Spinoza Note 33: Ethica 第1部の後半を読む(第3群 神の能力、必然性、知性)
定理15から何か読みづらい、かつ面白みに欠けると感じたが、そこに一区切りあるとわかった。前半の定理1から14までが神を定義していて、後半の定理15から36までが神と他との関係を説明するという二部構成になっている。ざっと読んだ印象だが、前半が語彙の定義、後半がSpinozaが主張したいことだろう。
証明が真であることを示すより、定理や公理間の参照関係に注意を払っているように思われる。後半の定理群については、各々形式化して厳密に正しさを検証しても意味がなさそうだ。読み方を変えてみよう。
定理15から36までを7つのグループに分ける。(後で見直すかもしれないけれど。)グループを分けるにあたり、最後から(つまり定理36)から遡っていく。なぜかというと結論をつかまえて、そこから根拠を探るというようにあらすじを把握しながら読みたいからだ。
定理群の最後の方、定理30から36までを第3群とし、3グループを含める。各グループに対するラベルの付け方は恣意的だ。ひとまとめにした定理(複数)に通底する概念を選んだが、正確でないだろうから最後に見直す。
Gr 7: 神の能力、定理36、定理35および定理34
Gr 6: 必然性、定理33と定理32
Gr 5: 知性、定理31と定理30
表の説明:
これらの定理を表の左端に、上から下へと並べ、各々の定理が言及するほかの定理(複数)を右においた。それらを証明で言及される順に左から右へ並べている。P36の 'P' は定理 (Proposition) を意味する。定理14以前の定理、すなわち前半の定理(複数)はその内容を表示していない。後半を構成する定理間の関係に焦点をあてたいからだ。D6の 'D' は定義 (Definition) を、またA6の 'A' は公理 (Axiom) を意味する。
訳文は高桑による。自分で読みながら解釈を更新すると思うが、まずは訳をそのまま示す。
後ろから前へ戻るとしたが、最後のグループ Gr 7: 神の能力 はほかと雰囲気が違うので、最後に回す。それはともかくとして、続くページで第2群、第1群を示す。
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