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令和6年度滞納整理事務の充実を目指して(6月3日現在)

 滞納繰越分のチェックと令和6年度としての取組み準備をしましょう。


 令和6年度の歳入確保に向けて

 令和5年度の収入等は5月末で終了しました。令和5年度の歳入確保に向けて努力された自治体に心より労いの言葉を贈りたいと思います。さて、今週からは令和6年度の取組みを開始しましょう。管理監督者の皆さんは、令和6年度の方針を部下職員に示すことから開始してください。

 滞納繰越分を優先順位付けする

 一般的に、この時期はまだ令和6年度の現年課税分の課税通知が発付されたかどうかいう時期で、現年課税分の新規滞納事案は発生していません。そのため滞納繰越分を中心として、5月末から繰越する滞納事案を優先順位付けして高いものからチェックすることです。それでは何を確認すれば良いのかお話ししましょう。 

 パレートの法則(80:20)を理解する

 まずパレートの法則(80:20の法則)では、2割の労力やエネルギーで8割の成果をだすことができるとされています。またこの逆で8割の労力やエネルギーで2割の成果にしかならないことをいうものです。この法則を滞納整理で説明すると滞納繰越分が該当します。優先順位付けでは、高額滞納事案と少額滞納事案を説明することができます。 

 ①高額滞納事案

 高額事案の定義は、各自治体の財政状況等により違います。滞納繰越分を金額の上位から順番に高額順に並べたとすると、上位2割の滞納事案で滞納繰越分の金額の8割を占めるものと言われています。高額滞納事案をリスト化しましょう。上位2割の件数で8割の滞納金額を確保できるとなれば、まず2割の滞納事案をどのように処理するのか確認することです。 

②長期累積滞納事案

 次に長期累積滞納事案をリスト化しましょう。税では一般時効は5年間なので、例えば10年以上の滞納事案をリスト化しましょう。もう10年以上の長期累積滞納事案が存在しないのであれば、6~9年までの長期滞納事案をどのように処理するのか担当者と意見交換してください。滞納事案の数が多いのであれば、古い年度を優先して処理することです。 

 ③一般時効完成直前滞納事案

 3番目に、一般時効発生見込み滞納事案をリスト化しましょう。具体的には令和元年度に新規に滞納となった事案で全く納付や滞納処分がなされていない滞納事案をリスト化しましょう。この一般時効発生見込み滞納事案は、年度のこの時期に処理すれば、年度後半はもっと優先順位の高い滞納事案を取組むことができます。出来れば、6月末までにリスト化したものを処理する方針で取組んでください。 

 ④少額滞納事案

 最後に、少額滞納の処理です。パレートの法則で説明しました高額事案の逆のパターンをリスト化します。つまり、金額の低い滞納事案をリスト化しましょう。件数の8割で金額の2割という状況ですから高額事案を除けばほとんどの滞納事案です。 

滞納事案を処理するための前準備

 これら4種類のリスト化を図った上で、それぞれ取組み方針を策定するために計画を準備することが求められます。次回はその取組み計画についてお話ししましょう。


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