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余談『お店でアイプリグランプリ参加』

アイプリ初の参加型イベント

自分が監督をしているアニメ『ひみつのアイプリ』はゲームが原作である。
全国のゲームセンターやショッピングセンターなどに設置されていて、100円をいれてカードを購入し、音楽に合わせてカードを動かし遊ぶというもの。
対象年齢も低く設定されているため、ある意味、老若男女問わずに遊べるものである。

思い起こせば30年くらい前。
自分はゲームセンター用のゲームを制作しており、そのときにロケテストといってゲームセンターに持ち込んだゲームを使い、そのインカム(収益)や、プレイ状況などを観察してどこでプレイヤーがゲームオーバーしたか、どこで連続でプレイしたかなどのデータを取って、調整するという作業をしたことがあった。

今日、ゲームセンターに行き、人がアイプリをプレイする姿をなんとなく眺めているときに、ふとそんなことを思い出したのだ。
軸の曲がったマイナスドライバーを使い、ROM交換とかしていたのは本当に「あー、ゲームつくってんなぁ、俺」と思う瞬間でもあった。
ただそのマイナスドライバーは手の中にはあらず、かわりにあるのはアイプリカードの入った箱である。

そう。

自分は今日、このときのためにこの場所に来たのだ。

アイプリグランプリ。

アニメでは第6話でその名前が公になったと思う。
自分で絵コンテかいたからたぶん間違いない。
それを実際にお店で体験してみよう!みたいな感じのイベントとなっている。

アイプリグランプリのモードは6月のカード第二弾がでた時点で実装され、実際に遊べるようになっていた。
1プレイでトーナメントの一回戦を楽しめる。そして準決勝、決勝と3コインでグランプリに挑戦できるモードだ。

その決勝部分を使い、今回のグランプリが行われる。

そして参加特典はサクラの書かれたローズグランプリノーブルブルーが大会参加の特典としてもらえるという。

ローズグランプリノーブルブルー(サクラ・うた)

更に大会抽選に先着50名には、ひまりのフラワーチュールオレンジブーケがもらえるのだ。

フラワーチュールオレンジブーケ(ひまり・ダンス)

つまり、先着50名で抽選し、大会に参加すれば2枚アイプリカードがゲットできるというオトクなイベントとなっている。

なのでこれを開催すると聞いたときには「出たい」そう素直に思ったものだった。

大会前

「今日はアイプリのたいせつなイベントがあるので週末の買い出しは夜になります」
そう奥さんに告げたのは先週のこと。
アニメ側の関係者であり、ある意味、重要なポジションにいる自分がこのイベントに参加してもいいものかどうか――。
ちょっとだけ悩んだけれど、関係者であろうが一般であろうが条件は同じなので、参加することに決めた。

ローズグランプリコーデはアニメでも描かれた第一回アイプリグランプリの優勝賞品である。
その色違いであるローズグランプリノーブルブルー。
アイプリカード集めていてほしくないやついないはず。
(転売目的は撲滅したいが)

とりあえずできることは、おそらく決勝で使う曲はルビー=ラズリの「Stand Get Up」であろう。

最初、デモで聞いたときとんでもないかっこいい曲がかかってきたので、アイプリでこれをやるのか――と一瞬思ったものだったが、ルビー=ラズリのふたりを象徴するよい曲だと思っている。
このエピソードの絵コンテ書いた自分が言うんだから間違いない。
ムネアツすぎて曲中のモノローグ多くなっちゃって反省してるぐらいだ。
(シナリオあがった段階で曲の振り映像にモノローグの字幕重ねてこんな感じにしたいとまで脚本会議にあげたくらいだった)

なのでこの曲でカードのノーツをマスターできるよう挑戦だ!
そう思ったのが6月6日の第二弾のカードが実装された日のこと。

最初の感想は「むずかしい」「できんのか」「タテってうごいたのに反対側ヨコってなんだよ」「そこ斜めはいる?」「そのディレイなに?」みたいなことばかりで埋め尽くされる、そんな曲。

自分が56歳のオッサンだから記憶力が悪いし反射神経鈍くなってるから仕方ない。つむぎの「ヒカリノコトバ」くらいのBPMだったらフルコンボでクリアできるのにて……。

ちなみにBPMとはBeats Per Minute、つまり1秒間にどれぐらいのビートを刻むのかというやつ。
ちなみにアニメ制作においてこのBPMとフレームレートの関係はかなりちゃんと考えないと音にあった映像が作れなかったりするので、1秒24コマと親和性の高いBPM120とか180とかあたりだとタイミングが合わせやすかったりする。

ともかく参加したい自分にできることは、この「Stand Get Up」をひたすら練習することなのだが、そんな時間もあまりなく……というか、魅力的なカードが多いのでいろいろ試したくなって、結局練習はおろそかなまま、アイプリグランプリモードを3回クリア3回優勝くらいしかできなかったまま当日を迎えることとなった。

