競売入札シミュレーション 大阪地裁堺支部編R2.10.15開札⑤

今回も大阪地裁堺支部からです。

ピックアップする物件は【一戸建て】です。

前回の開示が31件。今回も同じく31件が開示されています。
入札期間は9月30日~10月8日です。
開札期日は10月15日となっています。

※入札の際は「陳述書」の記載の不備が無いように注意ください!

事件番号 令和01年(ケ)第235号
売却基準価額 3,510,000円
買受申出保証額 710,000円
買受可能価額 2,808,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:柏原市法善寺二丁目
地目(登記):宅地
地目(現況):宅地一部公衆用道路
土地面積(登記):86.44m2
用途地域:第二種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%

種別:建物
物件番号:2
所在地:柏原市法善寺二丁目
種類(登記):居宅・車庫
種類(現況):居宅
構造(登記):木造瓦葺2階建
床面積(登記):
1階:45.78m2
2階:34.02m2
床面積(現況):
1階:約47.2m2
2階:約53.1m2
間取り:3LDK
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和42年4月

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1、2】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号2】
本件所有者が占有している。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
本件土地の一部は通路として利用されている。

★現況調査報告書より
・建物所有者が本建物を住居として使用している。
・土地の東側の一部は私道負担部分(約16.4㎡)となっている。
・私道負担部分に電柱が1本設置されている。
・東側の道路は、建築基準法に非該当の道路(幅員約4m)であり、詳細については、評価人作成の評価書参照。
・全体で約20.5㎡増床している。
・外壁にクラック、2階廊下に撓みがあるなど経年相応の劣化・老朽化が認められた。
・犬が3匹飼育されていた。
・所有者が住居として使用しているものと認めた。

※関係人の陳述等より
・所有者の夫より
1.以前私の所有でしたが、妻に生前贈与した。
2.私たち家族が住んでいる。
3.雨漏りや、水周りにも不具合無し。
4.平成5年に購入。その際に大幅に増改築しました。2階を支える柱が少ないため、2階床の耐荷重が不足していると思う。
5.2~3年前に内壁クロスをぜんたいてきに張り替えた。
6.境界や騒音など、気になることは無い。

※間取り及び室内写真より
1.土地建物位置関係図に、道路負担部分及び電柱の位置が記されています。
2.外観写真を見ると、車も止められそうですが、物置を置いているようなので、現状は車庫として利用されていないように見受けられます。
3.室内は家財道具や生活用品があり、生活感を感じれます。
4.丁寧に使用されいている様子が窺えます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩4分。約250mと記載があります。
2.接面道路|幅員約4m舗装私道(建築基準法、非該当判定済み)
建物再建築に際しては建築基準法第43条2項2号の許可を要する。
3.ライフライン|上水道、ガス配管、下水道あり。
4.経済的残存耐用年数は共に約0年とされています。
5.保守管理の状態|普通。
6.増改築により2階床の耐荷重が不足しており、1階を追加の木材で応急補強している。
7.建築確認申請は確認できなかった。平成27年に準防火地域に指定されており、既存不適格建物の可能性がある。
8.基礎となる価格として約501万円が評価額として算出されています。
9.評価人の算定した賃料設定がないため近隣相場でみると6万円/月。年間で72万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
72万円÷351万×100=20.51%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
72万円÷501万×100=14.37%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
72万円÷400万×100=18%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

★入札時のポイント

駅近の物件なので、最悪駐車場が利用できなくても、十分利用者が見込めそうですが、増改築の際に2階床の耐荷重が不足しているのが気になりますね。

補強をされていると書かれていますが、この先どれほど耐えうるものか?
そのまま貸すなり、売るなりで第三者が利用された時に、何か問題があると怖いです。

しっかりと補強しないと怖いですね。
必要経費と考えて補強は考えておく方がよいでしょう。

それと、建て替えにあたっては43条但し書き対応になるようなので、建て替えはできると判断してよさそうでしょう。

後は、入札額と賃貸で貸せる金額などを考えて入札額を決めていきましょう。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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