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これからのテクノロジー…30年後のとやま、あなたはどっちを選ぶ?

藤井だいすけです。今回のテーマは「テクノロジー」です。
A.テクノロジーの進化で人間の雇用が奪われる
B.テクノロジーの進化で創造的な雇用が増える
皆さんはどちらを選択しましたか? 私は、Bだと思いますし、そのようにテクノロジーは進化すべきだと考えています。

私が就職したのは、ちょうど20年前の1995年。雑誌の編集者としてキャリアをスタートしましたが、その当時はパソコンもインターネットもスマートフォンも当然ながらありません。今から振り返ると「どうやって仕事していたのだろう?」と不思議に思います。20年後の現在、この原稿はパソコンで書いていますし、調べたいことがあればすぐにインターネットに接続して検索しています。漢字だって、パソコンが変換してくれる中から選べばいいわけですから、正確に覚えていなくても大丈夫。いやはや便利な時代になったものです。
 
米国大手IT企業のグーグル創業者でCEOのラリー・ペイジ氏は「20年後、あなたが望もうが望まなかろうが、現在の仕事のほとんどが機械によって代行されるだろう」と予測しています。そもそもグーグル自体の創業が1998年ですから、それからたった17年でグーグルは世界中の情報の流れと僕たちの日常を劇的に変えてしまったわけです。テクノロジーの進化は昔からありましたが、21世紀に入ってからはそのスピードが加速度的に高まっていますので、ラリー・ペイジ氏の発言を「妄想だ」とは言い切れないでしょう。ただその発言を聞いて「機械が人間の雇用を奪っていく」と悲観的になる必要はないと思います。確かに単純労働は機械に代行されるかもしれませんが、その分、創造する仕事に割ける時間が増えるとも言えます。これまで“やらなければならない仕事”に忙殺され、気が付いたら1週間が終わっていた、なんて経験は誰にでもあると思います。「もっと時間があったなら、いろんな情報を仕入れられるし、勉強もできるし、アイデアも熟考できるのに」――テクノロジーの進化と労働の効率化によって、そういった悩みはなくなっていくかもしれません。

では、創造する仕事が増える、とはどういうことでしょうか。考える時間が増えてアイデアの実現に集中することができる、と言えば聞こえが良いかもしれませんが、常に新しいアイデアを生み続けなければならない、ということでもあります。新しいアイデアを生むには、日々の生活を無為に過ごすのではなく、そこに隠れている何気ない変化に敏感でなければなりません。アイデアは唐突に天から降ってくるのではなく、日々インプットしている情報と体系化された知識の掛け合わせ。つまり、アイデアで勝負する“創造する仕事が増える未来”は、極めて仕事と生活の境目がなくなっていくのです。

この変化をチャンスと捉えれば、大きな会社に所属しなくとも成果を出すことができると考えられます。例えば、ある専門性を持った世界中の人たちが同じ目的を達成するためにユニット的に集まって、ネットワークを通じて仕事をすることが可能なのです(最近アノニマスという国際ハッカー集団がイスラム過激派にサイバー攻撃したことで話題になりましたが、彼らは特定なリーダーがいなくても団結して成果を出しています)。また、地方の地域ネットワークとテクノロジーを持った大手企業の“お見合い”を仲介するような役割を担う個人も出てくるでしょう。つまり、これまでの働き方の常識では考えらないような仕事が生まれてくるわけです。

20年前に編集者として働いていたときは、「写植やさん」にたくさんのお仕事を依頼していました。写植とは、簡単に言えば写真の原理を使って印字する技術で、出版業界には欠かせない職種でしたが、その後パソコンの進化によって消えてしまいました。2019年に存在している職種も、ずっと残るかどうかはわかりません。逆にテクノロジーの進化により、システムエンジニアやアプリ開発者、ブロガーやYouTuberのような新しい仕事が生まれたわけでもあります。今後も技術の進化は止まりませんが、それをチャンスと捉えられるかどうかは、時代の変化に敏感で思考が柔軟な人だと思います。20代の人たちだからこそ、創造できる仕事が増えていく、そんな期待をしています。

藤井だいすけ/富山県議会議員候補者(富山第一選挙区)。1973年(昭和48年)1月19日生まれ。46歳。
新庄幼稚園、新庄小学校、新庄中学校で育つ。富山中部高校、大阪大学経済学部を経て、95年に株式会社リクルートへ就職。
フリーマガジン『R25』等の編集長を歴任する。40歳を機に東京から富山に戻り、現在は新庄で高齢者福祉事業を行う
株式会社アポケアとやま専務取締役。社会福祉士の国家資格を持ち、新庄地域包括支援センターの所長も務める。
大学生の息子と小学生の娘の父。