[映画]屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ

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屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ

なんちゅうヤバい映画だこれは。
多分、観てて気分が悪くなる人はたくさんいると思う。

ホンカは1970年代のドイツ・ハンブルクに実在し、4人の娼婦を殺した殺人鬼。
劇中では、娼婦というくくりではなく、場末のバーに集まるアル中のおばさん(ほぼほぼおばあさん)たちが標的。

もう気持ち悪いほどに生々しい描写の連続。
ホンカは鼻がまがり肌も歯がボロボロで、暮らしぶりも貧しい上に酒浸り。
はっきり言うと女性には相手にされないタイプ。

奇しくも「ジョーカー」とか「パラサイト」とか
貧困層で社会的に虐げられている人間が軸になっている映画がヒットしましたが
どちらも相手となるのは、自分より上の層。

しかしホンカは、全く上を見ず、ひたすら自分より弱い相手をターゲットに。
ここがすごく生々しいのです。

どんな環境においてもそう。
自分より立場が弱いと見るや、必要以上に上から来る人間はどこにでもいる。

何より恐ろしかったのは
計画的でない、あまりにも杜撰な犯行にもかかわらず、何年間もバレなかったこと
そして、亡くなった被害者の多くは、捜索願いすら出されていなかったこと。
社会から相手にされていない層は、殺しても殺されても見向きもされないのか。

「昔の話だから」で済まされない、体温が急激に下がったような気分になる、嫌な映画でした。

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