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【旅日記】空の下&はっぴーの家ろっけん」8【はっぴーのリビングは港】

【はっぴーのリビングは港】


最後にこの事を書いて、旅日記を終わりたいと思う。

はっぴーの家ろっけんのリビングのインテリアは港がモチーフになっていると書いた。

なぜかと言うと、はっぴーのリビングは、人々が訪れ、そして、去って行くところだからだそうだ。

港
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「去って行かれるのは淋しい気もしますね」という言葉に対して、
首藤社長は、
「人は、別れるとき、見送るときが醍醐味」と言っていた。

一緒に居てもらう時間ももちろん大事だが、去って行く時に、互いにどう在るのかというのが、確かに、一番いいところなのではないかと私も思った。


突然だが、私はもう30年以上、ミュージシャンの平沢進が好きで、ふと、そのファンクラブの名前が昔「HIRASAWA BYPASS」だった事を思い出した。
「どうぞ、お通りください」というフレーズを覚えている。

バイパス、目的を持って設置された道。
目的地ではなく通過点。

私はコンスタントに対話イベントをやっているが、やる理由をうまく言語化できなかったのが、ここでクリアになった。

私は、自分の淋しさを人に満たしてもらいたいのではない。
いわゆる承認をしてもらいたいのでもない。
私に帰依してもらいたいのでもない。
来た人が何かをつかんで、より自分自身に迫り、自分の意思を持って在るべき日常へ戻って行ってもらいたいのだ。

私を見て反面教師だとか、こいつ嫌いだなとか思ったのでも、
その人の本心が見出されるヒントの一つになったのなら、充分役に立ったのだと思う。

自分のお腹から出て来た子ども達や、パートナーや、友人達に対してもそう思っている。


そういう、点が線になり、面になるような気づきが、はっぴー滞在中には何度も訪れた。


はっぴーの家は関西特有の大らかさと陽気さで成り立っている部分が大きいが、基本的には高齢者住宅にコミュニティスペースがついているものなので、日常のベースはおおむね静かなのだろう。

でも、その何気ない日常にすべてがある。
その下積みに、よほどの哲学と覚悟が無ければ、ああいう場はできないだろうと思う。


そして、私がリビングでそんな事を考えている横で、
4ヶ国語を操るというインド人の男性入居者さんが、何度も
「ミスター・ポティトゥ!」と絶叫していた。

折り紙が上手な女性入居者さんが、
折り終わった新聞紙ごみ箱をなぜか当然のように
「はい」と私に手渡した。

皆、自分の時間を普通に過ごしていた。

聞きしに勝るカオス、はっぴーの家ろっけん。

愛と多様性の海。いや港。

静かな日常と、時々ふと起きる出来事のひとつひとつに、
実践に至らぬ生半可な哲学や、フワフワした現実逃避スピリチュアルなどとはまったく違う、「生と死」についての答えがいつもあった。


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さて、長い旅日記はここでひとまず終わり。
読んでくださってありがとうございました。

私が書いた事はたくさんの出来事の一部分でしかなく、また私が受け取ったものでしかありません。

事実でないところもあるかも知れないし、違った見方もあるだろうし、
でもそれも含めて、良きエネルギーの循環の中にいると感じます。

これはと思った所があったら、ご自分でもぜひ足を運んでみて欲しいと思っております。

つまらない生活を

つまらない生活をすてろ!

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