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【連載小説】雲の中のマンゴー

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この小説は、自動車部品メーカーを営む静岡の中小企業の若き経営者「沢村 登」が、雲を掴むがごとく様々な問題や課題に直面しながら、企業グループの新しい未来づくりを模索し農業という新事…
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雲の中のマンゴー|#27 役所のアイツ

▼前号を読む ▼最初から読む 第27話 「第5章~その4~」 沢村登と黒岩玄は、スマート農業推進事業を申請する前に市役所の窓口へ相談に来ている。今日で3回目だ。 1回目はこの事業の説明を受けるために訪問した。2回目は提出する事業計画の概要について相談をした。今回は、前回指摘された事業計画のことで訪問した。 「だから、何度も言っているじゃないですか!新規事業なんだから実績なんてあるわけないでしょう。これから作っていくんですから!」 「そうは言いましてもね。マンゴー栽

雲の中のマンゴー|#26 秋山夫婦とIoT

▼前号を読む ▼最初から読む 第26話 「第5章~その3~」 前回のヒアリングから2週間後に秋山夫婦が再来園した。 「沢村さん、前回ハウスを見せていただきそしてお話を伺ってみて、まずは頭の中のイメージを画にしてみました。こちらをご覧ください。」 「おおぉ!なんかスゴイ感じがする。」 「いやいや、これはあくまでも今後の社会の動きと沢村さんのやりたいことや夢を連動させてビジュアル化したものですよ。もしイメージが違うところは修正していきます。 いいですか沢村さん、スマー

雲の中のマンゴー|#25 あなたいい線行っているわ!

▼前号を読む ▼最初から読む 第25話 「第5章~その2~」 「まずは、現状の解決したいことからお話しします。先ほども少し触れましたが、なんと言っても、アザミウマ対策ですね。スマート農業化によりピンポイントでの農薬散布を実現したいです。具体的には、ドローンを活用するのですが、飛行型ドローンに内蔵されたセンサーでアザミウマを検出して、その処理として、この飛行型ドローンと農薬噴霧器を備えた走行型ドローンにより、自動でその場所のみに農薬を散布してもらいます。これにより、資材と

雲の中のマンゴー|#24 ヒアリング

▼前号を読む ▼最初から読む 第24話 「第5章~その1~」 「おっ、おい、真子さん!」 秋山好之は沢村登の表情の変化を見て慌てた。 「なに!?」 なぜか、真子も眉間に皺を寄せる。 「あっ、スイマセン沢村さん!妻はIoT関連の仕事が多く工業系から農業参入する企業さんのサポートに多く携わっていて…. その.. きっと.. 少し心配になったのかなと思いまして。。」 「んん… ちょっとビックリしましたが。。気にしないでください、ごもっともな質問だとも思いますので。」

雲の中のマンゴー|#23 スマート農業へ

▼前号を読む ▼最初から読む 第23話 「第4章~その3~」 2020年10月初旬、季節は秋模様になってきた。しかし、マンゴーハウス内は温度35℃と高温である。シーズンオフではあるが、この時期の作業も重要であり、施肥・誘引直し・灌水チューブ掃除と詰まり水量の確認など、日々休まることがない。事務所から一番遠いハウス内で黙々と作業を進めていると、遠くから「か細い声」が聞こえた。だれか対応するだろうと思い作業を続ける。 「沢村さーん!」 「沢村さーん、いますかー!」 「ど

雲の中のマンゴー|#21 グランドOPEN

★前回はこちら ★最初から読む 第21話 「第4章~その1~」 5月の初収穫からグランドOPENまでは、収量の様子をみつつ、物流シェアサービスの「やさいバス(株)・地域洋菓子店や料理店など」業務用利用のハウス見学希望者などを限定にプレオープンとして対応をしてきた。 特に初収穫から1週間の収量が少ない時期は、収穫したものを登が自ら購入し(株)サワムラの社員と登の一族に試食用として配った。実姉からは 「元気のなかった娘が、美味しい美味しいと言ってくれ元気になったよ。そして

雲の中のマンゴー|#20 初収穫の雄叫び

この物語は、自動車部品メーカーを営む中小企業の若き経営者「沢村 登」が様々な問題に直面しながら、企業グループの新しい未来づくりを模索し新事業に挑戦する「実話を軸にしたフィクション」ストーリーである。 Novel model Mango Kawamura Author Toshikazu Goto ★前回はこちら ★最初から読む 第20話 「第3章~その8~」 2020年5月24日(日)am7:30 「1. 2. 3. 4. ・・・・・・・・12. 13. 14。あ、