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介護が専門分野

先日ガイアの夜明けで「認知症と向き合う」という放送を見た。

ずっと介護を仕事にしてきた立場からすると、認知症の治療薬、治療法を確立する動きにはすごく魅力を感じるものの、認知症介護の一側面しか見せていない所には疑問に思う所も多々あった。

今回のTVで取り上げられていた認知症の方は非常に軽度であり、初期の方だという事だ。介護施設やGHに居る認知症の方にはあのようなレベル感の方は居ない。

私が疑問に思うのは「認知症は治せる」「認知症は予防できる」と大々的にTVでアピールする事は、裏側には治らない人、予防できない人やその周りに居る家族に「私たちも頑張らなければいけない、治さなければいけない」という強迫観念につながらないのかという事だ。

認知症ケアというのは基本的に内服で進行を遅らせながらも、その方の状態、症状に合わせて寄り添っていくのがベースとして教育されてきた。そこには認知症の人その方をそのまま受け入れるという姿勢が根底にあると思っている。

冒頭にも書いたが、今回の放送自体はすごく魅力的であり、希望を持たせるものだと感じる。ただ、一方で夢の実現や自立支援という観点からは程遠いご状態の認知症の方が居る現状も合わせて放送しければ人知れず苦しんでいる方が居るのではないかと感じた。

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