「生理の貧困」その後。生理用品1000パック500人分を川崎市のご協力で配布することが決定いたしました!
どうも!フジマルママです!
前回noteに書かせていただいた記事、若者の5人に1人が「生理の貧困」に驚愕したフジマルが今、すべきことをお読みいただいた皆さん、ありがとうございました❣️
想像以上のnoteのチカラ
いやー、noteのチカラって本当に凄いですね!思っていた以上に反響があったのでビックリしました。
募金方法についてフジマルにお問い合わせくださった方、直接フジマルにお越しいただいて募金にご協力くださった方、フジマル2号店プロパガンダにて募金にご協力いただいた方、noteのサポートシステムを使って募金にご協力いただいた方、note内で記事をオススメしていただいた方、フェイスブックで記事をシェアしてくれた方、おつりをどんどん募金箱に入れてくれる太っ腹な常連さん達、さらに社会問題を取り上げているYouTubeチャンネルの管理人さんから出演依頼も受けました。
いつもながら沢山の募金が集まったことに心から感謝すると共に、「生理の貧困」問題への皆さんの関心の高さに驚かされました。
皆さんからご支援いただいた募金総額は、108637円。そのお金で生理用品1000パック500人分を購入することが可能になりました。
購入した生理用品は、川崎市のご協力のもと2021年5月28日から川崎市男女共同参画センターの他、女性を支援する施設などで無償配布することが決定いたしました👏👏
さらに5月22日付の読売新聞川崎版にも掲載していただきました!
生理の貧困」について皆さんはどう感じたのか?
私がフェイスブックにnoteのリンクを貼り、インスタに「noteで記事書きました!」と告知したのが2021年3月21日です。
その直後からインスタのコメントやお電話でのお問い合わせが相次ぎました。
緊急事態宣言が解除されフジマルが通常営業に戻ったのが、3月23日。店は17時オープンなのですが、オープンするやいなや「生理の貧困」の話題で店内はもちきりになりました。
そもそも生理について、飲食店内で男女問わず感想を言い合うというオープンな雰囲気が私にはとても感慨深い体験でした。
年齢は、20代から60代。
職業も出身地も年齢も性別も国籍もすべて異なる皆さんです。
来店する多くの方が「若者の5人に1人が生理用品を買えないことを知って驚いた」、「生理の貧困という言葉を初めて聞いた」と私と同じような感想をまず初めに持ったようです。
面白いことに生理の経験者である女性の皆さんと生理のない男性の皆さんの意見は、少しだけ違ったので、ここでご紹介していきたいと思います。
女性陣の率直な意見
まずは、ご来店いただいた女性の皆さんの「生理の貧困」に対する率直な意見や本音をお伝えします。
「生理用品がなければ、学校や職場に向かうのはムリ!」
「2日目になかったら、家にいてもしんどい」
「生理ナプキンがあったとしても、サニタリーショーツがないとかなり危険」
「月経カップが1個あれば、結構長く使えるかも」
「10代女子に月経カップは至難のわざだよ」
「生理ナプキンより生理用吸水ショーツをもらった方が助かる」
「生理用吸水ショーツはGUが安くていいらしい」
「親子でも生理の話をオープンにできる家庭は少ないと思う」
「父親と2人暮らしだったら、生理の話はキツそう」
「自分の母親は、お小遣いに生理用品代を上乗せしてくれてありがたかった」
「図書館などの公共の施設のトイレに無料で置いてあればいいのに」
「学校は生理用品を女子トイレに常備するべき」
「生理用品は軽減税率対象商品にしたらいいのに」
この意見をまとめて行政に提出したいほど、かなり皆さん本音で語ってくれました。
引用元 フェムテック「nagi」
男性も理解しようと努力している
一方、生理のない男性陣の意見をまとめてみます。
「若い女の子が生理用品を買えないなんて気の毒すぎる!」
「若くなくても気の毒だよ」
「生理用品の一生にかかる金額が50万円から70万円は高すぎる」
「毎月の出費は学生にはツラい」
「月経カップって何?」
「吸水ショーツって何?」
「男の髭剃りもお金がかかるが、なければないで友達に借りるとかなんとかなる」
「生理のことは友達にも頼りづらいと思う」
「場所が場所だけにデリケートな問題なので、自分だったら言いづらい」
「お母さんも苦労してたら、言えないだろう」
生理という言葉自体、口に出すのが初めての男性も多いようでした。生理用品についての知識は少なく、具体的にどの位大変なのかは想像の域を超えないけれど、人に言いづらい悩みで苦労している女性が多いという事実を知り、たくさんの男性が「生理の貧困」問題解決に共感を示してくれました(涙)。
「共感こそが前に進むチカラになる」
何かの理由で人生が立ち行かなくなった時、共感する人が周囲にいることで、なんとかその壁を乗り越えられることがあると私は信じています。
私自身、56歳になるこの歳までいくつもの壁にぶつかってきました。
人生ってホント山あり谷ありです。
どんなに真面目に頑張っていても、恵まれない時はあるものです。
両親の不仲や離婚、仕事のつまづきや親の介護、自身や家族の病気、最近では天災など様々な予測不能なアクシデントにぶつかることがあります。しかし、周囲に温かい言葉をかけ共感してくれる人がいるだけで、気持ちが前に向くのではないでしょうか?
