る❓

いいネタが思いついたとき,「このネタ誰かが先にやってないかなぁ」と心配になることがあります。すべての人のネタをチェックすることは不可能ですし,偶然かぶってしまうのは仕方のないことですが,そうは言っても,「誰かが先にやってる」と分かった場合には,通常そのネタを使うことはできません

現在でも多くの人が,こうして毎日のように新ネタを作っているわけですが,いつか漫才のネタが尽きてしまうことはないのでしょうか?いつまでも新ネタを作り続けることは可能なのでしょうか?

限られた人しか「新ネタ」を
作れなくなる時代が来る?

漫才は「生活に密着した笑い」ですから,時代と共に「生活」も変化するため,ネタが完全に尽きてしまうことはないと思います。ですから,「新ネタを作り続ける」ことはできるはずです

ただ,ネタの「発想」やアイデアパターン」がほぼ出尽くしてしまう日は,いつかやって来るかもしれません。そういう時期が本当に到来するなら,その状態でもなお新しい発想を生み出す才能を持ったごくごく限られた人しか新ネタが書けなくなります

落語のネタが尽きない理由

落語が今でも成り立っている理由の一つは,「古典落語」があるからです。落語家の場合は,必ずしも「新作落語」を作ったり演じたりする必要はありません。精力的に「新作」を作る方もいますが,「新作はほとんどやらない」という方もいます。もしも現在の漫才の世界のように,「基本は『新作』。基本的には自分で作る』」という誰が決めたのか分からないルールのようなものがあったとすれば,落語は衰退していた可能性もあります

"使い捨て"のネタが日本全国で量産されている

現在の漫才の世界で見られるような,それぞれのコンビが自分たちだけのためにネタを作り,いずれは自分たちでさえもそのネタを演じなくなるという,いわば「使い捨てのネタが日本全国で量産されている状態」はよくないと思います。完成度の低いネタであっても,その中にはおもしろい「発想」や「アイデア」が含まれていることがあります。演じられたもののまったく日の目を見なかったネタであれば,それを知らないまったく別の人が同じようなアイデアを思いつき使えるので特に問題はありませんが,それなりに知られ,でもその後まったく演じられなくなってしまったネタが増えれば増えるほど,そのネタの中にあるおもしろい「発想」や「アイデア」を他の人が使えなくなるという問題があります

今はまだ漫才の「発想」や「アイデア」や「パターン」が出尽くした時期ではないので,こんなことを気にしている人はあまりいないかもしれませんが,いずれこれが切実な問題となる時期が来ると思います。そんな将来を見据えて,今からできることが2つあります

①オチがしっかりとした漫才を書く
②それをフリー台本として公開する

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作: 藤澤俊輔  出演: おせつときょうた

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あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】