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「おとなしくていいよね」に隠された真実

「女の子っておとなしくていいよね。」
よく男の子を持つお母さんにそう言われる。

娘は外でも割とはしゃぐほうだし、お調子もんだし、活発で剽軽だと思っているので、「おとなしくていいよね」と言われるとモヤっとして微妙な顔を作ってしまう。


しかし先日、この「女の子はおとなしい」の意味が何となくわかったのだ。

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娘が大好きな室内の遊び場へ行った時のこと。
大きいバルーンで作られたすべり台があり、その遊び場では1番人気の遊具だ。
滑り台を降りた先はボールプールになっており、勢いよく滑り降りても怪我をしない構造となっている。
だいたいの子が、前の子がボールプールを出てから滑り台を滑るルールを守っていた。というか、大人が守らせていた。

そこへ、小学校低学年くらいの男の子がやってきた。彼は体をねじらせてローリングしながらボフーンッと滑ったり(もはや落ちている)足から転げ落ちるように滑ったりして「あぶねぇ!」とこちらが咄嗟に声が出るくらい、1人でアクロバットな遊び方をしていた。
ボールプールで小さい子がゆっくりその場を出ていくのも待たずに滑り落ちる。
その場にいた小さい子のお父さんがヒョイっと持ち上げて事なきを得たが、もしかしたらぶつかっていたかもしれない。

では周りの大人は何をしていたのか。
スタッフは割と大きめの声で危ないよ!!と注意し、祖父らしき男性が制止させていた。
が、彼はお構いなし。祖父(らしき男性)にはボールを投げつける始末。
さらにはそれを見ていた他の男の子が真似し、周辺の親たちもザワつき始めた。

このとき、我が娘は何をしていたかと言うと、滑り台とは反対方向にあるお家のおもちゃでおままごとを楽しんでいたのだ。

なるほど。
いつも言われる「女の子はおとなしくていいよね」はこういったことだったか。

とにかく種類が違うのだ。

アクロバットな彼のことはよく知らないから何とも言えないが、男の子の中でも激しめの子だと思われるので、男の子全般に当てはまるとはもちろん言えない。

ただ「予想出来ぬ行動をする」のは割合的には男子のほうが多いと思う。(私しらべ)

昔、友達の息子と我が娘が同じ木に躓いて転び、娘はその木ではもう転ばなかったが、友達の息子は同じ木で何度も転んでいたことを思い出した。
男女の違いというにはかなりデータが浅く、あくまでも個人の特性ではあるのだが、なかなか興味深かった。

考えてみれば、娘は「予想外な行動」をとったことがない。
見えない敵とも戦わないし、突然ローリングしたりもしない。どこかへ走って行くこともない。
男の子全般に言えるわけではないけれど、自身の記憶を辿ると小学校時代の男子はみんな危なっかしかった。
それを見て女子たちは「ホント男子って子供だよね〜!」と言いながらクスクス笑っていたことを思い出す。
そして小学生時代は危なっかしい男子がだいたいモテるのだ。

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冒頭のモヤッとした感情が一気に晴れた。
これを書く際に「おとなしい」と打つと、変換する漢字が「大人しい」なのだ。

男の子ママたちが「いいね、おとなしくて」と言うのにモヤッとしていた理由。
それは静かだとか、元気がないとか、個性が弱いだとか、ちょっと見下されてるように勝手に受け取っていたんだと思う。

でもたぶん違うのだ。

「大人」「らしい」ね、と言いたかったんだ。

「ませている」とはちょっと違くて、雑に言い換えると「育てやすくて良いね」と言うことなんだ思う。

この解釈は全くの的外れかもしれない。
ただ私の心は「そっかぁ」と一気に軽くなったから、私はこれでいいのだ。


しかし、そんな男子ママにこちらからも言いたいことがある。

「この先、男の子は揉めなさそうでいいね」

うん、女の集団行動は95%どこかで揉めることを経験するだろう。(わたししらべ)

女子をこの世に爆誕させた時点でうっすら覚悟していたことではあるのだが、コチトラそれが今から恐ろしくて恐ろしくて仕方ないんだよ。

と言うことを丁寧にお返し致したい。

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