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「中途半端」だからできること

昨日から、「東京レインボープライド2020」というイベントが始まっています。


例年、代々木公園をメインステージとしているイベントですが、今年は感染症対策の観点からオンラインで開催されており、ぼくも先ほどまで展開されていたオンラインパレードに賛同させていただきました。Twitterのアイコンがレインボー仕様になっているので見てみてください。

ぼくはこのイベントを去年知って、しかも知ったころには終わっていたので今年は何かしらで参加したいなぁ。と思っていました。前回までのパレードの様子などがSNSでたくさん投稿されていて、次はぜひオフラインの、現地でのパレードに参加してみたいですね。

さて。
ぼくは一昨年の夏に「バイジェンダー」であることが判明して以降、SNSなどで流れてくるLGBTにまつわる情報を拾い読みしながら、少しずつではありますが知識を深めてまいりました。
その中で一貫して思っていることは「LGBT当事者を特別扱いしない」ということ。差別なんて論外なのでここではいちいち語りません。
同性愛者だろうか異性愛者だろうが性自認がどうなっていようが、この世界に生きている「人」であることに間違いはないのだから、まずは「人間性」をちゃんと見てあげること。先入観や偏見を持たない。これに尽きるのではないかと、ぼくは思っています。

ここで少しだけ、ぼくの昔の話をしますね。
ぼくは学生の頃、ひとりの男性に恋をしました。同じ大学の後輩で演劇仲間でもあったのですが、舞台作りにひたむきな姿に惹かれてしまったわけです。
しばらく悩んだ末、ぼくは彼に告白しました。が、その思いが届くことはありませんでした。
彼はゲイで、当時思いを寄せていた人がいました。しかもその相手には彼女がいたそうです。告白したときに、彼がそう教えてくれました。

彼がゲイだと知ったときに最初に思ったのは「どんなに自分を磨いたとしても、自分が女である限り、彼は振り向かないのか」という思いでした。同性愛者への偏見などは、その当時からあまりなかったんでしょうね。
それどころか、片想いに心を痛める彼に「そんなに一途に人を想ってあげられるんだから、きっとこの人は幸せになる。てか、幸せになってほしい」とすら思いました。本当は、その幸せの一端でも、ぼくが担ってあげられたら良かったんですけどね。

今から15年以上前の話で、LGBTなんて言葉もなかったころですから、むしろよくカミングアウトしてくれたなとすら思いますけれども、ぼくの中では今でも「同性愛者の方々は異性愛者なんかよりよっぽどピュアで一途」という、違った意味の先入観があったりします。これも一概には言えないんでしょうけどね(苦笑)。

あれから時間が経って、ぼくはドラァグクイーンさんやGOGOBoyさんといったパフォーマーを中心としたLGBT当事者の方とお会いする機会に恵まれましたが、みなさん総じてきらきらしているし、(ぼくに見える範囲では)とても楽しそうにしていらっしゃいます。
しかし、ネットニュースなどを調べてみると、同性パートナーが法的に認められていないことで仕事や生活に支障が出るとか、偏見を恐れて生きづらさを感じるとか、そういった声もまだまだあります。
そんな中、「性的指向や性自認にかかわらず自分らしく生きられる社会を」という目的で東京レインボープライドができて、少しずつでも「多様性」が認められる社会に変わりつつあるのが、今の日本なのかな。と思います。

ぼくはバイジェンダーで、性的指向は異性に向いているので、なんとなく当事者の中でも「中途半端」と思うところが多いのですが、だからこそ、「どっち側の気持ちもわかる」んじゃないかなって思ってます。
この「中立国」の立場が、今後重要になると信じて、ぼくはこれからも発信をしていきたいと思います。

大丈夫。ぼくはきっと、誰の味方にもなれる。はずです。




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