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中小企業診断士二次試験合格への軌跡 第三段

エフモンです。

前回に引き続き、診断士二次試験合格までの軌跡をご紹介したいと思います。今回は、学習時の理論の勉強方法と試験委員の参考書籍について記載したいと思います。

【二次試験戦略② 理論の勉強方法】
EBAでは、理論を勉強する期間があります。これは、他予備校ではない取組みではないかと思います。明確なインプットの時間があるため、インプットの全量が把握できるとともに、まるで英単語を覚えるようにして、試験委員が唱えている理論を覚えていくことができます。

そもそも、私も一回目の受験(TAC通学)では、戦場である試験会場に丸腰で赴いたかのように、現場での対応力頼りの状態でした。これはある意味、「試験問題によって対応を変える」方法であり、自分の地頭やその時のコンディションのコイントスにかけるしかないという状況でした。正直、受かるわけないだろというのが試験前も本番も試験後も思っていたことです。その点、EBAで学習する理論は確実に戦場に持ち込むべき武器となりました。

事例1の戦略論/組織論および事例3の生産管理論には、特に試験委員の考え方が色濃く反映されています。例えば、「生産管理」という理論言語を明確に説明できる受験生がどの程度いるでしょうか。
「なんとなくは覚えているけど、明確に言葉で説明できない」状態の方が多いのではないかと思います。(私もそうでした。)
本試験では、単語レベルで試験委員と同じ脳みそで(少なくとも同じ言語で)戦う必要があるため、この理論言語を「正確に」学ぶ必要があります。
これは、「生産管理」が「何を指し示すのかを理解すること」であると同時に、「何を指し示さないのかを理解すること」です。
つまり、なんとなく臨んだ場合、生産管理の問題に対してピントがずれた回答を作成してしまうリスクを背負うと同時に、他の設問で生産管理の回答を作成してしまうという雪崩方式で失点するリスクを背負うことになることを意味しています。

なお、本試験は理論をケーススタディとして現実に写像した場合の企業が主人公として描かれる物語です。現存する企業ではありません。(モデルになる企業があったとしても、それはそのモデルを借りただけであり、その企業が直面した内容をそのまま試験の答えとする理由がありません。)
 主人公である企業の変遷やその問いかけ(設問)には試験委員が試したいテーマ=理論を埋め込みます。さらに、その内容は(現実世界に適用すれば成功するとは言わないまでも)現実世界にも示唆に富んだ内容です。アカデミックの世界で理論にまで成り上がった言論ですので、「なるほどな」と思わせてくれる理論が多いです。
 私は小川正博先生(※のちほど重要書籍一覧は記載します。)が各書籍で語っている「組織能力=ケイパビリティ」が非常に好きです。ケイパビリティは企業の競争優位性(強み)の文脈で語られていますが、「少数の特定の取引先との相互作用を通じ、継続的に学習していく仕組み」を指します。中小企業が(というか特殊なケースを除いて企業はすべて小企業から開始することになると思いますが)成長する過程には顧客から求められる要望に応えていく気持ちそのものや、それを支える社員/組織が必要で、これらを継続的に持続し、顧客から学習していくことで、(外からみたらなんだかわからないけれど)その企業の強みとして形成されていくというものです。
 私は「継続的な努力がいつか身を結び、自身の強みに変わっている」そんな風にとらえ、その時点で受験生として挑んでいる・足踏みしていると思えてしまう時間にも意味を与えてくれたと感じていました。

上記を記載すると、試験委員の書籍を学ぼうとなるかもしれませんが、これらには診断士試験には関係のないマニアックな理論が多数ありますので、そこにハマると時間がいくらあっても足りないと思います。(私は、講師が授業中にささやいてくれた試験委員の書籍を20冊以上持っていますが、9割5分の内容は試験には要らないと思います。)
ですので、EBAで必要な理論を選択して教えてもらうのが手っ取り早いとおもいます。興味がある方は、以下の書籍を読んでみるとよいと思いますが、(同じことを記載しますが)「全部読まないほうがよい」です。

「中小企業のビジネスシステム」小川正博
「中小企業のイノベーションと新事業創出」小川正博
「ガイダンス現代経営学」山倉健嗣
「生産管理と品質管理」木内正光
「生産管理用語辞典」
「ファイナンス入門」齋藤正章
「管理会計」齋藤正章

次回は、「理論と論理の罠」について記載したいと思います。
これは私が推測した「優秀な受験生が落ちてしまう」理由です。

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