見出し画像

みにくいアヒルの子5

東京の渋谷で始まった私の中学生生活。

念願の!だったはずが…女子校というチョイスが墓穴ということを知らずに結構な泥沼にはまり、しばしもがくのでした。

私の通った学校は、今でいう《キラキラ女子》の多い女子校で女子力が高い女子が多かった中、母は綺麗=自分は可愛くない という刷り込みのあった私は、キラキラに乗り切れず…オタクの道に没頭するのでした。

今でこそ、《女子たるもの、なんぼでもアイテムがあるのだからいつまでもキラキラすべし!》と思う私ですが、自分が程遠いと一旦感じるとそれが小さな頃であればあるほどに、ネガティブに反転してく気がします。

ひねた私は、ひたすらに読書に没頭し、銀縁眼鏡をかけ、制服だけは可愛いものの、全くその恩恵に預かれない(自ら受け取り拒否ですね)暗い子で、そのくせ、文学の世界に親しんでいたので、脳内はやたらと早熟という、経験の伴わない非常にアンバランスな子供でした。

小学校6年生で、トルストイを読み、江戸川乱歩は卒業。中学3年間でアガサクリスティー、チャンドラー、横溝正史、ニーチェにカミュなど。  

今思ってもムツカシイ 笑  

恋も、デートも無縁の中学生で、歴史オタクとなり、浅く広くかなりの量読み漁りました。

暗い私とは反対に、その間、母マリーは喫茶店を始め、花開き、色恋沙汰のひと悶着を起こしては、私も、度々巻き込まれると言った、極端な生活。(母のせいでヤクザに尾行された事も(・・;))

そして忘れられないのは、マリーの理系音痴でした。

あろうことか木の壁に向かってマグネットでメニューを貼ろうと、なんども失敗。ずり落ちるマグネットに業を煮やしたマリーはキレ気味で私に言いました!

マリー:なんでくっつかないの????

私:なんでくっつくの???

私:木に磁石はくっつかない性質でしょ〜 

マリー:そうなの???

私:………(・・;)

その瞬間どうして私が天文学者を目指してたのに、因数分解が出た途端数学がわからなくなったのか

元素記号を覚える意味が全く見出せないか…

全ての答えは…このルーツか!笑

そしてマリーと、父との間もどんどん冷めていき、離婚は秒読み?と言う家と、全く面白くない学校と言う二重苦を抱えつつも、結局本を読んで生きてました。そして、クラシックな映画を観る日々。

16歳の春、についに両親が離婚。母マリーは出て行き、私は父と家に残りました。奔放な母と違って、真面目な父ひとり、一軒家に残して行く気にはなれなかったのです。

ところが、その父も母が出て行って数ヶ月でお見合い!!!

そして私は一度も会ってない女性と、父は再婚Σ(・□・;)

ある日父と一緒に家に知らない女性が義母としてやってきました。

なんともまあ…多感な少女に一体何してくれんねん!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

ってことでお約束の《非行》に走ることにしました。

有り難い事にここまでで相当私のアイディンティティは確立されており、《親の事ごときで自分の人生狂わせてはならじ!》って言う意地とも計算ともつかない感覚があり。

学校にもいかず、悪い仲間とどんどん落ちていいく〜と言う定番なルートは取らず。世はかの名作、「積み木くずし」が席巻していたのに、あれだけはヤバイと本能的にわかってました。

学校にはしっかり行って、学校から帰って着替えてメイクして、六本木に繰り出して、11時まで遊んで終電では帰って翌日はまた6時起きで学校に通う。って言う校則はできる限り守る《非行少女》でした。六本木ではディスコに入り浸りタバコも吸い(超絶体に合わず、その後全く興味なし、むしろ苦手)VIPルームでオールなんて言う不良の見本のような夜もありましたが、友達も皆健全?でただ踊って喋って終わるって言う、不純なことはタバコ以外ない変な不良?でした。

でもとっても楽しくて、根暗でオタクな中学生活が一変して、薔薇色に見えた時期でした。

世の中が全てカラフルに見える。

人生にはそんな時期があるのもので、世間はバブルの始まりかけで、お札がいくらでも湧いてきて、六本木は金粉が舞い始め、まさに私の人生にも「春がきたー」そんな時期でした。

片思いも、お付き合いも初めて経験した日々。

そして最も特筆すべきことは一連のストレスのせいで、         私は脳出血か脳梗塞を起こし、一瞬半身不随になりました。      (理由がわかったのは25年後)

その後も原因不明の頭痛が続きCT検査するも何もなく、しばらく寝込み、なんとか体も元に戻り一夏越した高校三年の秋、体重が10キロ近く落ちました。

11号体型の私が…痩せてる…かも?

人並みの体型になった私は 初めて思いました。

「もしかしたら可愛くなれるかもしれない」

そんな高校三年生の10月、見学に行った付属の女子大があまりにど田舎でイケテナイので、行きたくない!と親に宣言

たった三ヶ月しかないけど受験します!となるのでした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?