競売入札シミュレーション 大阪地裁本庁編R2.8.18開札①

今回は大阪地裁本庁の一棟アパート物件です。

今回こちらの物件を選んだのは、以前私がこちらの物件のお部屋を仲介としてご案内したことがありましたのでピックアップしてみました。

入札期間は、8月4日~8月11日まで
開札期日は、8月18日となっています。

入札期間終了間近です。
入札検討されている方はお急ぎくださいね。

事件番号 令和01年(ケ)第883号
売却基準価額 95,670,000円
買受申出保証額 19,140,000円
買受可能価額 76,536,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:八尾市山本町三丁目
地目(登記):宅地
土地面積(登記):498.20m2
用途地域:第一種低層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:150%

種別:建物
物件番号:2
所在地:八尾市山本町三丁目
種類(登記):共同住宅
種類(現況):共同住宅・教室
構造(登記):木造スレートぶき2階建
構造(現況):木造スレートぶき3階建
床面積(登記):
1階:279.57m2
2階:273.44m2
床面積(現況):
1階:279.57m2
2階:273.44m2
3階:約12.9m2
間取り:共同住宅(1LDK8戸、ファミリータイプ2戸)、教室
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:平成28年2月

■ポイント■
★物件明細書より
・物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号2】
別紙賃借権等目録記載の通り。
・その他買受の参考となる事項より
外は特に気になるコメントはありませんでした。

★現況調査報告書より
1.賃借権等目録より
■明け渡し猶予付き
101号室|賃料7.2万円・共益費0.3万円=7.5万円
102号室|賃料7.1万円・共益費0.3万円=7.4万円
106号室|賃料4.5万円・共益費0円=4.5万円
201号室|賃料7.6万円・共益費0.3万円=7.9万円
202号室|賃料7.5万円・共益費0.3万円=7.8万円
203号室|賃料7.2万円・共益費0.3万円=7.5万円
205号室|賃料7.5万円・共益費0.3万円=7.8万円
206号室|賃料12.5万円・共益費0.3万円=12.8万円
3階部分|賃料1万円・共益費0円=1万円
□103号室・105号室は空室で所有者が管理。
合計64.2万円が月の家賃収入となっています。
2.土地の南東側の一部分に「受水槽」が東側隣地にまたがって存在する。同受水槽は東側隣地に存在する共同住宅の設備であり本件建物には関係ないとの陳述がある。本件目的土地を使用している部分は、約4.5㎡と報告する。と、記載があります。
3.駐車場はない。
4.建物の北側に外階段が設置されており3階部分に到達する。

※関係人の陳述等より
1.土地共有者兼債務者会社取締役
①目的建物は、法人が所有者となっている。
②本件については法人の代表者が対応する。

2.土地共有者兼債務者会社代表取締役
①目的土地共有者は、私の母である。
②土地所有者と建物所有者間に借地契約等はない。
③本件土地の東側に隣接する土地・建物の所有者は母である。
④受水槽が設置されているが東側隣接建物の設備であり、本件建物の設備ではない。設置にあたっては、土地所有者が同一であり、借地関係は無い。

3.管理会社担当者より
①法人が管理を執り行っている。
②103号室、105号室が空家である。
③106号室はオーナー使用となっているので契約関係はわからない。
④102号室の賃貸借契約書のみ見当たらない。
⑤203号室はオーナーの直契約となっている。
⑥3階部分に1部屋が存在する。
⑦入居者は申請により、犬又は猫の合計二匹までの飼育が認められる。

4.3階占有者より
①所有者から賃借して教室として使用している。
②週4回子供たちに教えている。

※執行官の意見より
1.106号室の占有者は本件土地共有者であり、建物所有者会社の取締役でもあることから、正常な賃貸借契約と考えるには疑問がある。
2.管理会社は、106号室、203号室、3階教室の賃貸借契約について直接関わっていないとの事である。

※間取り及び室内写真より
1.土地建物位置関係図に受水槽の図が書き込まれています。
2.間取りは1LDK、2LDK、3LDKとタイプがあるようです。
3.空室のお部屋はクリーニングも終わっていて、いつでも募集ができそうです。
4.お住まい中のお部屋の写真は日常生活を感じさせるお写真が写っていました。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩6分の場所にあります。約480m。
2.接面道路の状況:幅員約6.5m舗装市道(建築基準法42条1項1号道路)
3.ライフラインについて、上水道、ガス配管、下水道すべてありとなっています。ただし、オール電化の建物です。
4.経済的残存耐用年数は約26年とされています。
5.管理の状況は普通となっています。
6.106号室の占有者は、目的土地共有者かつ目的建物所有会社の取締役であり、3階占有者は目的建物所有会社の代表者の妻である。両室については、恩恵的賃貸借契約の可能性があると推認する。
7.検査済み証あり。但し、建築確認と異なり、建物北側に外階段が設置され3階の約12.9㎡(増築部分と判断)が教室として利用されている。
8.基礎となる価格として約13,660万円が評価額として算出されています。
9.毎月の賃料(共益費含む)が64.2万円/月。年間で770.4万円となっています。
10.空室が二部屋あるので、現在の賃料と同じような賃料として計算すると1件7.8万(共益費含む)として、2件で年間を考えると、
7.8万×2×12ヵ月=187.2万円が潜在的な家賃収入があると見ることができます。
満室想定として考えると、79.8万円×12ヵ月=957.6万円
今回はこちらの数値を利用してシミュレーションしていきます。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
957.6万円÷9,567万×100=10%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
957.6万円÷13,660万×100=7%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
957.6万円÷10,928万×100=8.7%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

前々回の大阪地裁本庁での1棟物収益不動産の落札は売却基準価額の約3倍で落札されていましたので、そちらでもシミュレーションしてみます。

売却基準価額9,567万円×3=28,701万円。

957.6万円÷28,701万円×100=3.33%

こちらの数字となりました。

前回の開札結果の場所とはエリアが全く違うので同様の結果にはならないかと思います。表面利回り6%あたりで見ておくと、

957.6万円÷6%=15,960万円

この辺りで落札されるのかな?

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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