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健康経営は「切り口」になる

みなさん、こんにちは。

前回、「健康経営とは」について書きました。もう忘れてしまった
方もいらっしゃると思います。
ということで、まずはおさらいします。

健康経営とは、従業員の健康保持・増進をコストではなく、
「投資」として前向きに捉える経営手法で、企業が経営理念に
基づき、従業員の健康保持・増進に取り組むことによって、
結果として、業績向上や組織としての価値向上に繋がる、
と期待されている。
さらに、中小企業においてこそ、経営者みずからが主体となって
会社全体を巻き込み取り組むことで、より効果が実感できる。

というものでした。

そして前回のときに、中小企業診断士などが企業へ経営診断に入る際の、
「切り口」となりうるのではないか、と思わせぶりで書き終えた、
その後編が今回になります。

健康経営診断のアプローチ

健康経営エキスパートアドバイザーが、健康経営診断を企業に対し
行う手法は、順番に次の5ステップといわれています。

① 健康宣言・・・社内外に健康経営を行うことを宣言する。

② 組織体制の整備・・・健康経営を経営理念・方針に明記したり、
  社内に健康づくり担当者を決める。

➂ 健康課題等の把握・・・定期健診受診率や従業員の心の健康状態を
  把握したり、残業時間・有休取得状況を確認する。

④ 計画策定・健康づくりの推進・・・健康課題へ取り組む優先順位を決め、
  課題解決方法検討、計画立案、数値目標を検討する。

⑤ 健康づくりの効果検証・改善・・・従業員の健康づくり活動への参加・
  実施状況や健康状態の推移を検証し、改善策を検証する。

以上のステップにおいて、何回かヒアリングを重ね、
「健康経営診断報告書」を作成し、企業にフィードバックします。
そして実施期間中や終了後に定期的なフォローを行い、次年度以降の
取り組み・実施計画を検討する、というステップになります。

一般的な経営診断プロセス

次に中小企業診断士などが行う、一般的な経営診断プロセスを示すと、
以下のようになります。

1.経営診断ニーズ確認・経営実態の把握
2.経営課題の抽出(経営環境分析・経営資源分析等)
3.経営改善・経営革新提言
4.経営診断報告
5.経営改善実行支援、成果評価
6.事後支援

いかがでしょうか。健康経営診断のアプローチと一般的な経営診断
プロセスには、とても親和性があるともいえます。

なお、健康経営への取り組みに際しては、健康経営エキスパート
アドバイザー以外にも、中小企業診断士や医師・保健師・社会保険
労務士等様々な外部専門家が状況に応じて関与していただく必要が
あります。

経営診断の「切り口」になる

ところで、中小企業診断士などが、企業を訪問し経営診断に入るに
際して、いきなり社長さんなどに向かって「経営課題はなんですか?」
と聞いても(おそらくいきなりそう聞く人も少ないと思いますが。。)
経営者側も質問内容が抽象的すぎて、ピンと来なかったり、
回答に詰まったりしてしまうのではないでしょうか。

であれば、たとえば、最初に経営者ご自身の健康への関心の有無を
聞いたりしてみたらいかがでしょうか。

実はご自身がメタボで悩んでいるとか、なかなかタバコがやめられ
なくてねぇとか、打ち明けていただくこともあったりしますよ。

そうなれば、どんどん会話が弾み、健康経営へ結びついたり、
ひいては、ご事業の経営改善のご相談などへ繋がる可能性も
あったりするのではないでしょうか。

まとめ

まず、健康経営エキスパートアドバイザーが行う、健康経営診断の
アプローチは、中小企業診断士などが行う一般的な経営診断プロセス
ととても親和性がある。
そして健康経営は、経営診断に入る際の、「切り口」に活用できる、
です。

いかがだったでしょうか。そういえば、3月に入りました。
そろそろ勤務する会社の健康経営優良法人審査結果のメールが届く頃だ
と思います。期待して待ちたいと思います。

          


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