さらに様々な支援策を頼ることで、高い壁も低い壁へと変化を遂げるケースもあります。
誰かの助けを借りて壁を乗り越えたら、今度は自分が助ける側にまわって支援する。そんな順繰りが頻繁に行われることで、支援する側とされる側は、常に対等の立場を保つことが可能になるのではないでしょうか?
もちろん貧困や虐待の連鎖など、すべてがそう容易くないのは、私自身の人生を振り返って理解しています。
しかし、望みがたとえ1%であったとしても、私はそこに希望の光を見いだしたいと思ってます。
実際にオレゴン州のポートランドなどでは、住民の意識の中にフードバンクなどが当たり前のように根付いています。
生活圏の中にハブの役目を果たすカフェやレストランがいくつもあり、農家さんの余った野菜や企業や個人からの提供品がフリーで配布されています。今、生活に困窮している方も、そうでない方も誰でもがフリーで食事をしたり、お茶したり、BBQしたり。生活必需品も配布されるため安心して地元で暮らすことができます。
自治体と住民が連携を取りあい、皆のチカラで全体で前に進んで行く、それが私の目指すソーシャルグッドな社会です。
引用元 宣伝会議デジタルマガジン
実は昔からあった「生理の貧困」
埼玉新聞が、2021年4月6日付で興味深い記事を掲載しました。
埼玉県川口市立中学校の元養護教諭として「保健室の先生」を長く務めた金子由美子さん(64歳)は、「生理の貧困」問題は実は昔からあったとインタビューで答えています。
生理用品だけでなく女の子は腋毛、男の子は髭が生えてきてもカミソリなどを買ってもらえない家庭の子がいたので、金子さんは保健室に安全カミソリを常備して渡していたそうです。
「貧困層の子どもは立場が弱く、自分の権利を主張することが難しい」。
最近では病気や怪我以外で保健室に行かないよう指導する学校もあるそうで、
「生理用品を買ってもらえない子、父子家庭の子、毎月生理用品を取りに来る子には、毎月取りに来る理由がある。誰もが出入りできる開かれた保健室が必要」と指摘しています。
人に弱みを見せ、悩みを話すシェルターのような場所は、大人にも子どもにも必要です。保健室にはそんな側面もあったのだと金子さんの指摘を通してあらためて気づかされました。
コロナ禍でクローズアップされた「生理の貧困」問題については、
「つらい思いをしてきた子どもたちは昔からいる。子どもの貧困にジェンダーの視点は欠かせない。隠されてきたことに目を向けられたことは良いことで、いいきっかけになればと思う」とお話されています。
「生理の貧困」に対する内閣府の緊急支援
2021年3月23日、内閣府は『地域女性活躍推進交付金』の使途に生理用品の無料配布を加え、2020年度の予備費から約13億5千万円を拡充することを緊急閣議決定しました。
マスコミ各社は一斉に、「生理の貧困解決に向け、内閣府13億5000万円緊急支援」と報道しましたが、実際には13億5000万円分の生理用品が「生理の貧困」弱者にダイレクトに届くわけではなく、「自治体が女性の就労、孤立や貧困問題などを民間事業者に委託した場合、交付金の使途に生理用品の無料配布費用を経費として含んでよい」というものです。
うーん複雑。女性の貧困問題を民間委託している自治体がいかに多いかもわかります。だとしても交付金の拡充は「生理の貧困」問題対策として確実に一歩進んだと見るべきでしょう。
さらに国会で自民、公明、国民民主党合同の勉強会も開催!
