【クレーム対応】の流れについて

初めてクレーム対応をする人や、まだ不慣れな人、そしてその対応を教えてくれる人が身近にいない人に参考になれば幸いです。

まずは全体像をつかみましょう。今回は大まかな流れとその各項目の概要を説明してい行きます。これは15年間のキャリアの中の実践で身に着けたノウハウです。その中であなたの役に立つことが、ほんの少しでもあればうれしいです。

はじめに

まずクレーム対応の幹となる流れを把握しておきます。これをおぼろげながらも理解していない、どこを終着点にして今どこにいるのか分からなくなってしまいます。そうなると、2次、3次クレームへとつながっていく恐れがあるので重要です。

流れ ①事実確認 → ②評価 → ③対応

大きくこの3つの項目に分かれます。
①事実確認は、クレームとなった出来事を正しく把握することです。まずこの事実を双方で確認し、話し合いのテーブルの上に置くことが先決です。 ②評価は、事実に対するお互いの認識に基づいて評価をします。評価の基準は、原則当事者の合意ですが、合意ができないと最終的には法的判断基準になります。③対応は、②評価に基づいて、双方が納得する行動を決めて行動することです。双方の『落としどころ』を見つけることです。

①【事実確認】

クレーム対応を進める中で、最も重要な項目といっても過言ではありません。事実確認がしっかりとできていないと、そのあとの話し合いが的外れになるし、また結論に達した後から事実が覆されて、また一から(一からならまだいいですが、もたついているためさらに状況は悪化します)やり直さなくてはなりません。
なので、『事実確認』は正確に行います。どのように確認するかと言えば、いわゆる5W1Hをベースにします。ある出来事について、1.誰が、2.いつ、3.何を、4.どこで、5.なぜ、6.どのようにを確認します。例えば、販売した商品が使えないと電話してきたお客さんに商品について、1.誰が使ったのか、2.いつ使ったのか、3.どの製品を使ったのか、4.どこで使ったのか、5.何の目的で使ったのか、6.どのように使ったのか 等を聞いてきます。これをいくつかの視点に分けて確認していきます。確認内容は原則5W1Hですが、確認対象はこの後に出てくる ②評価 するために必要な項目を対象にします。

②【評価】

①事実確認をしたら、その判断材料を元にしてこの出来事を双方で共通の評価をします。簡単に言えば、どちらが悪かったのか、どの程度悪かったのか等、情状酌量も踏まえて評価していきます。例えば、納入した製品に汚れが付いていたのであれば、汚れが付いていること自体の事実は双方で認めつつも、誰のせいで付いたのかを評価していきます。納品直後に検品をして発見していれば、納品前に付着していたというのが通常の評価でしょう。納品後1か月も後に汚れが付いていたとクレームがあった場合には、少なくともお客さん側にも落ち度があるという評価になるはずです。

③【対応】

俎上に上がった事実に対して双方の評価が一致していれば、あとは双方で納得のいく落としどころを決めて実行します。例えば、新品との交換をするなどです。一般コンシューマー相手のクレーム対応であれば、ある程度落としどころは決まっており、新品交換・返金・故障の修理等です。悪意のないクレームであれば、これで大体収まります。BtoBのクレームであれば、落としどころの前例があるだいたいあるはずなので、それに倣って提案するとスムーズに収まる可能性が高いです。

まとめ

①事実確認 → ②評価 → ③対応 という流れをしっかりと把握するようにしましょう。最終的な ③対応 について逆算して ①事実確認 を最初から取り組めば、無用な事実の確認をする必要がなくなり、対応がスピーディーになります。そうすることで、相手からの信頼感も増し、2次、3次のクレームに拡大することを未然に防ぐこともできるのです。
クレーム対応に慣れていないと、どうしても先が見えず、やみくもに相手の言い分を聞かざるを得ないという思い込みがあり心理的負担を感じる人が多いのが実情です。クレーム対応にも今回の流れのような「暗黙のルール」的なものが存在します。きちんと理解すると、クレームは怖いものではなくなり、チャンスとして捉えることもできるようになります。むやみに恐れずにしっかり対応するように心がけましょう。

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