すげーパティシエと食べ歩きに行ったよって話

警察博物館。
建物の中には入ったことがないが、名前から察するに警察の博物館なのだということはIQ3の俺にも分かる。

恐らく中には警察官のホルマリン漬けやパトカーのホルマリン漬けが展示してあるのだろう。
警察=ホルマリン漬け。これはIQ28の俺にも分かることだ。

しかしこのマスコットキャラクターはなんなんだろう?

全裸にベルト、頭部には謎の突起物。
歩く公然わいせつのような見た目をしたこいつが治安を守る警察のマスコットキャラクターなのだろうか?

そしてこのポーズ、この表情。なにを訴えたいのか皆目検討がつかない。
IQ56の俺からしたら、小声で
「お前の乳首、ここだろ?」
と言っているようにしか見えない。

もしかしたらホルマリン漬けにされた警察官の成れの果てなのかもしれない。

だとしたらこのキャラの名前は「ホルちゃん」だろう。

「ピーポくん」でした。

赤ずきんちゃんのオオカミのような紹介文だが、全裸である意味は書かれていない。
意味がないのであればもはや全裸は彼の趣味なのだろう。
名前を「ゼンラくん」に変更してほしい。

なんてことを考えながら俺はコシさんを待っていた。

コシさんとはジャパンケーキショーという国内最大級のパティシエのコンクールでチョコ細工やマジパンで受賞歴を持つ方。

簡単に言うと「すげーパティシエ」なのだ。

俺は今日このすげーパティシエと食べ歩きをすることになった。
はっきり言って異常事態だ。

俺がカナブンなら、コシさんはヘラクレスオオカブト。
それくらい格が違う。
普通なら
「へへ、ちょっと樹液分けてもらってもいいっすかね?wえ?ダメですか?わかりやした、あっしは別の木に行きやすwwwカナブンブーンwww」
と平身低頭ペコペコ媚びへつらうべき存在なのである。

そんな方と食べ歩き。緊張しかしない。緊張以外のことができない。

こんなに鼓動が高鳴るのは、初めて上原亜衣の映像作品を見たとき以来だろう。
そう。今日会うのはパティシエ界の上原亜衣なのだ。

上原亜衣との共演。夢が叶った。デビュー作のタイトルは
「出会って5秒でパティスリーにイク」
で決まりだろう。

デビュー作が決まると俺の緊張レベルが1段階上がった。レベル鬼だ。

落ち着け!落ち着くんだ俺!
落ち着いてマジックミラー号を探すんだ!!!

慌てふためいている俺の前から野生のコシさんが現れた。
当然コシさんは上原亜衣ではなくコシさんだった。

上原亜衣ではないことに多少気落ちしながらも、コシさんと軽く挨拶をすませ店に向かう。

冒頭の警察博物館で分かる人は分かると思いますが、これから向かうのは「イデミスギノ」です。

日本人で初めて世界大会で優勝されたパティシエ。
簡単に言うと「めっちゃすげーパティシエ」です。

今日俺はすげーパティシエとめっちゃすげーパティシエのお店にこれから向かいます。

店に入ると、オープンしたばかりだというのにすでにショーケース前には人が並んでいた。平日の朝からこれなのだから、かなりの人気店だ。

注文の順番を待っている間、焼き菓子を見ていると
「シンフォニー」という焼き菓子があった。

どういうお菓子なのかな?と思って説明の札を見ると

"夏季限定のシンフォニー"

と書いてあった。

夏限定の商品ということだけは分かったが、それ以外が何一つわからん。

シンフォニーがどういうものかはもちろん知ってるよね?というスタンス…たまらねぇ…やっぱりイデミスギノは最高だ…ゾクゾクしてくるぜ…

順番が回ってきて、コシさんが2個、俺が3個注文した。
コシさんが注文したのは「ミスアルビオン」というチョコミントのケーキと名前は忘れたがグレープフルーツのケーキ。

俺が頼んだのは「エベレスト」「フィースト」「ペッシュミニョンヌ」というケーキ。

エベレストはテイクアウトNG、店内でしか食べられないほど繊細なケーキです。

構成は生チーズのムースの中にフランボワーズのソースが入っていて、上に生クリームを添えてあります。

生チーズってなんなんだ?チーズに生とかあんのか?まずは生ビールと普通のビールの違いから教えてほしいと思いながら食べる。

美味い。美味すぎる。チーズが生とか生じゃないとかどうでもいい。

フランボワーズの酸味を生チーズのコクが優しく包んで、え〜と、なんかこう、うん!美味い!うまピヨ!

とにかく美味しいんだ!

フィーストはマンゴーやらパッションやら夏のフルーツが使われていて爽やかでうまピヨ!

ペッシュミニョンヌは淡い桃の味の輪郭をくっきりと感じさせてくれる逸品!うまピヨ!

イデミスギノはもはや美味しいのが当たり前みたいなところがあるくらい美味しい。

イデミスギノのケーキの特徴は2つあると思ってて、

まず1つがムース。
イデミスギノといえばムース。そうイメージする人がほとんどだというくらいイデミスギノのムースは美味しい、というか凄い。

どう凄いかと言われればその軽さだろう。
しっかりと空気を含んだ軽いムース。
しかし空気なんて儚いものを含んだムースなんて作ったその瞬間から状態は悪くなっていく。それをさせずにベストな状態のままお客さんの口まで届けるためのシェフの努力やこだわり。それがイデミスギノのケーキには詰まっている。
だからここのケーキは特別なんだ。

2つが素材の味。
シェフの著書に「素材より素材らしく」という本がある。
イデミスギノのケーキはまさに"素材より素材らしい"。

イデミスギノのケーキで素材の味がボヤけてるものを食べたことがない。常に素材のフレッシュでシャープな味がする。大げさに言えば素材そのものよりもその味の輪郭をはっきり感じられる。

つまりなにが言いたいかというと、

イデミスギノはパネェ!

ハンパな過ぎてケーキ3個なんて余裕で食べれてしまう。

そう!こんなことをコシさんと熱く語りあった。

わけではなく、ずっとどちらが晴れ男であるとか、どちらが身長が高いだとかでマウントを取り合っていた。

イデミスギノのケーキを食べながらマウント合戦を繰り広げる成人男性2人がそこにいたのである。

まぁお互いの経歴とかも話しましたが、コシさんの経歴はハッキリ言ってすげぇ〜〜〜。
スゴ過ぎてマウント取られまくったので今回は割愛させていただきます。

イデミスギノを出たあとは、蔵前にある「en」というお店に行き、そのあと「FOBS」というお店のケーキをテイクアウトして解散の予定。

続きは長くなりそうなのでまた後日____

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