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漫才論| ⁹¹「長尺漫才」って何❓

「長尺漫才」というのはその名のとおり,尺が長い漫才,ネタ時間が長い漫才のことです。「何分からが長尺漫才なのか」という定義はおそらくなく,M-1の影響で"標準"となった4分を超えるネタは「長尺」と呼ばれることがあります。5,6分のネタもあれば,10分・20分・30分・1時間など,「長尺漫才」と言っても長さはいろいろです

逆に,短い漫才のことを「短尺漫才」と言うのかというと,まったく言わないわけではありませんが,こちらの呼び方はあまり定着しておらず,今後も定着しなさそうな気がします

「長尺漫才」はコンビによってさまざまな演じ方があるので,そのいくつかをご紹介します


一本ネタ+アドリブ

「一本ネタ」というのは,最初から最後まで一つのストーリーで構成されるネタのことです。例えば,ネタ時間が20分の場合,20分の長さの一本ネタを用意する必要があるのかというと,そういうわけではありません。むしろ,少し短めのネタ(例えば15分とか)にして,アドリブを入れながら20分で演じる場合が多いです

アドリブが得意なコンビであれば,「4分のネタをアドリブ入れて20分でやる」なんてこともあります。完成度の高い一本ネタで,アドリブの技術があれば,それでもまったくグダグダになることなく,完成度の高さを保ったままアドリブ満載の長尺漫才をすることも可能です

これが「長尺漫才」の王道であり,正統派だと思います

フリートーク+本ネタ

ネタ時間に余裕がある場合,いきなり本ネタに入るのではなく,「漫才のようなフリートーク」を入れることがあります。このフリートークで長さを調整し,頃合いを見計らって本ネタに入るというやり方です

フリートークが苦手でなければ,このやり方は時間の調整がしやすいですし,その場でしか聴けないフリートークをすれば結構喜ばれます

ネタを何本かつなげる

短尺の持ちネタを何本かつなげるというやり方です。これは,「長尺漫才が苦手なコンビがやる苦肉の策」という印象を与えてしまう恐れがありますが,ネタのつなげ方が自然でものすごくうまければ,長尺漫才感を出せると思います

おすすめは「一本ネタ+アドリブ」

「一本ネタ+アドリブ」で長尺漫才ができるようになると,これをやればやるほどどんどんネタが育つのでおすすめです

それに,これができるとかっこいいです。全体の完成度を保ちながら,相方とその日の持ち時間に合わせてどれだけアドリブを入れどこで台本に戻すかの駆け引きをしながら,最後は時間通りにビシッとオチをきめる。これができればほんとかっこいいです!

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❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」

フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔  出演: おせつときょうた

あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】