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ぼくは、フジモリキミカです。

今回はこの、乙武さんのツイートおよびnoteの投稿に賛同するカタチで投稿したいと思います。

ぼくは「バイジェンダー」という性自認を持っています。戸籍は女性ですが、精神的には男性と女性が共存していて、普段はやや男性よりの思考をもっています。服装はメンズライク、一人称は「ぼく」。トップに載せた写真は現在SNSのアイコンに活用させていただいていますが、在り方としては「かっこよさ」を求める傾向にあります。

ぼくがバイジェンダーを自覚したのは2年前の夏なのでだいぶ最近なのですが、それ以前から、というか物心ついたころからいわゆる「性別違和」がずっとあって、ぼくのコンプレックスの一部でした。

私服はパンツスタイルばかりでスカートのような女の子らしい服には興味がありません。むしろ子供の頃はスカートが大嫌いで、中学や高校の制服は相当苦痛でした。「学ラン着ちゃダメなのかなぁ」とか、結構本気で思ってました。
一時期がんばって「女子力」を上げようとした時期があり、その時の目標が「スカートを履くことを大冒険にしない」というものだったんですが、残念ながら目標は達成できませんでした(苦笑)。

そんな服装のせいもあって、ぼくはしょっちゅう「男の子」に間違われました。中学~25歳くらいまでは日常茶飯事的にいろんな角度で間違われていたんですが、中でも傑作なのが22歳くらいのころの話。
パンツスーツを着ている状態でカフェの女子トイレに入ったら、先に入っていた全然知らないOLさんに
「女子トイレですよ(男性は入らないで)!!!!!」
と怒鳴られました。どうやら一応ぼくが「女性」であることには気づいてもらえたようだったんですが、まぁ気まずいですよね。お互いに。
この他にも、ぼくは周りからずいぶんと性別を疑われ、そのたびに嘲笑されたりからかわれたりしてきたので、生きづらさを感じることがとても多くありました。
「女性として生まれてきたのは何かの間違いで、本当は男性に生まれるはずだったのでは・・・・・・?」
と思ったのもこのころです。

「本当は男性なのでは?」という疑問のきっかけとなるような思いがもう一つあって、ぼくは自分の中で「こんな人になりたい」「こう在りたい」と思う「憧れの人」がほとんど男性だったのです。
かつて芝居の勉強をしていたときも、現在の音楽活動においても、「目標にしている『女性』は誰ですか?」と聞かれることが多くて、そのたびに深く悩んでしまったり、答えてみたものの自分の中で「しっくりこないなー」と思ったり、「目標にしている人は?」とざっくり聞かれたときに男性の俳優さんやアーティストの名前を挙げると「男性かぁ・・・・・・」みたいな顔をされるのがとても違和感でした。
「ぼくが男だったらよかったのに」と思ったこともあります。

でも。
不思議なことに、性別移行したいとは思わないのです。
そして、性的指向は男性に向いていて、ぼく自身は「異性愛者だ」と思っているのです。
でも、「女性」でいること、「女性」として扱われることに違和感があって、場合によっては強いストレスがかかることがあるんです。

ぼくは、いったい何者なんだろうか。
と思ったときに、たまたまテレビで目にした「Xジェンダー」という存在。
そしてご縁があって「バイジェンダー」の当事者の方とお会いすることができ、その表現がなんとなく、ぼくにしっくりきたのです。
そういう人も居ていいんだ。と思って、安心したのを覚えています。

ようやく、少しだけ、自分のことがわかってきたところなのですが、それでも悩んでしまったこともありました。
語弊を恐れず言うと、ぼくはとっても「中途半端」なのです。

「LGBT」の意味合いとして取り上げられるような「同性愛者」とか「トランスジェンダー」とかなら理解されやすいと思うのですが(偏見や差別はまだまだあるのかもしれないけど)、バイジェンダーはまず説明が大変だし、当事者の中でもより多種多様な自覚があるから一概に言えないのです。ぼくの勉強不足ももちろんあるんですが・・・・・・
それならいっそトランスジェンダーとか、同性愛者だったらよかったのに。と思ったこともありました(この表現は当事者の方々にとっても失礼だと思いますが、その時のぼくの正直な思いとして残しておきます。どうかご容赦ください)。

相変わらずネガティヴなぼくの考え方を修正するきっかけのひとつになったのは「環境」でした。ぼくはドラァグクイーンやGOGOBoyの方々と一緒にイベントに出演する機会があるんですが、ステージに立つ彼ら(彼女たち)がめちゃくちゃきらきらしててかっこよくて、何よりもステージを楽しんでるのが伝わってきたんですよね。
「そっか、性別とかセクシュアリティとか、どーでもいいね」
って思えた瞬間が、ステージの向こうにあったんです。

ぼくは中途半端かもしれないけど、だからこそできることがあると思います。ていうか、そう思いたい。信じていたい。
たとえば、こんなこととか。

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女性装でも男性装でも着こなしてやるぜ!という意気込みで作ったアー写ですが、やっぱり男性装の方が気合入ってますね(苦笑)。
ていうか、気合が入りすぎて同一人物だと思ってもらえなかったのはいい思い出です(笑)。

まだまだ、「魅せ方」は模索中でありますが、当面の目標はたとえば当事者でない方から「性別はどっちなんですか?」なんて聞かれたときに

「ぼくはフジモリキミカです。それ以上でもそれ以下でもありません」

くらい言えるようになること。それで相手に怪訝な顔をされても気にしないこと。今のぼくに誇りを持つこと。ですね。

そして願わくば、ぼくみたいに性別違和を持っていて、ちょっと生きづらいて思ってる人が、少しでも笑って暮らせるような手助けができるようになりたいなと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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