最近街中で感じたこと

今日は日頃見て感じていることなどの徒然なるままに…。

今日、道端で倒れている老人を車窓から見た。

私は車内から外を見ていた時、歩道に70代ぐらいのお爺さんが仰向けで倒れているのを見かけた。

その人は靴も片方脱げており、杖も傍に落ちている状態で歩道に仰向けに倒れていた。車で通りすぎる一瞬を見たので、何があったのかわからないが、たぶん脳梗塞かなにかで倒れているらしかった。

倒れている老人の横で、これまた通りすがりらしき中年の女性が電話で救助を呼んでいるらしい姿があり、その光景を車窓から私は見ていた。

そこまでなら、非日常的な光景ではあるがままあるかもしれないと思う光景だった。だが、私はとても違和感を感じた。

倒れている老人の近くにはそれを見ようともせずに、無関心のままに通り過ぎる人が何人もいた。むしろ、倒れている老人の事が見えないかのように素通りしていた人もいた。

私は、その光景を見てとても悲しくなった。たとえ見ず知らずの老人であっても、何らかの事で倒れている人がいるのなら、少しでも助けになるような事をする人が居なかったからだ。

もちろん、最初にいた中年の女性が何か電話をしていたらしいので、その人が救助をするから特にそれ以上は関わりたくない人がいたのかもしれない。

だが、人が倒れているのに平気で通り過ぎてゆく人が居る事がとても悲しかった。

仕事の時間や、なにかの約束事でやむを得なくて手を貸せない人もいるかもしれない。でも、一分一秒を争うような事以外でも、関わり合いになりたくないと思っていて、それを無視して歩ける人が多いのかと思うと、とても今の世の中は怖いなと思った。

これがもし、自分であったら。自分が年をとって倒れていたら、自分の親や友達だったら……そう思うととても私は人事には思えない。

以前、これとはまた違った事で、雨の中倒れている老人を見つけた事がある。

人通りも激しい通りで、マンションの前の広場にその老人はズボンをずり下げてパンツ姿をさらして雨の土砂降りの中倒れていた。

その周りを避けるように人は通っていたし、見た範囲でその人に声を掛ける人もいなかった。

私は倒れている老人に声を掛け、母が警察に連絡をした。

後で知ったことだが、その人はホームレスだったらしく、その近所では有名な人らしく、酒を飲んではあちこちでひっくり返っている人らしかった。

だが、私が見た感じでは身なりもそこそこで、ホームレスといってもちゃんと洗濯をしている服を着ていた。ただ、呼びかけには少し虚ろであったので、酔っているらしかった。

ただ、私が声を掛けるまで誰もそのホームレスに関わろうとしないように、人々は透明人間を見るように遠巻きに避けて通っていた。

土砂降りでそのまま寝かしておいてしまうと、低体温で死んでしまうと思い私は声を掛けたのだが、私が声を掛けなければきっと誰もそのホームレスの人に近づかなかったのだろうか?

ただ、私がホームレスの人に声を掛けた後、数人の中年の女性や男性が寄ってきて色々と心配をしてくれた。ただ、その人達も私が居なければそのホームレスに近寄っても来なかったのだろうと思うと、とても苦い物を感じた。

雨ざらしの中、人ひとりが倒れていても誰も声を掛けない世の中。これは正義感とか偽善とかを抜きにしても、怖い社会だと思う。

ホームレスになった事がその人の自己責任なのかもしれないが、それでも人として放っておいたら人が死んでしまうかもしれない状況を、見て見ぬふりをするような世の中は悲しい。

結局、そのホームレスの人は警察が来てくれたことで私も仕事中だった為に引き継いでその後を知らない。もしかしたら、警察の人もそのホームレスをどこかに連れて行かないまま、雨の濡れないところに置いていったのかもしれない……。

冒頭の話に戻るけれど、路上で倒れていた老人はその後どうなったのだろう…。

世の中がすさんできているとは思いたくないが、人は平気で人を見殺しに出来るようになってしまったのだろうか。

もやもやとしたものが残る光景であった。


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