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令和6年度滞納整理事務の充実を目指して(6月24日現在)

 滞納繰越分の中でとくに注意が必要な滞納事案を今回は取り上げてみましょう。


 注意が必要な滞納事案と言われて、あなたは何をイメージしますか。昨年度(令和5年度)一度も納付のない滞納事案、何回も約束不履行を繰り返している滞納事案、催告等するとすぐに担当者だけでなく自治体や組織のトップにクレームをつける滞納事案などを想定しています。 これを組織全員でそれぞれ担当している受命事案の中から選択し、一人5件とか10件を挙げてリスト化することです。

 各自がリスト化したものを全件を、①緊急度の高い滞納事案、②悪質な滞納事案、③担当者が手に負えない滞納事案などに改めて分けてみてください。それぞれの項目ごとに優先順位と取組む時期を決めましょう。取組む時期は9月以降ではなく、令和6年度の新規滞納事案が発生する前に計画しましょう。 

 ①緊急度の高い滞納事案

 これは各自治体により内容が違ってきます。例えば、滞納繰越分の何割も占めるような高額滞納事案であれば早期に方針を策定して取組みを開始する必要があります。また、倒産情報誌などにより把握できる滞納事案は他の自治体との優先劣後により税の配当が確定しますので早期に着手しましょう。

 取組みについて

 緊急度の高い滞納事案はできるだけ早期に着手するために、まず方針を定めた上で担当の他に協力できる職員を何人かつけてチームを設置して動き出すことです。この場合、チームリーダーを定めて情報を集中するようにしましょう。このチームリーダーは係長でなくても構いません。将来のための管理監督者になるためのトレーニングだと思えば良いのです。

 ②悪質な滞納事案

 臨戸をした状況や窓口に来たときの状況を冷静に判断して生活は困っていないのに納付しない滞納事案や担当者に納付しないと明言するというような滞納事案を想定してください。また、何年も納付していないような滞納事案もこの項目に入れても良いと思います。具体的には、財産調査をするもなかなか表見財産が判明しないような場合には捜索やタイヤロックを実施されてはどうですか。 

 臨時的な捜索班の設置

 小さな組織では、捜索を実施するための人数も限られます。そこでこの時期だけ臨時で捜索班を設置して悪質な滞納事案の解消を図るのはどうですか。短期間の内に何件も捜索を実施するということで経験知が高まります。学習効果が期待できます。また、何回か実施したら捜索班長を交替するなど、誰もが捜索班長ができるようにすることも大切なことです。 

 ③担当者が手に負えない滞納事案

 滞納者が担当者を馬鹿にして話しを聞かないような滞納事案を想定しています。私の経験でもありました。優秀な女性の係長が催告等しても女性だからと言って話しを聞いてくれないというものでした。このような滞納事案は上位者が滞納者にキチンと説明することだと思います。権威付けが必要な場合にはそれなりに対応することです。 

 その他にも困った滞納事案

 管理監督者・管理職を中心に昨年度の取組みを振り返って職員が困っている滞納事案があれば取り除いてあげることをしてください。こうすることで担当者の目の前が明るくなり今年度の取組みにも希望が持てます。全員で知恵を出し合いましょう。 

  

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