2021年3月29日、公明党の呼びかけで、自民党、国民民主党の議員らが参加した「生理の問題について話を聞く会」が国会内で開催されました。
また、立憲民主党は、コロナ禍の「生理の貧困」問題への対策をとるよう全国の党所属自治体議員に対し、3月24日付で指示したことを明らかにしました。
さらに日本共産党の女性支部「新日本婦人の会」は、「豊島区などはわずか数日で防災備蓄品の生理用品を配布し尽くしてしまった」、「ある高校では、生理用品を1つ借りたら2つ返すルールがある」など生理の貧困をめぐる現状報告を内閣府、文科省の担当者に伝え、学校に返却不要の生理用品の設置を要請しました。
常に遅いと国民から揶揄されがちな政治の世界ですが、これほどスピーディーに解決に向け歯車が動き出した理由は、「生理の貧困」問題に皆が同時多発的に声を上げ、行動した世論の盛り上がりにあると思われます。
人気サイト「elle girl」は2021年4月12日付けの記事で、「生理の貧困」問題にアクションを起こす企業、団体を紹介し、クラファンなどを呼びかけました。
また、生理用品を赤い箱に入れて学校に寄付するイギリス発祥のチャリティー団体の日本支部「RED BOX JAPAN」は2020年12月10日、渋谷区の代々木中学校に第一回目の寄付を行いました。
引用元 RED BOX JAPAN
全国の自治体の動きも活発で2021年4月17日の時点で以下の自治体が生理用品の無償提供を約束しました。
•北海道(札幌市)
•東京都(足立区、荒川区、板橋区、江戸川区、大田区、北区、江東区、品川区、新宿区、豊島区、中野区、港区、目黒区、清瀬市、立川市、多摩市、西東京市、町田市、調布市、東大和市)
•埼玉県(吉川市、さいたま市、新座市、蓮田市)
•群馬県(桐生市、渋川市)
•大阪府(泉大津市、伊丹市)
•兵庫県(明石市)備蓄防災品配布の他、公共女子トイレ常備も検討中
•兵庫県(姫路市)
・奈良県(生駒市)
•滋賀県(草津市)
•鳥取県(米子市)
•千葉県(市川市)
•千葉県(君津市)市立小中学の女子トイレに常備
•神奈川県(藤沢市)
•静岡県(富士市)
•山形県(鶴岡市)
•大阪府(四條畷市)市立学校保健室にて生徒向けに常備
•北海道(十勝町)
フジマルの地元、川崎市に突撃!
全国の自治体が活発な動きを見せる中、私たちの地元、川崎市では残念なことに「生理の貧困」問題に取り組む気配は4月中旬を過ぎても一向に感じられませんでした。
4月19日月曜日、川崎市の取り組みの遅さにヤキモキしちゃった私は、フジマルの地元である川崎市高津区の市民相談窓口「サンキューコールかわさき」に、「高津区でも生理用品を配ってみてはどうでしょうか?必要な生理用品はこちらでご用意できますよ!」とイレギュラーな申し出をしました。
コロナ禍でお役所はいつにも増して多忙な事は承知の上です。しかし、「生理の貧困」の一因はコロナによる生活の困窮が深く関わっているのも事実です。
自然災害や今回のコロナ等の有事のために市民の税金は、より多くキャッシュフローしておく時代であり、また困窮する市民には、しかるべき支援策をスピーディーに提案するのが自治体の本来の役目だと私は考えています。
大変申し訳ないなとも思いましたが、伝えるべき事は伝えてみるチャレンジをあえて今回はしてみました!
なぜなら、一般市民の自治体への寄付は、有事の時に支援金(支援品)として、被災者や困窮者にダイレクトに届くか?
その答えを多くの人に知って欲しかったからです。
高津区総務部の返答は、
①「個人からのご寄付は受け付けていません」
②「生理用品のご寄付は、防災備蓄品として備蓄することは出来ますが、困窮者に向けて配布する体制は現在ありません」とのことでした。
フジマルは小さいながらも企業なので、①はクリアです。しかし②の防災備蓄品として備蓄するのは、本来の趣旨からはずれます。
困り果てた私に、総務部の担当者の女性が、「川崎市が運営する男女共同参画センターすくらむ21にご寄付の相談をしてみてはどうですか?」とアイデアを提示してくれました。
「昨年のイベント時に、DV被害を受けシェルターで暮らしている女性やひとり親家庭の女性に向け、生理用品を配布した経緯があるんですよ」
「川崎市男女共同参画センターすくらむ21」は、女性の就労支援や男性の家事、育児支援、DV防止の啓蒙活動や相談窓口などを開設している川崎市所有の施設です。
早速、川崎市男女共同参画センターの館長である納米恵美子さんに連絡を取り、「生理用品1000パックご寄付します!」と申し出たところ川崎市と相談の上、寄付の受け入れを快諾していただきました。
想像以上の川崎市のご協力に感謝!
