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競売入札シミュレーション 大阪地裁本庁編R3.1.27開札③

さて、今回取り上げるのは「1Rマンション」をチョイス!

『久々登場!最先の賃借権付き、サブリース案件です』
大阪地裁本庁

土地が5件・戸建てが22件・マンションが18件で、合計45件の開示です。

前回の公示と比べて16件減少しました。

入札物件の期間は、

入札期間は1月15日~1月21日

開札期日は1月27日です。

では、早速見ていきましょう!

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事件番号 令和02年(ケ)第135号
売却基準価額 2,560,000円
買受申出保証額 520,000円
買受可能価額 2,048,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:大阪市西成区玉出中二丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄骨鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):4階部分 14.43m2
間取り:1R
バルコニー面積:不明
管理費等:7,880円
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:平成2年3月
階:4階
総戸数:91

※事件番号が同じシミュレーションがあります。
その場合は、物件番号が違いますのでご注意ください。

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■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1】
【物件番号2】
賃借権
範囲:全部
賃借人:【法人A】
期限:定め無し
賃料:月額4万円
賃料前払い:なし
敷金:なし
保証金:なし
特約:転貸目的
上記賃借権は、最先の賃借権である。転借人【A】が占有している。

4.物件の占有状況等に関する特記事項より
なし

5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納有

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★現況調査報告書より
1.その他の者が本建物を住居として使用している。
2.管理費等|管理費4,940円、修繕積立金2,940円。合計7,880円
3.滞納額|約2.3万円【令和2年6月調査時点】
4.管理費等照会先|管理会社
5.占有者および占有権原
A)所有者と賃借人との契約
①最初の契約日:平成30年2月
②更新の種別:法定更新
③賃料:月額4万円
④敷金:なし
⑤特約等:転貸を目的とする。入居者(転借人)の賃料が滞納などにより未回収の場合及び、空室時の場合には、入金をしない。(賃料を支払わない)ものとする。
B)賃借人(転貸人)と占有者(転借人)との契約
①最初の契約日:平成27年7月
②更新の種別:法定更新
③賃料:月額40,000円
④敷金:なし
⑤特約:なし
6.組合費月額1,500円、未払い金に対する遅延損害金(年率14%)がある。調査時点のそれぞれの合計額は、約5千円。

※関係人の陳述等より
・弁護士【B】所有者破産管財人より
1.目的建物は、所有者が【法人A】に賃貸し、転借人【A】が居住しているようです。
2.賃料は、【法人B】から入金されていました。同社は、【法人A】に委託されて、賃料の回収を行っていた模様です。

・占有者(転借人)【A】より
1.私が住居として使用しています。
2.賃貸借契約時から、目的建物の所有者が変わっていることは知りませんでした。
3.【法人A】という会社も知らない。この会社と契約はしていないと思う。
4.賃料は【法人B】に支払っている。
5.設置されたいたガスコンロが壊れている。

・【法人A】賃借人担当者より
1.目的建物の販売会社です。
2.当社が所有者から賃借して、居住者に転貸しています。【法人B】には、当社が賃料の集金や管理業務を委託していました。

※執行官の意見より
1.【法人A】と居住者の間の契約関係不明であるが、所有者が【法人A】に賃借し、居住者が賃料集金について、委託会社である【法人B】に賃料を支払っていることから、執行官の意見として、記載の通りと報告する。
2.【法人A】に対して、回答書及び賃貸借契約書等の居住者との賃貸借関係を明らかにする書面を提出するよう再三依頼したが、現在まで提出されていない。
→こちらが提出されたたため、冒頭の補正の記載となっているようです。
【事件番号、同番の物件番号2に法人Aからの回答書に対する補充の書面が添付されていました。】

※間取り及び室内写真より
1.洋室一間の1Rです。
2.浴室、トイレ、洗面は一緒のユニットバスタイプです。
3.エアコンが設置されているように窺えます。
4.ガスコンロがつぶれているせいか、その上にIHが設置されています。
5.ミニ冷蔵庫が設置されているように窺えます。
6.トイレはウォシュレット便座になっています。
7.生活感を感じるお部屋です。

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★評価書より
1.最寄駅から約240m。徒歩3分。
2.用途地域|第一種住居地域
3.総戸数91戸
4.9階建ての4階部分
5.エレベーター、メールボックス、オートロック、駐輪場あり。
6.経済的残存耐用年数|約19年。
7.マンション全体の修繕積立金|約5800万円。
8.大規模修繕の予定はない。
9.基礎となる価格として約377万円が評価額として算出されています。
10.評価人の算定した想定賃料ではなく、実際の賃料にて算出4万円/月。年間で48万円となります。

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【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
48万円÷256万×100=18.75%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
48万円÷377万×100=12.73%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
48万円÷301万×100=15.94%(表面利回り)

上記のようになりました。

今回も表面利回り12%目安で算出すると、400万円となりました。

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★入札時のポイント★

駅近物件であるため、人気はありそうですね。

今回のこちらの物件は、事件番号令和2年ケ135号の物件番号枝番の案件です。

合計3件が競売になっています。

入居者が入っている状態で競売になったと言うことは、支払いが苦しくなっての売却なんでしょうね。

恐らく、3件所有されてても、持ち出しが毎月あったのではないかな?って感じます。

最先の賃借権付きで収益不動産としては、魅力ありますが、条件が可愛くないので、パスをするか?賃借人と交渉して外してもらうか?

今回は10件近く札は入るかな?

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動画での解説はこちら

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※注意しましょう!
現在、入札する添付書類が増えています。
「陳述書」です。
せっかく調査して、振込して、提出する入札書です。
くれぐれも書き間違い、書き損じ、書き忘れなどがないように注意してください。
これから入札検討される方は、「陳述書」の添付気を付けて下さいね。

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※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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