[漫才] 強く優しく(当て書き:ロケット団)
#オチを予想してお楽しみください (7文字)
三浦昌朗:学校でのいじめが問題になってるじゃないですか
倉本剛:社会問題になっていますからね
三:この場を借りて言いたいんですけど,いじめをするような人はものすごく弱い人間ですからね!
倉:本当に強い人間はいじめなんてしません
三:だから学校でね,本当に強い人間になるための教育をしたほうがいいと思うんですよ
倉:どんな教育ですか?
三:勉強でも部活でもなんでもいいんだけど,何か一つのことに本気で取り組みながら本当の強さを学ぶみたいな
倉:それだったら本当に強い人間になれるおすすめの部活がありますよ
三:何部?
倉:柔道部か,ボクシング部
三:そういう短絡的な考え方だからダメなんだよ,お前は
倉:短絡的じゃないでしょ
三:短絡的だろ。強い=腕力みたいな考え方だろ?真の強さは腕力みたいに目に見えるものでは測れませんからね
倉:だったら何で測るんですか?真の強さは
三:優しさだよ
倉:優しさ?
三:優しい人が一番強いんだよ
倉:どうしたんですか?なんか今日やけにまじめじゃないですか?
三:いつもまじめだろ俺は。俺の口からはまじめな言葉しか出てこないからな
倉:いつもは適当なことしか言わないですよねぇこの人。確かに,優しい人は強い人ですよ。でも,柔道とかボクシングやってる人も強いじゃないですか
三:弱いだろ。弱いからこそ手を出すわけだろ?
倉:「手を出す」って言うのやめてもらえます?そいう競技ですからね。手を出さなかったら勝負がつかないでしょ,一生
三:そんなの先に手を出したほうが負けだろ
倉:それは日常生活の話でしょ。だったら柔道部とかよりも,野球部とかのほうが強いんですか?
三:野球部は弱いだろ
倉:なんで?
三:あんな金属の棒を全力で振り回すような奴ら優しいわけがないだろ
倉:怒られますよ全国の野球ファンの皆様に。じゃあバレー部ならいいんじゃないですか?素手ですからね
三:お前なぁ,あんな全力でビンタするような人間どう思う?
倉:「どう思う」って…,確かにあれがビンタだったら相当えげつないですけどね…
三:優しさのかけらもないだろ
倉:それを言い出したら球技は全部ダメなんじゃないですか?
三:球技はダメだね。玉を使う競技で唯一強くて優しい競技は,砲丸投げだけだね
倉:いやいやいや,砲丸投げなんて物騒な鉄の玉を意味もなく投げ飛ばす競技じゃないですか
三:お前なんてこと言うんだよ!意味もなくって失礼だろ
倉:別に意味なんてないですよねぇ,鉄の玉投げるのに
三:あの鉄の玉はおばあちゃんが大切にしている鉄の玉なんだからな
倉:おばあちゃんが大切にしている鉄の玉?
三:そうだよ。おばあちゃんだって運べるもんなら本当は自分で運びたいと思ってるんだよ。その鉄の玉をおばあちゃんの代わりに運んであげる,それが砲丸投げだろ
倉:そんな競技でしたっけ?砲丸投げって。だいたいおばあちゃんは何に使うんですか鉄の玉を
三:おばあちゃんが使う鉄の玉っていえばあれしかないだろ
倉:あれって…全然思いつかないですけどねぇ…
三:漬物の重石だよ
倉:いやでも…砲丸なんて丸いものを重石にしたらコロコロ転がって落ちちゃうでしょ
三:だから転がらないように台みたいなものをまず漬物の樽の上に置いて,そこに砲丸を置く,そこまでが砲丸投げなんだよ。な?優しいだろ?
倉:「な?優しいだろ?」じゃないよ。砲丸投げってそんな競技じゃないですからね
三:とにかく,砲丸投げがある陸上部は,強くて優しい部活なんですよ
倉:だったら陸上部が一番強いんですか?
三:陸上部と強さを争ってる部活がもう一つあるね
倉:何部ですか?
三:帰宅部
倉:帰宅部は部活じゃないでしょ
三:部活だよ。俺は帰宅部の部長だったからね
倉:帰宅部に部長なんているんですか!? だいたい何するんですか?帰宅部の部長って
三:部員のみんなが無事に家に着くまで見守る
倉:優しい!優しいですね,帰宅部
三:だろ。もしも途中で足をくじく部員がいれば家まで送り,途中でお腹が痛くなる部員がいればすかさず正露丸を差し出す。それが帰宅部部長の仕事ですよ
倉:まさに強くて優しい男ですね,帰宅部部長。それで結局,帰宅部と陸上部ならどっちが強いんですか?
三:最近は,帰宅部のほうが優しいだろうね
倉:昔は違ったんですか?
三:昔の陸上部はもっと優しかったね
倉:今と昔では何が違うの?
三:昔の陸上部には,もっと◯◯◯(◯◯◯◯)があった
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】