ロングライド中のお尻が痛い件

それは避けられない痛み

 日ごろの運動不足を解消しようとスポーツ自転車を買って乗り始めた。風を切って走るととても気持ちいい。流れる景色や新しい道を発見したりと、今までの人生で味わったことがない感動を教えてくれる。自転車にはまる人はこういう非日常感にガツンと雷に打たれた人だと思う。僕もその一人。はまるとどんどん乗る距離が増えてくるし、誰かと一緒に走りたくなる。そうすると誰しもが必ず直面するお尻の問題。距離が増えれば、サドルの上にお尻が乗ってる時間が増える。誰かと走れば勝手に休むわけにはいかない。痛くなるのは必然。

対策その1

 お尻が痛いのがトラウマになって、自転車に疎遠になってしまう人も中にはいるかもしれない。ただのマイブームだっただけかもしれないが、SDGsを地で行く乗り物だけに、これだけでやめてしまうのはもったいない。そもそも、当初の目的のそのポッコリお腹を凹ますこともできずに、数(十)万円した自転車を庭のミニトマトの横に野ざらしに、また半端なく場所をとる室内に置いておくのは二重・三重にもったいない。じゃあどうすればいいのか?
 もし、この記事を目にした人が、初めてのロングライドででお尻が痛くなって、家に帰ってすぐに「自転車」「お尻痛い」とかのワードで検索した方であれば、まずお勧めは『レーパン』の購入を強烈にお勧め。『レーパン』にはお尻・股間部にクッションが付いていて、物理的にお尻とサドルとの緩衝材なってくれる。ルックス的に敬遠されがちだけど、それが気になるなら、その上から薄手の短パンでも履けばいい。これは買うだけでいいからお手軽かつ効果的。ぐつぐつ煮込んだ鍋のふたを素手でとるのと、鍋つかみでとるのと同じくらいの差がある(と思う)。

手を出してはいけない サドル商戦

 さて問題は、もう何度もロングライドをしていて、すでにレーパンを使っている方々。いろいろと乗り方を試したり、休憩を入れたりと工夫するようにしても痛い…。せっかく楽しいライドが後半はお尻が痛く全然楽しめない。そんな人たちの藁をもすがる思いに、自転車業界の悪魔のささやき サドル商戦。「ロングライド向き」「なんとか素材使用」「なんとか設計」などなど、悩んでる人を誘惑するうたい文句が並ぶ。
 でもでも、皆さん気付くべきなのです。すでに完成車にはサドルが付いていることを。サドルがなければ、『レーパン』の有無以上の差がでるだろうけど、すでにスポーツ自転車としてついているサドルと、巷で別途販売している、長々とその差別化された特徴が書かれているサドルの差は、「木の盾」と「皮の盾」ぐらいの違いしかない、たぶん。「みかがみの盾」ぐらいの違いがあればいいけど、サドルに関してはそんな差は、冒険終盤にも出てこない。
 自転車業界が、差別化をあおって1g単位で軽量化を宣伝文句にしてるのと同じ。コンマを争うレースをする人にとっては有益でも、ロングライドを主体とする僕みたいなホビーな人に、サドルのこだわりは自己満足の募金でしかない(個人的見解)。

対策その2

 じゃあどうするの?
 痛くても乗り続けられる技術を身につけてください。身も蓋もないかもしれないけど、ほんとにこれが正解。僕も1000kmを超えるライドをしたりするけど、やっぱり何度やってもお尻は痛い。長く走ってれば痛くなるのが必然なのです。ポイントは痛くなることを『前もって知っている』ことがとても重要。だから、ライド中はお尻が痛くなる前から、座るポジションを定期的に変えたり、お尻だけに重心がかからないように前傾を意識したりするのがいい。それだけで、痛くなる時間をかなり遅らせられる。
 それでも、100kmとか超えると痛くなり始めるので、ダンシング(立ち漕ぎ)とかを織り交ぜながらお尻の延命を試みるのです。そして不思議と、ブルベとかの何百kmとかの距離になると、あるタイミングで痛みが気にならなくなるタイミングが来ます(限界突破?)。

お尻が痛いのがロングライド

 結論としては、お尻が痛くならないロングライドはないということ。それを受け入れることで、精神的安定をもたらすとともに、ライド中のお尻メンテナンスを痛くなる前から試みることで、お尻の痛み耐性も増えていきます。この記事を読まれた方が、サドル沼にははまらないよう願うばかりです。
<終わり>

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