大会当日

まずは会場をどこにすべきか――。
それで悩んだ。

第1候補はアイプリをやる際にホームグラウンドと勝手に思っているタイトーステーション国分寺。

単純に、仕事で外に出た際の帰り道にあるからというだけで使っている。
それともともと国分寺に仕事場があった縁もあり、国分寺は地元のようなものでもあるからだ。

なので暇つぶしの場所はだいたい検討がつく。


その次は東京駅。
ある意味、激戦区。
ただいろんな人とフレンドになれる可能性が高い。
――が、自分はそこまで人と気軽に接することができない人間なのでそれも難しい。
本当の友達ってなんだろう?
そんな素朴な疑問から「ひみつのアイプリ」のアニメは始まった。
そこから原作側から与えられたキャラの設定にドラマ要素を付け加えていったのだ。

なので東京駅はないなぁ……と。


更にその次は、GIGO池袋総本店。
実は実機に最初に触れたのは池袋だった。(初めてはヤマダ電機だったけど、二回目はGIGO池袋)


でも結局のところ、抽選で並ぶことを考えて確率の高そうなところといえば国分寺だろうなということで、ホームグラウンドを選ぶことにした。
(立川のタイステも割と使ってるのでそっちがあったらそっちだったかもしれない)


そんなわけで朝11時くらいに現地到着できればいいかな……くらいで家を出る。
国分寺まではバス一本でいけるのでかなり楽でもある。

いつもの北口ロータリー。
そしていつものタイトーステーション国分寺。
入口を入るとそこにポスターが。

ポスター

アイプリグランプリは年齢無制限と中学生以下の開催に分かれている。
自分のような老人一歩手前の人間が参加できるのは年齢無制限の方である。
自分は少数派なのだ。

そんなことを思いながら階段をあがって二階の奥。
そこがいつもの「ひみつのアイプリ」が置かれている場所――と思ったら、ちょっとだけ移動していた。

そして二台あるアイプリバースは埋まり、ひみつのアイプリも遊んでいる人がいて――。

――こ、これがライバルたちか――

そんなことを思いつつ、自分も今日の調子をはかるために「ひみつのアイプリ」をプレイしておきたい。

というわけで使うカードを選びつつ、スマホからセーブデータを呼び出せるようにアイプリバースのマイキャラのページを呼び出しておいて。

前の方が空いたので、座ってプレイ。

100円玉ガチャン。

出てきたのはひまりのぽんぽんすずらん。既に持っている☆3のカード。
そしてプレイ状況もあまりよくない。
だいしょうりはしたものの、☆7でカードボーナスは4枚。
――が、そこで奇跡がおきた。

サクラのサイン付き

サクラのサイン付きのスカーレットバタフライバズリウムが出たのだ。
まだ持ってなかった4種あるサイン付きのうちの最後の一種だった。
(つむぎ、タマキ、みつきは持っている)


やべー、今日、運がいいのかも。


そう思った自分は抽選の当選を確信していた。

そして11時30分。待機列を形成するとお店の人からアナウンスがあり、階段に並ぶ形で列形成。

列形成はGirls²とLucky²のリリイベなどでかなりの経験を積んでおり、もう慣れたもので、もしこの列形成が早朝からならば椅子まで用意してきたかもしれない。
(お店からは原則、列形成は禁止されている)
このとき思ったのはどう見ても50人以内だったのでひまりのアイプリカードはもらえる!だった。

そして12時。
列が動き出し、グランプリ参加における諸注意などの説明を受けて、マイキャラの名前を登録して抽選の整理券の配布。
自分は11番だった。

抽選開始されるのが13時30分。
Xのポストで発表されると案内されていた。

それまで腹ごしらえとばかりに、近くにある日高屋へ。
もっといろいろあるのにいつも行くところに行ってしまうのは、悩む必要がないということと、日曜日のランチタイムなのでどこも混んでるだろうなぁという考えからだった。
実際に日高屋も混んでたけど。
カウンターの隣で注文を待っていたお母さんと小学生の娘さんがいたのだけれど、その娘さんにお母さんが「本当に食べられるの?」と何度も聞いていたのでなに頼んだんだろと思ったところW餃子定食だった。

うん、割としんどい。

ついご飯大盛りにしちゃうとしんどいやつ。

年齢のせいもあるだろうけど。

13時少し前、ちょっと時間はあったけれどタイステ国分寺に戻って抽選結果を待つことに。
ドキドキの瞬間でもある。

抽選結果待ちってのはリリイベとかで何度も経験してるはずなのにドキドキが止まらないもので、やはり本気で参加したいと思えば思うほど、その緊張感は高まっていくものだ。

――で、結果発表。

11番、ありませんでした。


そっか、あのときサクラのサイン付きあたってしまって全部、運を使い果たしてしまったのだ。
そんなことを思ったり。
そんな意気消沈している自分に参加者の方から
「藤咲監督ですか?」と声をかけられそうですと答えたらサインをくださいとお願いされてしまった。
身バレしてる。
いや、別の隠すつもりもないし、バレたところでなにもないので自分のサインとかで「ひみつのアイプリ」を好きでいてくれるならやすいものである。
なので「はいはーい」とサインをする。
ただ思わぬことだったので普通に横書きで自分の名前を書いてしまった。
本当は縦書きなんだよ、自分のサイン。
なのでこのときしたかた、また会うことがありましたら書き直します。

