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【旅日記】空の下&はっぴーの家ろっけん・4 【空の下3日目】

【空の下3日目】


この日、昨日車を運転してくれたダイゴくんは、高知市内にキッチンカーで生姜ドリンクやケーキなど出店しに行った。

ここの人たちは本当によく働く。
性格は優しいが顔つきはキリッとしていて、やるべき事をやるのだという意思にあふれている。


他のメンバーは今日もまた柚子山に向かう。
作業をしていると、ワダケン率いるはっぴーの家フリースクールの面々も柚子山に来て、大騒ぎしながら収穫を手伝う。

子ども達の保護者も混じっている。

本来の作業班の我々も、その関西弁のテンポの良い会話をBGMに作業を続ける。

テンション


下のほうの柚子は昨日に大方とってしまっているので、上のほうの切って良い枝を長い園芸ばさみで落として行き、その枝から柚子をとる。

あまり枝葉を落とすと木が弱ってしまうし、枝を落とせば落とすほど足元は柚子トゲトラップが増えて行くので、ちょっと悩む。

昨日るんちゃんが
「高いところのは無視して、とれるところのだけ
先にとって行って」と指示していたのは
的確だったんだなと思う。


私は参加していないがこのあと1日間、計3日間の作業を経て、皆でとった柚子は、最終的に100コンテナ以上になったらしい。

柚子は事業所の予冷庫に移され、そのまま売れて行ったり、加工されてシロップなどの製品になって行く。


ところで、柚子山は、エリアごとにネットで囲ってある。
野生動物に荒らされるのを防ぐためだそうだ。

ところがそのネットに時々動物がひっかかってしまい、人間が放してやらないとひっかかったまま息絶える事があるという。

ここにも、おそらくそんなシカの痕跡があった。

痕跡、というのは、骨すらも丸ごとは残っていなかったのだ。
私たちが見た時には、画像のような、頭蓋骨上半分と、長い骨が数本と、シカの毛と思われるものがふさふさとまとまって落ちているだけだった。

シカの骨

るんちゃんが
「そんなに長い事来ていなかった訳じゃないから、
ごく最近のものだと思うんだけどね、山は分解が早い…」
とつぶやく。
随所で自然の力に圧倒される。

この後も「空の下」の作業は続くが、私の仕事は、この日で終わりとなった。
今日は、神戸に帰る面々と一緒にはっぴーの家に連れて行ってもらうのだ。

実は、私は関西になじみがない。
私の関西経験と言えば、高校の修学旅行で大阪に行って道頓堀あたりをふらついただけだ。

かねてより、関西圏は東京とは文化が違うと聞く。

以前テレビで「東京と大阪のスーパー銭湯でそれぞれ、タオルを渡すところでタイルを渡してみる」という検証実験を見た事がある。

東京の人はタイルを見て「え?え?」と戸惑うばかりだが、
大阪の人はタイルを見た瞬間に状況理解し、すっと受け取って「そうそう、これで体をこうやって拭いて、って、おい!」というのを、呼吸をするような自然さでやっておられた。
関西圏ではそのような日常なのだろうかと思いながら、神戸組を横目で見る。

ワダケン「何言うてんねん、おまえ小学生か!」
子ども「小学生やわ!」
ワダケン「せやったな!」

東京とは土の栄養が違うんだろうな、と思った。

当面は、関西ノリについていけない東京者として自然にしておいたほうが良いだろう、と判断する。


しかし、柚子収穫作業は、痛い思いもしたし、下手をすれば高所から落ちて死ぬ事もあるだろうというリアルでシビアな作業だったのにも関わらず、
何だか東京から思い出すと、東京での生活と違い過ぎて、夢のようでもある。


今でも時々思う。
あれは本当にこんにゃくだったのだろうか。


P.S. 
ちなみにこの時私たちが収穫した柚子は今頃、るんちゃんが加工してショップに並んでいます。もし興味ある方はぜひ。
るんちゃんのこだわりにより、すべて良いものしか使ってません。
https://soranosita.base.shop/


次回、いよいよ、はっぴーの家ろっけんへ向かいます。


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