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漫才論| ⁷⁴漫才のマイクってどうして一本なの❓

「『漫才』といえばセンターマイク一本でやるのがあたりまえ」というイメージがあるかもしれませんが,実際にはセンターマイク一本ではなくピンマイクもつけている場合も少なくなく,センターマイクのほうはただ置いてあるだけで音を拾っていないこともあります

「飾り」のように置いてあるだけなら「センターマイクなんていらないのでは?」という話にもなってきますが,私は「いる」と思います

漫才は"呼吸"

「漫才は呼吸」とよく言われます。コロナ禍で,マイク二本で二人の距離を離してやってみたり,リモートでやってみたりと,いろいろな試みがありましたが,マイク一本のあの距離じゃないと相方の「呼吸」を感じるのは難しいと思います

"それなりの漫才"ならどんな形でもできますが,惚れ惚れするような掛け合いは,マイク一本のあのスタイルでなければできないような気がします

惚れ惚れするような
"掛け合い"ができる漫才師

ただ最近は,「惚れ惚れするような掛け合い」ができる漫才師自体が少なくなってしまったので,ピンマイクだけでも十分成立するのかもしれません。だからといってセンターマイクをなくしてしまうと,「惚れ惚れするような掛け合い」ができる漫才師が余計に減ってしまうと思います

あの距離感と,センターマイクに向かって話すという基本スタイルは,掛け合いがうまい漫才師を育てるうえで重要な役割を果たしているような気がします

漫才の「うまさ」と「美しさ」

加えて,センターマイクがある今でさえ,センターマイクがないフリートークのときのような立ち方で漫才をする漫才師もいますから,センターマイクがなくなってしまうと,漫才ならではのあの「美しい立ち姿」もきっとなくなってしまいます。あそこにマイクがあるからこそ二人があの近い距離感で立てるわけで,マイクがないのに二人でくっついて立っていたら絶対に変です

さすがに当面は,「センターマイクなんていらない」という話にはならないとは思いますが,掛け合いがうまい漫才師が減り,フリートークのような立ち方をする漫才師が増えればそんな話にもなりかねませんから,漫才の「うまさ」や「美しさ」についても考えたほうがいいと思います

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