「何が問題か？」が大問題

経団連の十倉会長が会見で開き直っていた。「何が問題か？　受け取る側で処理はきちんとやってほしい」。ゆるゆるメディアがどんな切り返しをしたか知らないが、大問題にもほどがある。

聞けば年に24億円も自民党に貢いでいるという。貢いだ先で金が本来の目的に遣われない、もしくは横領されていると<b>知ったうえで</b>金を貢ぐのは、献金にしろ寄付にしろODAにしろ、ほぼ犯罪に近いのではないか。

企業・団体による政治献金は大きな問題を孕んでいて、日本政治の長年の宿痾でもある。上で「本来の目的」と書いたが、政治的見返り・利益誘導以外に何があるか！？　してみるとこれは、受け取る側で収賄、送る側で贈賄もしくは背任罪立件可能な行為なのである。

こんなことは政界財界法曹界メディアのいっぱしの人間はだれでも知っている。なのになぜ放置され、立件されないかといえば、たんに「みんなで渡れば怖くない」式の事なかれ主義しか思い浮かばない。思えば過去何百回「政治とカネ」というフレーズがニュースの見出しを飾ってきたことか。

嗤ってしまう唯一の正当化は「社会貢献（フィランソロピー）」というもので、上の会見で十倉も言及していた。語るに落ちるとはこのことで、個々の企業は社会貢献案件は広報・CMで大々的にアピールするけれども、政治献金については決して大ぴらにすることはない。よほど後ろめたいのだ。言わずもがなだが、旧統一教会問題もこれに直結している。

どこかで株主訴訟が起きないものか？　それが<b>アリの一穴</b>にならないとも限らない。

日本はじつはお隣の大国（＝ディストピア）と同じく一党独裁国家である。法制度はあっても、外形的かつ事実上、民主主義の根幹である政権交代が（いっときの幻のようなそれを除き）機能していない以上、民主主義国家というのは看板に大いなる偽りがある。

唯一のとは言わず、その大きな要因が企業献金である。投げ銭の的は、政党というには無原則に大きなごった煮集団。その方が気楽にたかれるとばかり無節操なハエ、もとい議員たちが集まる。元芸能人、元スポーツ選手までなんでもござれ。それこそが自民党=独裁政党=石化脳俗物政党である。

ためしに党員一人ひとりに政治思想や信条（持っているとして）を問いただしてみるといい。玉石混交、千差万別、千々に分かれて収拾がつかず、決して統一した像は結ぶまい。それでもかろうじて政党のていを成すのはなぜかといえば、政治資金という蜜の壺（＝唯一の紐帯）をかかえ、それに流れ込む政治献金があるからである。

重要課題が持ち上がっても、党内だけで議論百出、侃々諤々、結局は微温かつ中途半端な骨抜き法案が出てくるだけ！！　残るのは「これなら誰にも文句はないな」とばかり睨みをきかす老害政治家の下卑た笑いのみ。

かくして独裁政党の懐が潤い続けるのと並行して国の膨大な借金は増え続けるばかり。

どうするニッポン！！？

余談だがこのごった煮集団の面々が、カネ以外で唯一、例外なく同じ方向を向く号令がある。「天皇陛下バンザイ」がそれである。

残念なことにこの反応は前頭葉を通過していない。ほぼ膝蓋反射に近い。よって石化脳俗物政党という。