演奏精度を高め、且つ時間短縮できる練習方法

音楽教室に来られている生徒さん達のレッスン時によく感じるのが「練習のやり方を工夫すればもっと早く上達するのになぁ」ということです。

そこで、生徒さんに練習方法をお伝えする資料を作りましたので紹介したいと思います。

これは僕がサックスを始めてからずっと続けている練習のやり方です。
曲の難易度に関わらず、なるべく短時間で、且つ精度が高い仕上がりになると思います。

1、楽譜全体を読む
シャープやフラットがどの音についているのか、キーは何なのか、単調があるかどうか、リピートやコーダなど、楽譜全体の構成を確認します。

2、レベルに合わせて区切りを設定する
簡単な楽譜であれば終わりまで区切る必要はないです。反対に難しそうなら2小節で区切っても良いでしょう。
全てを同じ単位で区切る必要もないです。「簡単な箇所は8小節で区切り、難しい箇所は1小節で区切る」というやり方でも良いです。

3、音符の長さに関係なく音を順番に演奏する
譜読みの苦手な方は特定の音程で詰まってしまったり、上手く音が出ないことがあったりしますので、先ずは音を順番に出すということに絞って練習をします

4、メトロノームを使用してゆっくり目のテンポで楽譜の通りに演奏する
区切った箇所をメトロノームに合わせて練習します。
その箇所がスムーズに演奏できるよう繰り返し練習しましょう。5回程度演奏してみて上手くいかないようであれば区切りの長さがレベルに見合っていないので、区切りを短くしましょう。

5、完成したら次の区切りを決めて同様に練習
ここがポイントです。
「完成」の基準は演奏をマスターするのにとても重要になってきます。
なんとなくそれなりに演奏できるのか、楽譜通りきっちりと正確に演奏できるのか、それによって最終的な仕上がりに影響します。
僕がレッスンでやっているのは「5回チャレンジ」です。
5回連続でミスなく演奏できたら「完成」としています。

6、次の区切りが完成したら1小節目から繋げて演奏
区切りごとの演奏が完成したら楽譜の頭から繋げて演奏しましょう。
この時も単に流れで演奏するのではなく正確に「完成」をさせましょう。

7、このやり方を繰り返して楽譜の終わりまで練習する
区切りごとの練習、繋げての練習を積み重ねていき、楽譜の終わりまで完成させていきましょう。
この時点で楽譜の前半はかなり精度の高い演奏ができるようになっている筈です。

8、楽譜全体をゆっくり目のテンポで演奏できるようになったら徐々にテンポアップ
少しずつテンポを上げていきましょう。

9、楽譜指定のテンポまたは目標のテンポでの演奏を完成させる
繰り返しますが「完成」が重要です。テンポがどのように変わっても正確な演奏ができることはとても大切です。

10、仕上がりの確認
「この楽譜は演奏できる」という基準は「数回に1度は正確に演奏できる」というレベルではなく「数回に1度ミスするかしないか」というレベルです。
仕上がりの確認として3回連続でミスなく演奏できるか確認してみると良いでしょう。

以上が僕のオススメする練習方法です。
一見かなり時間がかかりそうに思えるかもしれませんが、精度が高い演奏を短時間で仕上げていくにはとても効果的です。

〜完成レベルの演奏を繰り返すことで演奏の精度が格段にレベルアップします〜
「演奏できる」ようになったら更に繰り返し練習をしてみましょう。
数十回、数百回と演奏した曲は時として作曲者の意図まで感じ取ることができる場合があります。
また、繰り返すうちに「楽譜を演奏する」という次元から「自分の演奏」という次元へと変化していきます。

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