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京都ボヘミアン物語③定番のふたつの猥歌

ヨサホイ節

 大文字キャンプの記事で大事なことを忘れていた。フォークソングやアニメソング以上に、超定番の歌があった。ふたつの猥歌(春歌)だ。
(ボヘミアンでつくった替え歌もたくさんあるのだけど、下品すぎるので、関係者とだけ共有することにします)

ひとつめはヨサホイ節(ヨサホイ数え歌)。たぶん全国でうたわれている。大正時代に元歌があり、ウィキペディアによるとこんな歌詞だったらしい。

♪これが別れか ヨサホイホイ
 独りさびしく残るのは ホイ わたしゃ死ぬよりまだ辛い ヨサホイホイ
 たとえどんなに ヨサホイホイ
 二人は遠く隔つとも ホイ わすれまいぞえおたがいに ヨサホイホイ

若い恋人の切ない別離の歌であり、猥歌ではない。これが数え歌形式のわいせつな替え歌になり、全国に広まった。歌詞のバリエーションはいくつかあるが、ぼくらが歌ったのは以下のとおり。

♪ひとつでたほいなよさほいのほい
 ひとり娘とやるときにゃ、親の承諾得にゃならぬ
(よさほーいのほい、よさほーいのほい)
(以下、ふたつ、みっつとつづく)
♪双子の娘とやるときにゃ、姉のほうからせにゃならぬ
♪みにくい女とやるときにゃ バケツかぶせてせにゃならぬ
♪よその二階でやるときにゃ 音をたてずにせにゃならぬ
♪いつもの女とやるときにゃ あの手この手でせにゃならぬ
♪むかしの女とやるときにゃ アルバム片手にせにゃならぬ
♪質屋の女とやるときにゃ いれたりだしたりせにゃならぬ
♪八百屋の女とやるときにゃ ナスやキュウリでせにゃならぬ
♪皇后陛下とやるときにゃ 直立不動でせにゃならぬ
♪巡査の娘とやるときにゃ 手錠覚悟でせにゃならぬ
♪さむらいの娘とやるときにゃ 羽織袴でせにゃならぬ
♪十二単(じゅうにひとえ)とやるときにゃ かきわけかきわけせにゃならぬ
♪十三のねーちゃんとやるときにゃ 病気覚悟でせにゃならぬ
(ここから一気に飛んで)
♪六十ババーとやるときにゃ 油さしさしせにゃならぬ

一般的には「十二」で終わりだけど、関西版ということで「十三」がつくられ、さらにだれかが「六十」をくわえたのだろう。
学生にとっての「60歳」はジジーやババーだったんだなぁ。感慨深い。

女子大巡りの歌

京都女子大前の女坂

もうひとつは京都市内の女子大をめぐる歌。

♪ちんころ まんころ 学校サボって女坂に行けば京女(京都女子大)の姉ちゃんが横目でにらむ
やりたいな やりたいな やりたいやりたいやりたいな
京女の姉ちゃんと トランプやりたいな

♪ちんころ まんころ 学校サボって烏丸今出川に行けば同女(同志社女子大)の姉ちゃんが横目でにらむ
 さしたいな さしたいな さしたいさしたいさしたいな
 同女の姉ちゃんと 将棋をさしたいな

同志社はやっぱりおしゃれ

♪ちんころ まんころ 学校サボって堀川丸太町に行けば駿台(予備校)の姉ちゃんが横目でにらむ
 入れたいな 入れたいな 入れたい入れたい入れたいな 駿台の姉ちゃんを京大に入れたいな
(そのほかいくつかの大学をめぐり最後は……)
♪ちんころ まんころ 学校サボって百万遍に行けば京大の姉ちゃんが横目でにらむ
 見せたいな 見せたいな 見せたい見せたい見せたいな 京大の姉ちゃんに鏡を見せたいな

おしゃれとはほど遠い立て看

その京大の姉ちゃんにぼくはふられることになるのに、失礼な歌です。すんません。

この歌の東京バージョンは、高校時代に早稲田大にはいった先輩から聞いたことがあった。
「ちんころ まんころ」ではなく「ちんたら まんたら」だった。
 さらに猥歌ではなく、東京六大学について早稲田の学生がうたう、というパターンの歌もあった。

♪ちんたらまんたら授業をサボってブクロ(池袋)に行けば、立教の兄さんが横目でにらむ
 立教かよ、育ちかよ、育ちじゃ早稲田は負けますよ
 肩で風切る、俺たちゃ早稲田マン
 
 六大学それぞれについて先輩は歌っていた。

 京都バージョンは「烏丸今出川に行けば〜」などリズムが悪すぎる。早稲田の六大学バージョンのほうがリズムやセンスがいい。オリジナルはたぶん早稲田なのだろう。

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