生理用品を配布する本来の目的は、困っている方に相談窓口などの頼れる場所を提示し、就労支援などを受けて生活を立て直しすることにあります。一過性の配布ではなく、支援する側とされる側がしっかりとつながることが、この活動の意義です。
生理用品の無償配布がその第一歩につながることに大いに期待します。
お役所仕事は縦割りで、「頭が固い」というイメージを持っている方は、正直多かったのではないでしょうか?
実際、私もその中のひとりでした(ゴメンなさい!)。しかしフタを開けてみると私の予想は大きく裏切られました。
柔軟性があり、迅速でなおかつ豪快!
いついかなる時もすべての自治体が柔軟な対応が出来るとは限りませんが、まとまった寄付の額と真っ当な団体であることが証明できれば(反社組織排除の理由から)、場合により受け入れは可能だということがわかりました。
特売の生理用品求め走る男、その名も「フジマルマスター」
恥ずかしいなんて言ってないで、断られることを恐れずに最初の一歩を踏み出すことがいかに大切か。今回の「生理の貧困」募金を通じて勉強させてもらった私です。
川崎市のご寄付の受け入れが決定した日から、私たちは大量の生理用品を手に入れるために奔走することになりました。
1人の女性が1ヶ月に使用する生理用品は、平均2パック。より多くの人に配布するには、定価ではなくセール品を手に入れなければなりません。セール品は予約発注できないので、ドラッグストアを1軒1軒まわり、1000パック500人分の生理用品を店頭購入する必要がありました。また、利用者の用途を考慮し、夜用、昼用、より安全な羽付きタイプと様々な種類を購入する選択をしました。
私たちには、飲食店という通常業務があり、休憩時間や定休日など限られた時間にドラッグストアをまわってくれたのは、フジマルユーザーなら誰もが知ってる中二病の還暦男、その名も「フジマルマスター」です。
彼は見かけからは想像もつかない真のジェンダーで、昔から真夜中に娘の生理用品をコンビニに買いに走る男です。
ドラッグストアで大量の生理用品を血まなこで探す彼の努力により無事、500人分の生理用品を確保することができました。
今求められているのは募金の透明性
毎度のことですが、皆さんに募金を呼びかけるにあたり私が心がけている大切なことがあります。
それは、募金の透明性です。
募金の透明性とは、
1.誰を支援するのか?
2.何のために支援するのか?
3.集まった募金総額はいくらか?
4.募金の使途は(何を購入するか、お金としてお渡しするか)?
5.支援を必要とする方に具体的にどのような方法で配布するのか?
支援する側とされる側の両方を裏切らない行為(明確な収支、活動報告)のみが、募金活動を継続するための唯一の道だと私は考えます。
フジマルは、これからも募金活動をするにあたり、明確な事後報告を皆さんにお約束します。
必要なのは地域の拠点。フジマルは溝の口のハブとしてこれからも頑張ります!
クリスマスひとり親家庭支援に続き、「生理の貧困」支援のご協力、本当にありがとうございました。
国や行政を動かしたのは、全国に散らばる「生理の貧困」に高い関心を持った人々だったと思います。フジマルの呼びかけに応えてくださった皆さんは有事の際に、迅速な行動力と他者に対する思いやりを持った温かい心の持ち主であると今回の募金活動を通じて実感いたしました。
世の中のおかしいなと思ったことには、
「不平不満を言い、誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自ら行動しよう!」
と常に自分に言い聞かせている私です。
これからも川崎市高津区溝の口を拠点とするフジマルクラフトの応援宜しくお願いします!
遠方からフジマルに募金していただいた方、
ご機会があればぜひ、店舗に一度遊びに来てください。溝の口は、昭和の名残を残す人情にあふれるいい街ですよ。
ゴキゲンなスタッフと温かいユーザーがお待ちしております❣️
また、フジマル及びフジマルサイゴンプロパガンダでは無償の生理用品を常備しております。女性スタッフが常勤していますので、生理用品が欲しい方は、気兼ねなくお声掛けください。
フジマルクラフト
神奈川県川崎市高津区久本1-5-23
📞090-8300-0430
📞090-8439-3507
フジマルサイゴンプロパガンダ
神奈川県川崎市高津区久本2-1-9
📞044-571-2538
最後に一言
ー今、生活困窮状態にある方へー
どんな状況にあっても未来も暗いとは限りません。この世にある様々な支援策を最大限に利用して、図太く最後まで一緒に生き抜きましょう!恥ずかしがらず「困っている」と声を上げることが道を切り開く第一歩につながります。
#生理の貧困 #みんなの生理#フェムテック#女性
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