13時50分までに来なければ再抽選とかあるのかな――と思いつつ、その時間まで待っては見たものの、プレイする方々の案内が始まったようなのでおとなしく帰りのバスに乗るために、バス停に向かう。

ああ、ほしかったな……、ローズグランプリノーブルブルー……。

そんな消沈した気持ちでバスが来るのを待ち、なんとなくスマホを見たときに、新たなポストがあった。

11番があった。

奇跡が起こった瞬間だった。


ポストが投稿されたのが4分前だった。

藤咲は走った。
横断歩道の信号が点滅するのも構わず走り抜けた。
そしてタイステまでを一気に走り階段を駆け登った。
つくなりカウンターに向かい「再抽選であたったんですけど」と申告しつつ
「またあとで」と言われたので大人しく待つことに。

このとき、参加者の方から声をかけられたのですが息があがっていてうまく対応できなかったことをお詫び致します。

とりあえず待ちつつ、再抽選の方と呼ばれたのでカウンターへ。
そこで改めてマイキャラの名前と抽選券を提示。
そして登録が完了となった。

これで参加できる……。

ただし時間は16時30分以降になると説明を受けた。
そんなの構わない。
こちらは一度、地獄に堕ちた身。
参加できるだけでありがたい。

暫く人のプレイとかも見ていたけれど、立ちっぱなしもしんどいので駅ビルのタリーズコーヒーで時間を潰すことに。
あそこも激混みだけどひとりぐらいだったらなんとかなるかなぁと。
本当だったら胡桃堂喫茶店まで行きたかったけど、歩く力がなかった。
それに土曜日にふらりと入れるとは思っていない。
ちなみにここです。

かなり人気のお店。雰囲気最高なので落ち着きたいかたは是非。

その後、時間前に戻ってきて人のプレイを見つつ、声をかけてきてくれた方と雑談。
今日のセンサーよくないっすね~とか。
明日のアイプリみます~とか。
店員さんからも「Xにポストしてた方ですよね」と言われてしまう。
この店員さん、何度かタイステにきてるときにカードが配布されてもらいに来ると大体このひとなので顔を覚えられているのかもしれない。
それはそれで名誉なこと。
安心してアイプリできるというものだ。

そして自分の時間がやってくる。

アイプリグランプリをプレイ

今回のモードはプレイするのに200円が必要。
そうすると2枚のカードが排出される。
その2枚を使ってプレイすることも可能。
つまり初めてプレイする参加者にも配慮されたシステムとなっている。

自分がゲットできたカードはこちら。

ゲットできたアイプリカード

サクラとタマキの☆4であり、アニメでアイプリグランプリに参加した際のコーデだった。
(最初はタマキのカードが出ているのに気づかず一枚だけなのかなと思っていたのを次の方が教えてくれた。ありがとうございました)
自分の絵コンテ担当回のコーデだ。
ドラマとして出来過ぎてる結果に……。
そしてサクラのアイプリカードはまだ持っていないものだった。
(ちなみにタマキは5枚目です)

アイプリグランプリの決勝に挑戦するというもの。
相手はルビー=ラズリで演目は「Stand Get Up」。
こちらも自分でキャラを選んで挑戦する。

――が、ここでセンサーの調子が悪いのかカードを置いてもなかなか認識がされない。
仕方ないので適当に押してタマキとひまりという変な組み合わせになってしまったがそれでチャレンジ。

――が、プレイ中もカードがうまく認識されず。

なんだか今日はいいことと悪いことが交互に来るなぁと思いながらプレイ。
結果は★3。ライバルは★2だった。
最低限度のプレイというかギリギリ。

負けることないだろうとは思っているけれど、やばかった。

プレイ後、参加したという先述の今日もっとも欲しかったアイプリカードをゲット。
そして表彰状もゲット、
今日の目的を達成した瞬間でした。

帰りのバスの中で撮影

総じて、イベントは楽しかったです。

ただ待機時間などがかなり長いため、時間に余裕を持っていたほうがいいなぁということと、子供さんがプレイされる場合、そこまで待てるかどうかがポイントとなるので保護者の方々はそこをうまく調整できるよう行く場所など調べておくとよいかもしれません。ゲームセンターなどによっては待つ場所が狭い場合もあるので。
なので二台つかってイベントをしている大型店などのほうが楽かもしれません。人も集まりやすいでしょうから抽選の倍率はあがりそうですが。

あと筐体のコンデションにかなり左右されることもあるので、ここも気持ちよくプレイできるかどうかの分かれ道になりそう。


第二回が開催されたらまた参加してみようと思います。
製作委員会とかに止められない限りは。

――以上、本日の余談でした。
勢いで綴ったので乱筆乱文ご容赦を。
次回をお楽しみに。



サポートしていただけることで自信に繋がります。自分の経験を通じて皆様のお力になれればと思います。