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文読む月日 1月7日

SEMENTOS Gt.Vo / NINE SPICES 店長の藤村です。


そろそろ梅雨の時期ですか、これを書いてるのはGW真っ只中ですが、
ライブハウスでお酒を出せないっちゅーことで、自作のクラフトコーラに挑戦しました。
想像していたより美味しく出来たので満足気ではあります。

コロナ禍になってからというもの特殊能力がどんどん増えて行きます。
たまに何をやっているんだろうと、ふと思う瞬間もありますが、何かに活かせると思うようにします。

今回読んだ本は、「ウナギが故郷に帰るとき」という本です。
スウェーデンの日刊紙「シズヴェンスカン」で芸術・文化担当記者を務めていたパトリック・スヴェンソン著、大沢章子さん訳です。


ウナギに特別興味があったわけではないんですが、タイトルに何故か惹かれて購入。
序盤はウナギの生態について書かれていて、初めて知ったんですが、ヨーロッパウナギとアメリカウナギって生まれが一緒なんだそうです。


ほとんどのウナギがサルガッソー海で生まれると言われていて、そこから様々な場所へそれぞれのウナギが旅をして定住場所を探すんだそうです。

サルガッソー海でレプトケファルス(幼体)から海流に運ばれ、シラスウナギ(稚魚)へと変態し暮らした後、定住先を彷徨って銀ウナギ(成体)へと変態します。

それから驚くことに、産卵の時期になると生まれ育ったサルガッソー海まで帰るそうで、遠いものでなんと5000kmも移動するそうです。


このウナギの生態の発見は20世紀初頭まで全くの謎で、アリストテレスの時代から沢山の研究者がその謎に挑んでは匙を投げたり、とんちんかんな仮説を説いたりしていました。

その理由は、ウナギの生殖器官が産卵期に入るまで発達しないことや変態する度に場所を移動することから、繁殖の仕方が長い間謎とされて来ました。
アリストテレスはウナギは泥から生まれると本気で説いていて、そう信じられていたそうです。


限りなく正しいとされる生態を発見したヨハネス・シュミット博士の研究の経緯の話なんかは、人間の探究心はとてつもなく凄まじいなと驚嘆しました。

そんな不思議なウナギにまつわる話と、著者の幼少期の父親とウナギ釣りの回想録が交互に書かれていて、ウナギの生態と人の人生を並べて著者の人生観が語られています。
ウナギに魅せられた人たちの、人間とウナギの歴史が詰まった1冊でした。

そして今、ウナギが絶滅の危機に瀕しているとのこと。

ウナギは高価だし、子どもの頃に骨が喉に刺さったトラウマがあるので、そもそもほとんど食べる機会ないですが、更に拍車をかけそうです。

読んでみたらとても興味深い一冊でした。オススメです。

次回は、「そもそも植物とは何か」という本を読みたいと思います。


それから私事ですが、stiffslackのTAPE MEETING vol.2にSEMENTOSから1曲「プログラムされた蟻」という曲で参加しています。
4月28日から発売してます。


stiffslackマンスリーコラム11月号で紹介した「ヒトの社会の起源は動物たちが知っている」から影響を受けて作った曲なので、そちらも併せて是非。


ではまた来月、よろしくどうぞ。

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