[漫才コント] コーヒーのない世界(当て書き:夢路いとし・喜味こいし)
#オチを予想してお楽しみください (7文字)
コーヒーがなくなってしまった世界で喫茶店を営むいとしさんと,コーヒーがなくなってしまったと知らずに店にやってきたこいしさんのやりとりをお楽しみください
オチの分類:途端落ち
夢路いとし:最近つくづく思うんですが,戦争というのは嫌なもんですな
喜味ことし:私なんて原爆経験しとるから,ほんま戦争は嫌ですわ
い:夫婦喧嘩と同じでやな,戦争の原因も結構くだらない
こ:そういうもんかね。くだらん原因で戦争にまで発展するか?
い:例えばや,世の中からコーヒーがなくなったら,戦争が起こるな
こ:コーヒーなくなったら戦争起こるか?
い:想像したことあるか?コーヒーのない世界を
こ:それはないな
い:喫茶店行ってもこんなかんじや
こ:注文いいですかな
い:はいはい
こ:コーヒー1つ
い:「コーヒー」ですか?申し訳ありまへん。只今コーヒーは売り切れておりまして…
こ:コーヒーがない?
い:ええ,ないんですわ
こ:ここ喫茶店でしょ?
い:ええ,ここ喫茶店ですわ
こ:「ここ喫茶店ですわ」やなくて,喫茶店にコーヒーがないておかしやないか
い:お客さん…ご存じないんですか?
こ:「ご存じない」て,何がですか?
い:度重なる異常気象で,世界中のコーヒー豆というコーヒー豆がなくなってしもうたんですわ
こ:世界中のコーヒー豆というコーヒー豆が!?
い:そうなんですわ。それが原因で,今や世界の至る所で戦争が起こってます
こ:そないなことになっとるんですか。ほんなら,コーヒーは飲めないんですか?
い:そうなんですわ。申し訳ありまへん
こ:ほんなら,何なら飲めます?
い:コロッケならございます
こ:え?
い:コロッケならございます
こ:コロッケ!?
い:はい
こ:「はい」やない。売り切れたコーヒーの代わりがコロッケということですか?
い:はい
こ:だから「はい」やない。コーヒーの代わりにコロッケておかしやないか
い:コーヒーとコロッケは似てますから
こ:どこがや。似ても似つかんやろ
い:どちらも「コ」がつきます
こ:「『コ』がつく」てなんや。名前の頭に「コ」がつくということか
い:はい
こ:だから「はい」やない。あのね,そういうんは「似てる」とは言わん。それにやな,コーヒーに似てる飲み物で「コ」がつくいうたらまずは紅茶やろ
い:紅茶はですね,コーヒーがなくなった直後に注文が殺到いたしまして,すぐに売り切れてしもうたんですわ
こ:まぁ…それはそやな。ほんならココア!「コ」つくやろココアも
い:申し訳ありまへん。ココアはですね…
こ:売り切れた?
い:えぇ。紅茶の次に売り切れまして…
こ:まぁ…当然そうなるわな…
い:続きまして,コーラが売り切れまして,その次に,こぶ茶,コンソメスープ,コーンポタージュの順で売り切れまして,現在のうちの店のメインの飲み物がコロッケということになっております
こ:あのなぁ,コロッケが飲み物か?
い:今や当店では,コロッケは「飲み物」というカテゴリーに含まれております
こ:世界からコーヒーなくなるとこないなことになるんか…
い:どうなさいますか?
こ:「どう」言われてもやな…,コーンポタージュの次がコロッケなんですか?
い:ええ
こ:何かあるんやないですか?
い:「何か」というと?
こ:コーンポタージュとコロッケの間に入る「コ」がつく飲み物ですよ
い:ありますかね…
こ:あると思いますよ
い:ちなみに,コロッケもあと3杯で売り切れですので,ご注文される場合はお早めにどうぞ
こ:今やコロッケも1杯2杯と数えるんかいな。コーヒーのない世界はけったいやな
い:どうなさいますか?
こ:どないしよ。こうなったらコロッケ飲むか。…でももし,私が「コ」のつく飲み物思いついたら,売ってくれるんですか?
い:ええもちろん。でもたぶんないと思いますよ。コーンポタージュとコロッケの間に入る「コ」がつく飲み物なんて
こ:こういうんはね,絞り出せば何かしら出てくるもんなんですわ。「コ」やろ?コ…コ…コ…コンビーフ…
い:コンビーフになさいますか?
こ:あるんですか?
い:コンビーフならございます
こ:いやちょっと待て。思いついたのをただ言うただけや。今日はコンビーフ飲む気分やない。え〜と,「コ」ね。コ…コ…コ…コンクリート…
い:コンクリートになさいますか?
こ:なさいません!無理やそんなもん。思いついたの言うただけや。注文してない。無理やろコンクリート飲むなんて
い:固まる前に飲み干せば…,いけます!
こ:いけるかっ!
い:今こうしてお客さんが「コ」のつく飲み物を考えている間に,コロッケも完売いたしました
こ:意外に売れるもんやなコロッケも。結構な勢いで。コーヒーなくなると世界変わるな。ちなみに,コロッケの次のメインの飲み物はなんですの?
い:コンビーフです
こ:それ私がさっき言うたやつやないか
い:では,コンビーフのエスプレッソになさいますか?
こ:なさいません!気持ち悪いわ。「コンビーフのエスプレッソ」て。そんなもんあるんか。…でもあれやな。今思うたんやけど,コーヒーなくなったせいで世界では戦争まで起きとるんやろ?
い:起きとります。大変なことになってるんですわ
こ:ほんなら例えばやで,海の水をコーヒーに変える機械を私が発明したら…
い:ノーベル平和賞も夢やないんと違うか
こ:ほんまに大変なことやからな。世界からコーヒーなるっちゅうのは
い:まぁでも〜海の水コーヒーに変える機械発明するんには相当時間かかるやろね
こ:かかるな。20年くらいでなんとかなりますかな
い:20年後にこんな会話してるかもしれんな
こ:できたで!ついにできた!このマシンさえあれば,海の水からいくらでもコーヒーが作れる。これで20年も続いたあの愚かで忌まわしき「コーヒー戦争」も終わりや
い:教授!教授!大変です!
こ:どないした?そないあわてて。海の水をコーヒーに変えるマシン完成したとこやのに
い:それが…,この◯◯◯◯で,◯◯◯がなくなりそうなんです
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】